軍事政策の決定は、結果がすぐに出るので、英国首相としては面白すぎて、つい熱中したくなる。ピットはあとすこしでフランスを二流国に陥落させられると確信してますます世界戦争に熱中しようとした。
だが周辺の英国指導層としてはそれではたまらんのである。結果はすぐには出ないが同じくらいに大事な課題は山ほどあるので。
英国経済の調子が絶好調だったなら、ボリス・ジョンソン氏の続投は許されたかもしれない。だがそんな幸運は滅多にないのだ。
次。
Samuel Cranny-Evans 記者による2022-7-5記事「Pandora’s box: The challenge of Western aid to Ukraine」。
いろいろな国から自走砲を貰うのはいいのだが、エンジン整備はたいへんだぞ。
カエサルはルノー・エンジン。Zusanaはタトラ・エンジン。M109はデトロイトディーゼル。PzH2000とKrabはMTU 881 Ka-500 エンジンである。トランスミッションにもRenkとアリソンの2タイプがある。
これから整備教育とパーツ管理をどうするんだっての。
次。
ストラテジーペイジの2022-7-7記事。
ロシアの黒海艦隊の潜水艦隊は1隻を除いて不振である。その1隻は『アルロサ』。艦齢は古いが大改修している。
90年代に『キロ』級として建造され、2005に黒海艦隊に配属。
2020にバルト海に戻して練習艦にされる予定であった。
だが2014以降、方針が変わり、ポンプジェット推進の実験艦に。
2-24時点で黒海に『キロ』級は7隻あることになっていたが、そのうち現存は5隻。あとの2隻はシリア沖に派遣されていた。これはルーチンのローテーション。
ところが戦時にはトルコにひとつの義務が生ずる。地中海から黒海に、交戦当時国の所属軍艦が入ることを止めねばならないのだ。これは国際条約で決まっているのである。だからシリア沖の露潜はもう黒海へは戻れない。とうぶん、シリアの港で過ごすしかない。
セバストポリ軍港の5杯の露潜のうち、『Alrosa』とは別の1隻も整備中で動かし得ない。