種子島銃の国産化でいちばん苦労した「尾栓」を、犯人は何で代用しているのか? いくら写真を見ても、あの白い物が何なのか、謎だ。

 Defence Equipment News の2022-7-14記事「BLAZE To Unveil Spider VTOL UAV At Farnborough」。
    ファンバラ航空ショーに出展されたブレイズ社のVTOL無人機「スパイダー」は、無尾翼の牽引式電動プロペラ単発機なのだが、発進も回収も、機首垂直上げ姿勢で、ラクラクできてしまう。どうしていままでこれが誰にもできなかった?

 運搬も発進操作もリモコン操縦も回収もぜんぶ、1人のオペレーターだけでできる。
 滞空3時間可能。 ※それ以外のスペックが皆目わからん。特にペイロードと最大離陸重量!

 ブレイズ社の社長は、イタイ・トレン氏という。
 VTOL方式とすることにより、小舟艇からでも運用ができるポテンシャルがある。それも、発進時にかなりの強風であっても無問題。

 ※昨日の雑報によれば、ZALA社のロイタリングミュニション「ランセット」の墜落残骸がウクライナで撮影された。ウクライナ戦争に持ち込まれていることが初めて写真で確認された。撮影場所は、ザポリジジア市。


 次。
 「Hungary Escapes the Shadow of the Soviet Union」という記事。
    ドイツがハンガリーを占領したのは1944-3のことで、すぐにユダヤ人が狩り集められて、夏までにはアウシュビッツ送りにされようとした。
 ハンガリーの憲兵隊も、SSとゲシュタポに協力した。

 もうソ連軍が近くまで来ているというのに、ハンガリーのナチである「アロー・クロス」は、集めたユダヤ人を三人ひとつながりに縛り合わせ、真ん中の一人の頭を撃って、ドナウ河にまとめてつきおとした。左右の2人もそれで溺死することになるのだ。

 ハンガリーからソ連軍が出て行ったのは1991-6-30だった。

 ソ連兵が引き揚げるとき、兵舎からはあらゆる物を持ち去った。壁からは電線を剥ぎ取った。トイレの便器も外して行った。

 戦後、ハンガリーの学校では、皆がロシア語学習を強制されてきたが、その日を境に、誰もロシア語を学ばなくなった。もののみごとに。

 ロシア語の教員は、たちまち、英語教員に変身を遂げた。彼らは英語を俄かに独習したのである。それで、ジョークが語られた。ハンガリーの英語の先生は、生徒よりも授業2時間分しか先行してはいないと。
 だがハンガリー人にはマルチリンガルの伝統があるので、それしきは平気なのだ。

 マルクス主義の彫像・塑像はすべてブダペストの南西角の、塀をめぐらせた特設公園に集められた。他の東欧諸国ではそれらは破壊されたものだが、ハンガリー人はこう考えた。もしまた共産主義者たちが戻ってきたら、こうしたモニュメントを再び製作するのにハンガリー人の税金が使われてしまう。それは損だろう、と。今なら「eベイ」で海外へ叩き売られたところである。

 ※中国SNSに、山上手製銃のイラストが投稿されていて、そこには、俺的にいちばん謎であったことが明快にイラストレートされており、膝を打った。「トグル・スイッチ」を2個、付けていたのだ! 報道写真にいくら目をこらしても、トリガーとして機能したはずのスイッチの部分はどうなっているのか、見えなかったのに、中国人たちにはよく分かったもんだ。しかし尚、疑問がある。トグルスイッチは、ちゃんとした製品ならば、かなりの力を入れないとON/OFFできぬので、携行嚢の中で不意にレバーが押し倒されて暴発してしまうようなことは、めったにないであろうが、万一ということは常にある。だから「安全機構」が別にあったのではないか? たとえば、固い、物理的なカバーのようなもの、とか。ニクロム線は、古い世代の日本人なら、知っていよう。昔のゴミ捨て場に出されていたブラウン管式のテレビの背面から、薄板状の「抵抗」器の一種をちぎり取り、巻き線を数センチばかり外すだけ。乾電池を4本から6本くらい直列にしたものを電源にして、リード線をつなげば、それは1秒で赤熱する。さいごに依然として残る疑問。リード線をチャンバーに引き込む穴を、バレルの真後ろに穿っているようだが、何度も実射実験をするか、江戸時代炮術の文献を読み漁ったならば、バレル後方への「尾栓」の吹き飛びという致命的な事故のおそれがあることが理解できていなくてはならぬはず。ところがこの犯人にはその「危険予測」ができていないような気がしてならない。チャンバーに小孔を穿つならば、それは、ガスが噴出したときに射手の顔に吹きつけぬように、側面に穿つのがまず常識だと思うのだが……。そもそもバレル自体が後方にふっとんでこないように、グリップ構造の一部が「バックストップ堤」となるようにするなどのデザイン上の配意も見られない。トドメはビニールテープ。ありえない。最低でも2~3環のスチール結束バンドにネジ、だろう。その上から外見偽装のために黒テープを巻いておいた、というのならば、わかるのだが……。この犯人には、周到さと杜撰さが同居している。(あるいはひょっとすると、バレルを3本以上束ねた場合は、ビニールテープではバレルの後方逸脱をおさえられないという知見を、事前の実験で得ていたか?)