バックファイアー爆撃機は、ロシア本土のカルガにあるシャイコフカ空軍基地から離陸した。

 ウクライナ空軍司令部発表。ショッピングモールに2発着弾したのは、「ツポレフ22M3」から発射された「X-22」である。長距離空対地ミサイル。

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 The Maritime Executive の2022-6-26記事「Ukraine Strikes Jackup Rig in the Black Sea for a Second Time」。
  クリミア近海の石油掘削リグは3基あり、すべて攻撃を受けている。うち1基は、被弾から5日後もまだ燃えていると。

 ウクライナ海岸からの距離からみて、どうもハープーンで攻撃しているのではないかと。

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 Kamil Galeev 記者による2022-6-27記事。
    プーチン時代に装備化されたSLBMの「R-29RMU シネヴァ」は、クラスノヤルスクの機械工場製だが、工作機械はドイツ製である。

 この工場は雑誌を発行している。そこに「ZET-Chemie」社のウォータージェット切断機について語っているページがある。

 そのマシンは2017年に据えつけられているようだ。それって、クリミア侵略よりも後だよね。

 サルマトやシネヴァを製造するのに、チェコの「TDZ」社製の「VLC 4000 ATC+C1」というマシンも役に立っているようだ。

 2014以降、ロシアの軍需産業の復活を助けた主役級の戦犯企業が2つあるとすれば、それはドイツのジーメンスと「Heidenhain」社である。

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 Anna Neplii 記者による2022-6-28記事「Who armed Russia?」。
    2015年から2020年にかけて、フランス、ドイツ、イタリア、オーストリー、ブルガリア、チェコ共和国、クロアチア、スロヴァキア、スペインは、ロシアに対して総額3億4600万ユーロの兵器を売っていた。

 抜け道は、2014-8-1以前の契約は実行して可い、とEUが制裁に例外を認めたから。

 最大の売り手はフランス。1億5200万ユーロの兵器をロシアに売り渡した。
 戦闘機用のFCSや戦車用のサーマルイメージングシステムだけではない。爆弾、ミサイル、ロケット、魚雷、爆薬をモロに売りまくってきた。2015から逆に輸出が増加しているのだ。

 2014年には、化学物質、生物兵器素材、放射能物質もロシアに売って可いと仏政府は決めた。

 金額で二番手はドイツだ。ロシアに軍需品を1億2180万ユーロ、売った。
 2017年には、宇宙ロケット用のヒドラジン燃料を250万ユーロ、売っている。

 イタリアのイヴェコ社は「Lynce」装甲車を2500万ユーロ分、ロシアに輸出した。2015年に。この装甲車は今年3月、ウクライナ戦線で撮影されている。
 また2021年の1月から11月まで、イタリアからロシアへ、兵器と弾薬が2190万ユーロ、輸出されている。
 チェコは、航空機、ドローン、飛行機用エンジンをロシアに輸出している。
 オーストリーは、重機関銃や機関砲とその弾薬パーツ。
 ブルガリアは、軍用船舶。

 EU諸国は、2014以降に「特許」もロシアに売っていた。それはヴォロネジ航空機工場で「アントノフ148」を15機製造するのに必要なものだったという。

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 Defense Express の2022-6-28記事「European Union Delivers More Than 90 Off-Road Trucks for Armed Forces of Ukraine」。
    EUはウクライナ軍のために、4×4の汎用トラックを90台以上、届ける。最初のルノーのトラック「D セリア」が届き始めた。

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 2022-6-28記事「MissionGO provides Michigan’s first real-world cargo delivery operations via UAS」。
   ミシガン州の無人機会社「ミッションGO 無人システム」社は、電動ながら単軸のヘリコプター型の配達ドローンを飛ばす営業に挑む。まずは医療物資の輸送。

 米国のFAAのきまりで、米国内でも無人機操縦者は、無人機を目でみていなくてはいけない。
 しかしある条件を満たせば、人口密集地の上を、目視監視されずに飛んでもいい。それは総重量55ポンド未満で、電動である必要がある。

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 Howard Altman 記者による2022-6-27記事「The Ukraine Situation Report: Cross-Border Sabotage Raids And CIA Operatives In Kyiv」。
   ロンドンの『タイムズ』紙によると、ウクライナの第10特殊部隊の分遣隊がロシア本土内に潜入して重要施設の破壊・妨害に貢献していると。精油所、弾薬集積所、通信ネットワーク……等々。

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 ストラテジーペイジの2022-6-28記事。
  6月22日、ドゥヴォルニコフ大将は解任された。シリアでの経験を買われて、ウクライナ戦争の総司令官に抜擢されていたのだが。

 後任が発表されていないので、またもとどおり、スタフカ(参謀本部)とモスクワの文官が、この地域の戦争いっさいを仕切るのだろう。

 D大将のつまづきは、6月10日の東部戦線で勝利できなかったこと。北部で失敗した部隊を転進させて東部を補強したのだったが……。

 2015にシリアに着任したドゥヴォルニコフが察したこと。アサドがやっているように、反政府ゲリラの支持基盤である一般住民をめがけて砲撃&爆撃してやれば、そいつらはシリアの国境外へ出て行ってくれる、と。

 これは、一定数のアサド支持派住民が別に存在することが前提条件だった。ウクライナにはその条件が欠けていた。

 シリアではロシアから補給された兵器弾薬量で反政府派を圧倒できたのだが、ウクライナではそうは行かなかった。
 ※こちらがどこかを補強しようとして時間をかければ、その同じ時間で相手陣営も自軍を補強してしまうから、攻勢を再興しても戦線はまったく膠着するだけ。WWI で皆が学んだはずのこと。

 シリアに派遣された露軍は全員が志願のプロであり、精鋭で使えるユニットだった。しかるにウクライナ戦に動員された露軍は素人のあつまりである。それを同じように指揮できると思ったD将軍は、自軍に失望させられた。

 CASの環境は天と地の差があった。シリアではCAS機が地上から脅威を受けることはなく、近接爆撃し放題。ほとんど遊び感覚だった。だがウクライナでは、ちょっと高く飛んだだけでSAMの餌食である。ウクライナではパイロットの士気がガックリと下がり、積極的な仕事をしてくれない。

 D大将は、どこか1箇所の地区を占領して、それで戦争勝利宣言をして停戦してはどうかとプーチンに提案し、拒否されたのだろう。

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 AFPの2022-6-24記事「Drought hits Italy’s hydroelectric plants」。
   イタリアが今年は少雨のため、多目的ダムの水量が足りなくなる。発電と、灌漑に悪影響が出るだろうという。
 1月から5月までの水力発電量は、2021年とくらべて4割少ないという。

 少雨現象が始まったのは2021-6からだという。

 ポー川の水位が低下しているため、ミラノの南東にある小さい発電所は6-21から無期限に送電を止めた。
 ポー川の水量の減少は過去70年で最も深刻だという。
 マジョレ湖、ガルダ湖、ティベル川、すべて水位が低下しているという。

 ※2016年に出版されている『水力発電が日本を救う――今あるダムで年間2兆円超の電力を増やせる』という快著によると、多目的ダムの古い基本法令をちょっと改正するだけで日本のダムの貯水量を2倍にすることができる。また日本のダムの断面は「底辺」と「高さ」が同じという世界にも類のないピラミッド構造で、その内部には鉄筋を入れていないために、半永久に腐朽しない。底部を岩盤と一体にしてあるので、過去のすべての地震で日本のダムにはヒビひとつ入っていない。既存ダムの高さを10%追加する工事も、このピラミッド原則を守ったならば安価かつ安全に施工でき、それによって既存ダムの発電力を一挙に70%も増やすことができる。今の日本の発電量のうち水力由来は9%だが、これを3割にできる。水力発電には燃料の輸入の必要がないのだから長期的にはこれほど有利な方式はない、のだそうである。いまや、真面目に検討する価値があるだろう。幸運にも、日本の気候ならば、イタリア型の旱魃もあり得ないので。