ギリシャがパイプラインを新設したので、アゼルバイジャン産の天然ガスをブルガリアまで送出できるようになった。

 ロシアは4月からブルガリア向けのガスを止めていた。秋が来る前に、その対策が取れたわけだ。

 次。
 J.P. Lawrence 記者による2022-7-13記事「Iranian drones could boost Russian battlefield capabilities in Ukraine, analysts say」。
    プーチンは来週、テヘランを訪問予定である。これは火曜日にクレムリンから公表された。
 それにさきだって月曜日にジェイク・サリバンが、イランはロシアにセベラル百機のUAVを提供する気だと語った。

 イランは過去数十年、中東で配下の武装グループに自爆型を含むさまざまな無人機を提供してきた。その実戦経験の厚さは誰にもひけをとらない。

 しかしジェーンのアナリストであるジェレミー・ビニーは、サリバンの話に疑問を挟む。短時間のうちにセベラルハンドレッドのUAVをロシアに供給できる力はイランにはないだろう、と。

 ワシントンのシンクタンクであるCNAに属するサミュエル・ベンデットいわく。イランはこれまで、イエメン、イラク、シリアに対して特攻ドローンを供給してきた。
 ロシアがまったくそれを開発してこなかった数十年、イランはそれを実戦に投入して経験値を積んでいるのだ。

 ベンデットいわく。ロシアはポスト冷戦期に入ってから、兵器開発の優遇選択を間違えた。ドローンがこんなに現代戦を左右するとは思わなかったのだ。だからすっかりゲームに遅れてしまった。

 ※カミル・ガリーフ氏に言わせればそうじゃないということになるのだろう。ロシアがぼんやりしていたのが理由ではない。そんなのはいつものことだから。最も肝腎なことは、ポスト冷戦期のドイツ人がぼんやりしていたということなのだ。だからドイツの軍需企業からロシア軍へ提供できるUAV技術が全く無かったのだ。じっさい、ロシアはまずイスラエルから「サーチャー」のライセンスを買っている。

 ベンデットは指摘する。イランが教えられることは単なる設計技法だけじゃない。イランはロシア以上に経済制裁を受けてきたのに、どうして自由自在にUAVを開発し続けて来られたのか? その「ブロケイド破り」の軍需工業マネジメントに、一日の長があって、ロシアはそれに師事するしかないのだ。

 別なシンクタンクのアーロン・ステインいわく。イランは、エチオピアとタジキスタンに対して無人機を輸出している実績もあると。

 また、サリバンは、この7月にもイランはロシア軍に対してUAV戦法の教授を始めるであろうと述べている。

 ※CSでときおり再放送される、ドイツのRC(リモコン操縦模型)趣味野郎たちの番組。クレジットを見ると、製作されているのが2009年くらい? 当時すでに、欧州の民間の個人の趣味レベルが、ロシア軍から見れば脱帽の域に達していたことが端的に知られる。ところがドイツその他の西欧諸国の軍需産業は、イラン式の特攻自爆ドローンの開発を思いつかなかった。ここがとても興味深い。