Nic Robertson 記者による2022-8-14記事「A three-week drive around Ukraine’s front lines taught me this: The tide of the war is unlikely to turn any time soon」。
CNNの特派員が、3週間、ウクライナ南部と東部を自動車で旅した。思い知ったこと。この国は広い。
また土地が平坦であるために、高地の争奪を誰も考えてない。生垣や、境界線林帯が、戦術の一大着目点となっている。
驚かされるのは、兵役適齢年齢の男たちが多数、安全な銃後の市町村に、みられること。総動員されていないのだ。
シヴェルスク村。第一次大戦中と同じ風景だ。砲撃で破壊された隣家から材木を搬出し、それを燃やして煮炊きする。ガスも電気も上水も来なくなっている。これから冬がやってくると、ますます住民にとっては厳しいことになるだろう。
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Boyko Nikolov記者による2022-7-28記事「Four months from now, Ukraine may have fired 58% of US GMLRS rockets」。
げんざい、16両のHIMARSがウクライナ軍によって使われている。まもなくさらに4両が加わり、全部で20両になる。この各車が毎日2回、6発ずつを発射すると、1ヵ月で、7200発の終末誘導ロケット弾が射耗されることになる。
公式データによると、FY2021のおわり(=2022-9-30)までに、米軍はHIMARS用のロケット弾を5万発、蓄えているはずである。
もしも20両のHIMARSが毎日2回、6発ずつ発射して、それが4ヵ月続いたなら、トータルで2万9000発の射耗。それは米軍の2022-9-30時点でのストック量の半分に近い。
米オンラインメディアの『The Drive』によると、来年ペンタゴンが調達するこのHIMARS用のロケット弾は、1発が16万8000ドルだそうである。
こんな調子でウクライナに米軍用の弾薬が消費されてしまうと、イランや中共と別地域で開戦となったときに、米軍はまずいことになる。すでに複数の専門家がこれを警告している。
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ストラテジーペイジの2022-8-15記事。
7月、米海軍は、新鋭の2万2000トン給油船『T-AO 205』級の一番艦を就役させた。これは6隻造る計画。
この油槽船は全長227m、乗員99名は民間人である。
単価は6億4000万ドル。工期は3年。
このフネが更新する先代の補給艦は『T-AKE』級といい、4万1000トンで、12隻あった。弾薬運搬船を兼ねている。
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Janay Kingsberry 記者による2022-8-11記事「The Army Tactical Brassiere will be presented to the Army Uniform Board for approval in the fall」。
米陸軍の制服委員会は、「タクティカル・ブラジャー」をこの秋に承認する。
陸軍の基地内で売られているスポーツブラは従来一種類しかなく、大問題だった。
それはレーサーバック(背中の肩の近くには紐が来ないデザイン)なのだが、着用者がそれが合わないと感じても、他の製品が無い。
マサチューセッツ州ナティックにある、陸軍戦闘能力開発コマンドの兵士センターにて、4種のATB(陸軍戦闘ブラ)のプロトタイプが試作された。これが陸軍制服委員会に提出される。
素材は防燃性。通気性メッシュ。着脱はプルオーバー式。留め具は胸前にあり。認識票を収納しておくポケットが内側についている。
開発チームは早い段階で、ジェネ・ルチアニ・セナさんをコンサルタントとして雇った。『ザ・ブラ・ブック』の著者である。
2004年時点で陸軍が支給してくれるブラのサイズは大中小の三種類しかなかった。
ルチアニセナいわく。これに関しては「フリーサイズ」などありえない。
ユーザーごとに違うのである。
たとえば、ある人にとっては、クロスバック・ストラップスが良い。
またある人にとっては、フロント・クロスオーバーでサポートが強化されているものが良い。
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Peter Maass 記者による2022-8-16記事「An Accused War Criminal Trained Florida Cops in “New Concepts of Shooting”」。
フロリダ州のタラハセ市警。
雇っている「近接銃戦」の教官がいわく付き。
元シールズで、イラクで民間人を射殺し、収容所で捕虜を殺したというので、戦争犯罪人として告訴されていたことのあるエディー・ギャラガーだ。
ギャラガーは2019に軍法会議にかけられた。その前に収獄されている。この軍法会議で殺人容疑については無罪を言い渡された。死体の前で記念写真を撮ったことについては、トランプが恩赦した。
米国の警察は1960年代から「ウォリアー・コップ」になろうとする趨勢が始まった。
1990年からはペンタゴンが、74億ドル分の装甲車、擲弾発射器、狙撃銃などを全米の警察署に配っている。
そして2001テロを期に、さらなる米軍の本格装備が警察分野へ注入されるようになった。
タラハッセ市警には装甲兵員輸送車だけでなく、装甲ブルドーザーもある。これも珍しくはない。
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Jeremy Mark 記者による2022-8-11記事「The uncomfortable economic truth behind Xi Jinping’s Taiwan threats」。
台湾経済はどのくらい中共本土市場に依存しているか。
海外への輸出の総額が1890億ドル。その半額以上が、中共+香港に向けたものである。
ナンシー・ペロシは、台湾にて、TSMCの会長と面談した。
TSMCは、昨年、対支の売り上げを10%減らした。米政府がHuaweiに対するチップ輸出を禁止したので。
※すべての集積回路には米国の基礎特許が使われているので、このような措置が可能なのである。
昨年、TSMCは、収益の64%を米国市場から得た。
中共はペロシ訪台に対する経済制裁だと叫んで台湾産の柑橘類やら水産物を禁輸したが、そもそも中共が台湾から輸入している農産品・水産品・食料品は、その全部を合計しても、中共の全輸入食糧の0.23%でしかない。すなわちまったく宣伝の意味しかないナンチャッテ制裁。TSMCの半導体を禁輸したりはしないのである。
中共の御用新聞はまた、台湾向けに「砂」を禁輸したので、台湾では水晶が足りなくなってチップ製造が苦しくなる――とも宣伝した。
ところが実際に禁輸されたのはコンクリート用の砂だ。台湾のメーカーは、水晶の原料ならば、世界の他のどこからでも仕入れることができるのである。
砂全般を見ても、台湾の中共への輸入依存度は、昨年度において、10%未満でしかなくなっているのだ。
中共新聞は、この制裁で台湾人は貧乏になるとも宣伝したが、2022年の第2・四半期の中共の経済成長率は0.4%であった。台湾は3.08%であるから、どっちがこれから貧乏になるのかは言うまでもない。
他方、熊プーの新コロに関するシャットダウン政策の不況のせいで、すでに中共本土では若者の失業率が20%に近づいている。
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Ana Monteiro and Eric Martin 記者による2022-8-12記事「US to Control Exports of Some Chip Tech to Cut ‘Nefarious’ Use」。
ロシアや中共の軍事力を助長してしまっている西側技術の筆頭は半導体関係である。これらのデュアルユース商品の輸出管理を、これからますます厳しくしなくてはいけない。
具体的には……。
やたら広いバンドギャップの半導体の回路基板。酸化ガリウムや、ダイヤモンドを使ったチップ。大電圧や高熱によく耐える。
ECADとよばれる設計ソフト。これはGAAFETとよばれる集積回路構造を設計できる。動作は高速で省電力、しかも宇宙放射線に耐えてくれる。これからの人工衛星に必須。
もうひとつ。PGCとよばれる、ガスタービンエンジンを革命的に効率化できる燃焼技術。エネルギー効率を2倍にでき、ハイパーソニックにもそのまま使える。
※SNSに投稿された動画。ウクライナ軍が、ロイタリングミュニション×1発で、ベルゴロド・オブラストにある無人の通信鉄塔(四角底トラス構造、高さ100m級か?)を基部から倒した。
※SNS動画で分かること。路側設置式水平攻撃地雷のDM-22は、外れることもある。しかし、たぶん一緒にしかけられている磁気感応地雷の方は、ちゃんと機能していた。