「ペロシです……」(嘘です)

 Jakub Palowski 記者による2022-8-1記事「German MoD’s Proposal To Poland: Joint Acquisition of Leopard 2, or Delivery of Leopard 1」。
   ドイツのクリスティネ・ラムブレヒト国防相はポーランドの国防大臣に書簡を送った。
 ポーランドがウクライナに供与した戦車の穴埋めにはドイツ製戦車をご検討くだされ度いと。

 ドイツとポーランドが合同で、最新型のレオパルト戦車を調達するというプログラムでもOKだと。あるいはまた、古い「レオ1」や「マルダー」を大量にお分けすることもできやすぜ、と。

 ポーランドはすでに200両以上のT-72をウクライナにくれやったが、ドイツからのその穴埋めが足りていない。これにポーランドは不満である。

 ドイツに言わせると、自国軍用のAFVもまったく足りてない状態で、余裕がない。

 そこで、とりあえず中古戦車によってポーランドの所要ギャップを埋めておいて、それと並行して新型レオ2の新規生産プロジェクトもスタートし、おいおい軌道に乗せていくという二段構えを提案した次第。

 まず20両の「レオパルト2A4」が2023年中に引き渡されるはず。その後も調達は続き、ポーランドは最終的に44両の「2A4」を買う。

 ドイツは328両の「レオ2」を予備品として抱えている。
 2017年にこういう方針ができた。すでに退役させている「2A4」を再度整備して68両をまた現役に戻す。加えて戦車回収車などの派生車32両も。

 国連の通常兵器統計によるとドイツには現役品と予備品とあわせて601両の戦車がある。

 独軍が現役にしているのは「レオパルト2A5/A6/A7」のどれかだ。

 2020年に、12両の「2A4」がハンガリーに売られた。また15両がチェコ共和国へ売られた。

 ドイツが50両もの「2A4」をポーランドへ供給できるかどうかは疑問である。というのも予備品の戦車は「部品取り」用に置いてあるものだから。

 たとえばスロヴァキアはウクライナに30両のT-72をくれてやった。そのかわりにドイツから15両の「レオ2」を受け取りたいと思っているが、ドイツにはそのたった15両の完動品の予備戦車がないという。

 そこで、2003年にすべて退役させた「レオ1A5」を100両、ポーランドに売りましょうか、という話が出てきた。マルダーも同数くらいある。

 注目すべきこと。だったらドイツからウクライナに直接「レオ1」をくれてやったらどうなんだと誰もが思う。しかしドイツはロシアに遠慮し、それをしないのである。

 ギリシャには旧東独製の「BMP-1」がドイツから供与されている。この「BMP-1」をギリシャがウクライナにくれてやる穴埋めに、ドイツから「マルダー」歩兵戦闘車を贈与しようかという話もある。

 次。
 「PacMan形」の新型磁気地雷を設計する必要がありそうだ。
 鉄道妨害&阻絶用の磁気感応式地雷を、ハイブリッドUAVによって「置き配」したときに、その地雷の天板の一部が、レールの頭頂面よりも高くなってしまうことがあり得る。枕木の形状やバラスト石のイレギュラーな積み重なりによって。
 わずかでも地雷がレール頭より上に飛び出してしまうと、起爆の前に機関車の排障器(カウキャッチャー)でひっかけられ、跳ね飛ばされてしまうおそれが生ずる。
 この地雷は、薄くするのが吉である。しかし、自己鍛造弾方式の地雷は、ある程度の厚さが求められるだろう。無理に薄くすれば、何の威力もなくなってしまうかもしれない。
 そこで、垂直(直上)方向をアタックする「PM-87」型対戦車磁気地雷の構造を90度転換する。破壊力を及ぼす方向を、水平向きに変えるのだ。
 すなわち、HEATのコーンの集中軸線、もしくは自己鍛造弾の放出軸線を、上から見たときに120度ずつ違えて、時計盤状に、三ツ矢状に、組み込む。パックマンの口が3つ、12時と4時半と7時半に向かって開いているようにする。
 このようにしたならば、UAVで線路内に置いたとき、必ずどれか2つの軸は、左右のレールにダメージを及ぼす向きに向いているはずだ。
 これを列車の通過中に磁気&振動センサーによって起爆させることによって、レールも列車も共に損傷させてやることができる。
 通過前に敵が気付いて除去しようとすれば、自爆してレールを損壊する。自己鍛造弾はどの方角にすっとんでくるか、地雷の外ケースを見ただけでは判らないので、機関士や鉄道保線員は手を出せない。

 敵は、磁気や振動を似せた除去手段を開発してくるはずなので、センサーの種類はできるだけ多種化して、ひとつの線路に同じ信管の地雷を2個は置かないようにする。こういうのは海の機雷戦の知恵を借りるべし。

 たとえば、単純な時限信管の地雷を混在させて点々と「置き配」するのだ。

 HEATや自己鍛造にこだわらない、「スラリー爆薬/ゲル状爆薬」の対鉄道地雷弾も研究すべきである。マイナス20度以下の季節や鉄橋相手だと使えないが、平地の鉄路なら、液体爆薬がバラストの隙間にしみこんだところで轟爆させてやるのが、破壊力を無駄にしない方法になるだろう。

 ロシアの最後の恃みが鉄道である。その鉄道をUAVを使って効率的に麻痺させられない限り、戦争の早期決着はない。このままでは世界の燃料と食料品は来年も値上がりし続け、日本の貧民はますます悲惨なことになる。奇麗事を言っていないで、全力を挙げて開発を急げ!