203ミリ自走砲である露軍の「2S7M」が、古すぎて、砲身破裂事故。

 腔発の噂はすぐに広まるので他のバッテリーでも士気が下がったろう。

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 Lawrence Chung 記者による2022-7-24記事「Taiwan left divided by US ex-defence chief’s call for longer compulsory military service」。
   先週に邦台したマーク・エスパーが、台湾の若者の義務軍事教練期間を3倍=1年にするべきだと発言したことの波紋。

 いまはたったの4ヵ月である。

 これに対する台湾国内の声。台湾軍の訓練施設が収容力がなさすぎるのと、教官不足につき、実施しようとしても難しいと。

 また政権与党内からは、今の蔡政権は若い有権者が支持しているのに、その票が離れてしまうのではないかと懸念する声。

 台湾政府は2003年に「2017年までにオール志願制の国軍に変える」と決めて実行した。2008年までは18歳男子に、2年間の徴兵に応ずる義務があったのが、逐次に4ヵ月にまで短縮されている。

 ※げんざい、トータル4ヵ月の集合訓練が課されているが、それは連続ではないので、たとえば大学の長期休暇時節を利用して数年かけて達成すればいい。非常に緩い。

 げんざい、女子には軍事教練の義務はない。ただし志願兵にはなれる。

 また男子の4ヵ月の集合訓練は、教育隊が所在する駐屯地内で完結しており、どこかの国境基地で実働部隊の大隊に配属されるということはない。

 エスパーは言った。イスラエル並のGDP比5%は無理でも、米国並の、GDP3.2%の国防自主努力は、台湾にも最低限、求められていると。
 ※さもないと「安保ただ乗り」とみなされて米議会は支援予算を出してくれない。

 現状、台湾の国防費支出はGDPの2%である。

 野党の国民党系のシンクタンクの人いわく。もしGDPの3.2%の軍事費を支出するとしたら、国家予算の32%が軍事費になってしまう。できるわけないだろ、と。

 台北の政府系の軍事シンクタンクの人いわく。「使える予備役」を増やすことが国家総力戦では大事なのだが、4ヵ月の集合訓練では、それが終わったあと、とうてい「使える予備役」にはならない。そこが問題なのである――と。1年くらい鍛えておいたら、兵営を出たあとも、すぐに有事の役に立つのだ。

 ※台湾軍はたとえばジャヴェリンは装備しているので、有事のさいにジャヴェリンを米国から供給されれば、すぐに使いこなせるだろう。問題は、他にも多種多様な、台湾軍が装備していない装備が自由主義圏にはゴマンとあって、それを有事のさいに供与してもらえそうなときに、「ついでに教習方も頼む」とか言っている余裕はありえないこと。だから平時から、外国製のあらゆる兵器の「使い方の初歩」だけを教える教程が、台湾軍の各地兵営内に準備されている必要がある。それにはあまりカネはかからない。そして18歳から20歳でそれを自主的に受講(通学)してマスターした者には、他の軍事教練(入営)は免除するという特典を与えればよい。1人の民兵が、1種類から数種類の西側製最新兵器の使い方をシミュレーター上でマスターしている状態にするのだ。そのような複数トラックの軍事教練制度にすれば、無理なく自然に、有力な「民兵」のプールが逐年、拡大することになる。国家予算を不健全化することもないし、他産業の妨害にもならないのである。そしてなにより、ウクライナの「郷土防衛軍」(義務徴兵を了えた者が自動的に予備役として所属する、住所地域守備隊)が西側製最新兵器で露軍と即応的にわたりあっている様子を知っている中共軍に対しては、それが抑止力として作用する。

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 Kamil Galeev 記者による2022-7-24記事。
   プーチンは財物を収奪したくて戦争を起こしたのだろうか? 嗚呼、そう思う人は何もわかっていない。
 ロシアでは、権力の階梯をあるレベル以上に昇ると、もはや、カネに関しては一切、なんの不自由もなくなるのだ。あまりにも簡単にカネが手に入るので、カネなんか欲しくはなくなる。ただその代わりに、「権力」それ自体が彼の目的化する。カネを得る手段ではなく、生きる目的と化すのである。

 すべてがうまくいっていないロシアにおいて、鉄道だけが機能を果たし続けている。ものすごい維持努力が鉄道には注ぎ込まれている。

 ※1発の爆弾で鉄路の機能を破壊しようとしても無理。最小限のエネルギーで、無限に反復妨害して行く方法を考えるしか、敵国の鉄道を麻痺させる方法はないのだ。そうなるとたとえば5kgのRDX炸薬よりも、500グラムのテルミットを10個、次々に発火させる流儀を案出するのが上策。ミニドローンを使えば、それは可能なはずだ。直線部分だとほぼ無意味だが、カーブ区間やポイント切替部分なら脅威になる。あとは、走行中の機関車に対する、ピンポイントの無人機空爆だ。

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 Defense Express の2022-7-24記事「Ukrainian Artillerymen “Welcomed” Newly Arrived OMON from Sakhalin in Occupied Kadiivka」。
   「OMON」というのはいわばロシア版の「人民武警」。内務省に属し、機動隊として地方都市で反政府デモを鎮圧したり、矯正収容所を運営する看守部隊でもあるのだが、ウクライナ戦線にはこの「OMON」までがシベリア僻地から掻き集められて投入されている。

 このほどリシチャンスク市の前線に到着したのは、樺太の「OMON」だ。

 ※雑報によるとタジキスタンはイラン製の無人自爆機「Ababil 2」をライセンス生産する。内臓炸薬は40kgという本格的なものである。エンジンは「WAE-342」という。巡航速度は250~350km/時。搭載燃料は16リッター。航続距離120km。つまりは射程120kmの低速巡航ミサイルなのである。高度は3000mまでしか上昇できない。ウイングスパン3.25m。タジキスタンには米国からは「RQ-20 ピューマ」が供給されている。

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 会社HPから。「CO2 Laser Obstacle Remover の Model: LHW-3A」について。
  地上から5m以上も離れた街路樹の太い枝を楽々と切断してしまうレーザー銃(移動砲台型)が市販されている。その動画がSNSに上がっているのでメーカーのサイトを覗いてみた。

 Company Profile。このメーカー「SPTレーザー」社は2013年の創立である。
 ※中共においては第一人者的なメーカーであるようだ。

 この製品は、最大で150mも離れた場所のモノをカットできる。凧糸。釣り糸。蜂の巣。鳥の巣。非金属なら何でも。

 CO2 励起レーザーで、しかも高周波(RF=レディオフリークェンシー)である。
 出力は100ワット。
 連続90分可能。電池で。

 波長は、10640±5 ナノメートル。

 照準用にグリーンレーザーポインター使用。
 また20倍のデジタルズーム眼鏡も使用。

 過熱すると自動シャットダウン。数分後に復活する。ファン空冷式。

 注意書き。「クラス4」のレーザー製品です。
 反射性の物体表面にこれを照射してはならない。

 水平方向に照射するな。特に人の目の高さは×。
 高熱に耐える遮光板を用意しておくこと。

 振動がある場所で使わないこと。強磁界もダメ。

 明瞭に結界して、看板で告知して、通行人を遠ざけること。

 常にゴーグルを着装していること。
 消火器を用意しておくこと。二酸化炭素ガス消火剤、もしくは粉末消火剤。

 レーザー保安責任者を置くこと。

 本製品の保証期間は、12ヵ月である。

 ※このデモ動画を見て誰でも考えること。これで、急傾斜地における林業の伐採作業を劇的に安全化できるかもしれない。山火事発生の危険はあるが、常に樹木の反対側にシールドの衝立を引き回すようにすれば「不規跳弾」は無いだろう。作業者は白蝋病の健康被害から解放され、体力弱者でも一人前の仕事ができるようになる。日本の未利用の山林資源の価値が倍増するかもしれない。今年の冬からわが国にはエネルギー危機がやってくるはずだが、従来は「伐り手」がいなかったために利用できなかった雑木もすべて燃料にできるので。チェーンソー時代の終わりが予言されているような気がする。