ロシアの警備艇が、ポーランド製のディーゼルエンジン用インジェクターのスペアパーツが届かないため、次々に動けなくなっている。

 Kamil Galeev 記者による2022-8-23記事。
   ダリャ・ドゥギナの爆殺は、ウクライナ独立記念日(8-24)に照準を合わせて、前々から準備されていたと考えるのが自然だ。もちろん、ファルス・フラッグ。

 今週末、木曜~金曜に、別なファルスフラッグ事件や、露軍による驚くべき攻撃が行われても、驚くには足りない。というのも8-25にはロシア議会があり、そこでプーチンは新路線を打ち出したい。エスカレーションを。

 プーチンは「これは対テロ戦争だ」という口実が欲しい。対ウクライナ作戦の定義・目的を、変えてしまいたいのだ。

 「政府はテロに報復しろ」という世論の怒りを掻き立てるには、ダリャこそが理想的な生け贄であった。親父ではダメだった。

 ※ほんとうは原発で大爆発でも起こさせたかったところだろうが、さすがに現地末端の将兵がサボタージュしてプーチン命令を遂行しなかっただろうね。そのかわりに鉄道駅をミサイル攻撃して、憂さを晴らした。

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 2022-8-26記事「The Russian replacement for Wikipedia stopped working shortly after the launch」。
   ロシアはウィキペディアを禁止し、ロシア国内だけで通用する「Runiversalis」というサイトを8-23に開設したのだが、初日にいきなりサーバーがDDoS攻撃を喰らって、サイトは閲覧できなくなった。

 このオンラインサイトは「ロシアン・ウィキペディア」とはまた別にできたものである。
 「ロシアン・ウィキペディア」のスタッフだった人物が「ルニヴェルサリス」を立ち上げたという。

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 Inder Singh Bisht 記者による2022-8-24記事「Taiwan Supplying Mortar-Firing Drones to Ukraine Via Poland: Report」。
   台湾の「ドローンヴィジョン」社の、爆撃型クォッドコプター「リヴォルヴァー860」は、60ミリ迫撃砲弾を8発、立て続けに投下できる。

 このドローンはすでにウクライナ軍による使用が始まっている(MANPAD持ちの露兵を爆殺しているビデオがSNSにUpされたらしい)。自重42kg、フル兵装状態で、滞空40分もしくは航続20kmが可能だという。

 メーカーによると、これは寄付ではない。ポーランドがこれを買い、それをウクライナに寄付しているのだ。

 台湾からポーランドに対する武器輸出は、3月から急増しているという。

 オリックスによると、台湾は「EVOLVE 2」という無人VTOL偵察機を10機、ウクライナに届けている。他には、「AR-15」小銃の部品も届けているという。

 ※この2kg台のクォッドコプターである「EVOLVE 2」についてユーチューブで確かめたら、じつに興味深いことが分かった。メーカーは「XDynamics」というのだが、米国内のみで販売している。そして部品の9割は自社製なのだという。つまり中共のサプライチェーンとは完全に分離されていることを米国ユーザー向けにアピールしているわけだ。カメラはレンズ交換式で、オリンパス製の高価なものをとっかえひっかえできる(さすがにズームは無し。17ミリとか24ミリとか70ミリの交換だ)。このペイロードから想像して、擲弾投下機への改造も容易だろう。あと、本体にはマグネシウムの放熱部品を使うことで、本体内から空冷ファンを追放している。レンジは11kmだそうだ。DJI社はこういうのにかなり脅威を覚えているのではないか。もし米政府が対DJIの制裁を決定した場合、米欧市場には「XDynamics」製品がすぐにも供給され得るようになっているわけだよ。

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 2022-8-24記事「Flying mines DefendTex D40 ? small, but capable of destroying anything, even tanks」。
   豪州政府は、「ディフェンドテクス」社の「D40」という「飛行地雷」を300発以上、ウクライナ軍に贈るつもりだ。

 これは驚くべきロボット弾薬である。

 手に持った状態からゆっくり上昇させることもできるし、40ミリ擲弾発射機から打ち出してやって、上空でローター(4軸)を始動させてやることもできる。地面に並べて置いて、センサーによって自動的に「離陸」させるようにもできる。

 「D40」は「ドローン40」の略だという。
 いったん飛揚すると30分以上、浮かんでいられる。最大で20km先まで飛べる。

 全長は7インチ。重さは半ポンドしかない。内臓の弾頭の重量は300グラム。
 米海兵隊はすでに去年からこの「D40」を演習で試用している。

 メーカーでは、同一コンセプトながら、これよりもさらに大型の「D155」も既に完成している。レンジは100kmもあるそうだ。

 ※縦長形の弾薬がクォッド・ローターを展開し、茶柱状態のまま飛行する感じ。機体を横に寝かせて高速で水平飛行することはないようだ。

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 Joseph Trevithick 記者による2022-8-24記事「NASAMS Air Defenses, 310k Artillery Rounds In Huge $3B Ukraine Aid Package」。
    米政府は、ウクライナ独立記念日である8-24に、あらたに29億8000万ドルの対宇武器援助を発表した。

 含まれるもの。
 防空ミサイルシステムのNASAMS×6セット。(以前に公表の2セットに追加。)
 無人機を安価なロケット弾で撃墜できる VAMPIRE というシステム。数量非公開。
 名称非公開の、レーザー誘導式のロケット砲。
 24万5000発の155ミリ砲弾。
 6万5000発の120mm迫撃砲弾。
 対砲レーダー×24セット。
 数量非公開の「RQ-20 ピューマ」固定翼無人機。
 以前に供与している「スキャンイーグル」のための「支援装備」。

 NASAMSは融通無碍のシステムで、発射するミサイルはAMRAAMの地対空バージョンなのだが、その発射車台は何でもいい。おそらくHIMARSのトラックが共用されるのではないか。

 Vampire は、4連装コンテナー・ラーンチャーに、70ミリ・ロケット弾が4発入っていて、それはレーザーで誘導される。球状の照準機ターレットが別にあり、このターレットとラーンチャーをピックアップトラックの荷台にテキトーに設置すれば、そこいらの民間車両が、防空ミサイルシステムに早変わりしてくれる。

 ※射程や射高、そして対象機の速力について、スペックを欲張っていないので、1発の単価がじゅうぶんに低く抑えられる。

 ※これまで、ウ兵がMANPADSによって、「量産型オルラン-10」を撃墜し続けると、MANPADの方が(ポーランド製を使ったとしても)高コストとなってしまうため、持続は不可能であるという大問題があった。しかし安価な「ヴァンパイア」の登場により、この趨勢は一転する。露軍には同格品がないので、ひきつづき、安価な偵察ドローンを撃墜するために高額で貴重なSAMを発射するしかない。そんな補給がいつまでも続くわけが無い。やがて、戦場上空を、片方の陣営のドローンだけが埋め尽くす、「ドローン制空」という新現象が、見られることだろう。

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 AFPの2022-8-25記事「As military hostilities loom, are Taiwan’s reservists ready to battle the PLA?」。
   台湾には「予備役」は250万人以上、いる。
 いずれも過去にトータルして4ヵ月の軍事教練を受けているのだが(それが徴兵入営の代わり)、それしきのユルい通所教練では、とうてい、将来の実戦での自信は持てない、と20代の予備役たちは皆思っている。防衛戦闘する気は満々なのだが。

 アンケート調査すると、「四分の三」以上の台湾国民は、4ヵ月の義務教練では短すぎると思っている。

 台湾の現役の陸軍将兵は8万8000人である。

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 KIM TONG-HYUNG 記者による2022-8-25記事「South Korea signs $2.25 billion deal with Russia nuclear company」。
    韓国はロシア国営の核企業と3兆ウォン(22億5000万ドル)の契約を交わした。エジプトに建設する原発のタービンを買うため。

 タービン建屋は、ダバア市に造る。カイロの130km北西の地中海海岸。
 タービン・メーカーはASEといい、国営ロスアトムの子会社だ。

 エジプトの原発は、完成すれば1200メガワット×4基となる。

 韓国の水力&原子力発電会社は国営。しかもその技術は米国由来なので、米国務省が同意しなければこの輸出もそもそもあり得ない。

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 Gabriel Dominguez 記者による2022-8-23記事「South Korea developing new stealthy drones to support combat aircraft」。
   韓国空軍はステルス無人随伴戦闘機を、大韓航空に開発させることに決定した。これは有人戦闘機が空中で手下として使うものである。