ロシアの5月の自動車生産は、前年比97%減だと。

Kamil Galeev 記者による2022-6-30記事。
 シベリア鉄道の「Sgibeevo」駅と「Bolshaya Omutnaya」駅の間で貨物列車19両が脱線したとRIAが報じている。

 カミル・グリーフ氏の断言。ロシアによる戦争を止めたくば、西側においては、ジーメンスと Heidenhain の独2社に対露サポート・ビジネスを絶対に禁ずること。露国内においては、鉄道サボタージュが一番だ。

 数値制御の工作機械は、家電品とは違い、納品したメーカーによる常続的なメンテナンスが不可欠なのである。そのメンテナンスを禁じてしまいさえすれば、買い手には、自力ではどうしようもないのだ。

 この点、ドイツ人は巧妙だった。ぜったいに機械のコントロール権のすべてを買い手の工場には渡さないという商売流儀をもっているのだ。納入した工作機械は、永遠に、メーカーの飯の種になるようにしているのである。

 いま現在、なおもまだドイツ製の工作機械が、ロシアの軍需工場で、普通に稼動を続けているという。これはとてもおかしい。ドイツ人がメンテナンスを続けている疑いが濃厚だ。さもなければ稼動の継続はありえないのだ。西側諸国はドイツを捜査せよ。

 あなたはロシアの核兵器が怖いだろうか?
 だったら次のことを思い出せ。
 それを製造しているのは、ドイツ製のNC工作機械である。ドイツ製のNC制御ソフトである。今もってそれが動いているが、それはドイツ人技師が日常のメンテナンスを絶てば、すぐに止まってしまうものなのである。


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 Kamil Galeev 記者による2022-6-30記事。
    ロシアの国家経済と行政に関する大統領補佐アカデミー(略してRANEPA)。その主任であるウラジミール・マウは本日、ガスプロムの独立重役として再任されたが、同時に、逮捕された。

 RANEPAはロシアにあって異彩を放つ人材育成機関である。そこでは、「証拠に基礎を置く科学」を、経済官僚に教えるのだ。プーチン好みの似非科学ではなく。

 ロシアには高等経済大学校=HSE=IMHOという機関もあるが、こっちはオカルトである。科学の居場所が無い。

 記者はHSEで学んだ。そしてRANEPAで働いたことがある。だからコントラストが分かる。

 プーチンは5-10に、5人の行政官をクビにした。このうち4人はRANEPAの行政官育成コースの出身者だった。プーチンは科学が嫌いなのである。

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 FRANCESCA EBEL 記者による2022-6-30記事「Russian forces leave Snake Island, keep up eastern assault」。
   ウクライナ本土から35kmしか離れていない蛇島に、ウクライナ軍がミサイルと大砲のタマをめっちゃ叩き込んだら、2-24から占領していた露軍が、2隻のスピードボートに分乗して、逃げ去ったという。
 人数については、発表がない。

 ウクライナ軍はこれから島に守備隊を送り込む。ただしその時期は発表されていない。

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 Thomas Newdick 記者による2022-6-30記事「Russia Has Been Driven From Snake Island By Ukraine」。
    砲撃の主役は、ウクライナが国産しているトラック車載型の155ミリ加農「2S22 Bohdana」であったと、ウクライナ軍司令官のZaluzhnyiは言っている。

 しかしこの「2S22」は、大量生産されておらず、ウ軍にはまだたった1両しか配備されていないのではないかともいわれる。

 砲弾も謎である。ロケットアシスト付きのエクスカリバーを、ウクライナは受け取っているそうだが、それを「Bohdana」から発射できるのかどうかは、不明だ。

 HIMARSの227ミリロケット弾「M30/M31」の効果があったのではないかと考えることは合理的だと思う。情報は全く無いのだが。

 ※最新のMaxer衛星写真でクレーターが少ないことから、VT曳火モードのHIMARSを使ったということは大いにあり得るのではないか? この破片に堪えられなかったとすると、守備隊は硫黄島式の地下壕をロクに構築していなかったのか? しかしなぜ桟橋のボートを狙わなかった? 簡単に破壊できただろうに。

 守備していた最後の露兵が乗って逃げたのは、桟橋で撮影されている「BL-820」というモーターボートだろう。2隻どころか、ボートは合計5隻使われたという話もあり。

 ※せっかくSAMを揚陸しても、それは地下に置くことはできない。地上にむき出しで置くしかない。それは砲撃に対してまったく弱い。これが教訓か。SAMもAAGも生き残れないなら、そこはドローンが飛び放題になる。この最新戦訓を尖閣と陸自の特科にあてはめるとどうなるか。拙著『尖閣諸島を自衛隊はどう防衛するか』で書いていることが、あらためて再確認されたように思う。

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 indomilitary の2022-6-30記事「Philippine Army Inaugurates New Artillery Battalion with 12 SPH Atmos 2000」。
   比島陸軍はこのたび、イスラエル製の「ATMOS 2000」というトラック車載の155ミリ榴弾砲×12両で、最初の大隊を編成した。メーカーのソルタム・システムズは、エルビット・システムとイコール。

 フル・ボアのベースブリード弾「ERFB-BB」を使うと、アトモスの最大射程は41kmになる。
 またNATOのふつうの砲弾「L15」というのを発射する場合は、レンジは30km。
 もっと古い弾薬である「M107」だと、最大射距離は22kmにしかならない。

 トラックはタトラの6×6である。インドでライセンス生産されているという。車両には砲弾27発も載せられる。

 ※もし大砲の届かない離島に先に敵がSAMを持ち込んでしまったらどうすればいいか? レーダー反射率を意図的に高めた、使い捨てのドローンを、半没UUVによって、夜間に近海から放ち、SAMレンジぎりぎりの不規則コースを飛ばし続ける。そして燃料切れ直前に沿岸まで超低空で近づいてから海没させてしまう。それを次々と、連日繰り返す。ドローンのコストがSAMコストより低ければ、敵は持続不能である。



尖閣諸島を自衛隊はどう防衛するか 他国軍の教訓に学ぶ兵器と戦法