ストラテジーペイジの2022-8-21記事。
HARMの自己レーダー探知モードが使えるのは50kmまで。相手が短距離SAM用レーダーなら、それで十分である。
※もっと重要なことは、NATOのAWACS/エリント情報がコバートで提供されていることにより、その短SAMユニットの座標は最初から既知であること。
宇軍の発射母機だが、ミグ29の他に、スホイ25(対地攻撃専用機)からも運用されている可能性がある。
※ということは俄然、《ウクライナに「A-10」をくれてやれ》という思いつきが説得力を帯びててくる。米空軍はその論調を焚きつけようとするはずだ。早く旧式機を厄介払いしたいので。
HARMの発射母機は、超低空で敵レーダーに近寄り、50km以内でミサイルをリリースする。パイロットはすぐにUターンしてかまわない。
HARMはコンスタントにアップグレードされ続けている。とくに2012年には劇的に高性能化した。それ以前の調達品も、最新型に逐次に改修されている。
最新型HARMの調達費は1発126万ドルである。
HARMは1983年からある。ところが1999年、セルビア陸軍(かんぜんな露式)のSAMユニットは一枚上手であることをNATO空軍機に対して示した。レーダーを一瞬だけ使ってすぐに停波してしまえば、HARMは当たらないのだ。
そこで、敵レーダーが沈黙モードに入っても、その輻射源座標をミサイルのほうで記憶していて、INS/GPSを頼りにコースを維持して命中するように改善された。それが今、ウクライナで本領を発揮してい。
さらに最新のバージョンでは、動いている軍艦をもHARMで攻撃できるようになった。
2014年には、機微な回路を取り除いた輸出専用モデルも完成。これも対艦用途に使える。
最新型の飛翔距離は150km。フネが相手なら、このくらい遠くから放ってもよい。ただし高空からリリースする必要がある。ミサイルは、命中の前に母機に対して「映像」を電送してくる。それで、標的が本当に敵の軍艦かどうか、最終確認できる。自重は361kg。
2023年からはF-35用の最新バージョンができる。これはレンジが280kmに伸びる。
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Sean Spoonts 記者(SOFREP編集長で、元ASWヘリ乗員)による2022-8-21記事「What The Hell is Wrong with Steven Seagal?」。
スティーヴン・セガールは2015年にロシアに移住し、2016にプーチンから特別にロシア市民権を与えられ、いらい、プーチンの宣伝アセットに成り下がっている。今、69歳。
2020年にセガールはNY州の裁判所から、SECに対して罰金33万ドルを支払いなさいという判決命令を受けた。仮想通貨への投資を誘うステマ宣伝役としてこっそり雇われてSNS上で活動展開していたことをSECのサイバー部門から見抜かれ、咎められたのだ。セレブがこのような無責任なステマ活動をすることは米国では許されないのである。セガールはしかし、7万5000ドルを払っただけで、ロシアへ逃亡した。
※そこへ行くとジャッキー・チェンは、香港を裏切って習近平ならびに中共の奴僕となったことを堂々と隠してもいないから潔い。セガールと組んでステマ映画を作ったらどうだ。
セガールは他にも数多くのセクハラ訴訟の被告である。撮影スタッフや共演女優を複数、レイプしているという。
セガールはプーチンの部下になったことで2017以降、ウクライナ政府から5年間の入国禁止を喰らっている。
2016以前にはセガールはセルビア軍特殊部隊にマーシャルアーツを教えている。
セルビア=ロシアである。
セガールという姓は「シーゲル」の派生だとみなされる。「シーゲル」はアシュケナジ(東欧在住ユダヤ人)の姓である。しかるにセガールは、じぶんのルーツはロシア領内の仏教徒なのだ、というわけのわからないことを触れ廻っている。
セガールが50本以上出演している過去のアクション映画の中ではロシア人たちは犯罪組織の大悪党やKGBとして多数殺されているわけだが、プーチンはそこは不問に付すらしい。
セガールはもっかのところ、米国市民権を棄てていない。プーチン失脚後に備えた保険のつもりであろう。
しかしセガールが米国領内に戻ろうとしても、SECの一件だけでも、空港で逮捕されてしまうことは確実だ。
そしてその前に、ロシア政府とこれだけ密接な関係を築いてしまうと、入国そのものが、国家安全保障の理由から禁止されるだろう。
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2022-8-21記事「Daughter of Putin ally Alexander Dugin killed by car bomb ? investigators」。
アレクサンデル・ドュギンは、プーチンを筆頭に、多数のロシア政治家に影響を与えてきた、超国家主義者。
その娘が爆殺された。乗用車のランドクルーザー・プラダに仕掛けられた爆弾により。
場所はモスクワ近く。時刻は土曜の夜。
その晩、父娘そろって文化祭に参加。その戻りの運転中であった。
プラダのオーナーは父親であった。
娘はふだんは別の車を運転するのである。しかしその日はたまたま、親父の車をころがして帰宅することに。
親父は別な場所に用事があって、別行動だった。
29歳の娘は今年テレビに出演してウクライナ侵略を支持していた。
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Kamil Galeev 記者による2022-8-21記事。
ドゥギンは、かつていささかも「クレムリンの思想教師」であったことはない。しかし、国外的に、あたかもそうであるかのように信じさせることができたという事実が興味深い。
ドゥギンの政治主張は、ロシア人ならば皆「なにいってやがるんだ」と心の中で思っている。ところが非ロシア人から見ると、そうではないのだ。皆、コロリと信じてしまう。
ロシアとウクライナの文化の違いは「クモフストゥヴォ」=ネポティズムの深さ。ロシアではプーチンが誰かの娘に洗礼してやったからといって、その一家がプーチンとファミリーになるわけじゃない。ところがウクライナでは、こうした「仮想親戚関係」は決定的に重要なものとうけとめられるのだ。※支那社会に近い。ということは腐敗廓清は容易じゃない。現政府がそれをなしとげつつあるとしたら、とてつもない偉業だろう。
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『ガーディアン』の2022-8-21記事「Two Russians and one Ukrainian arrested after supected spying raid on Albanian arms factory」。
アルバニアの国防省発表。「グラムシュ」兵器工場の内部で写真を撮影していたロシア人スパイを警備兵がみとがめた。ロシア人の男のスパイはその警備兵2名に対して神経毒スプレーを噴射し、失明させた。他にロシア人の女とウクライナのパスポートを持った男がその場で捕縛された。
アルバニアは、ロシアからの観光客の流入を禁じていなかった。そのため、観光客にまぎれてスパイや工作員が入ってきてしまったのである。
「グラムシュ」基地は海岸線から70kmも引っ込んだところにあり、夏に外人観光客がめざすような場所ではない。
アルバニアは2009年以降、NATOメンバーである。この工場でどんな兵器を製造していたかは、秘密のようだ。