露軍は防弾チョッキを兵隊に支給できなくなった。1枚鋼鈑に布袋を被せただけの偽物ボディアーマーが戦場で鹵獲されている。

 ウクライナ兵の拳銃で撃つと、貫通しない。鉄板ではなく、まがりなりにも鋼鈑だろう。カットし、曲げプレス成形し、塗装も施した量産品らしく見える。縫製もしっかりしており、ナイフを使わないと中味を確かめられない。しかし小銃弾は易々と貫通してしまう。

 次。
 Defense Express の2022-8-25記事「Entire Column in Half an Hour: How Two Ukrainian Tanks Destroyed More Than 20 Units of russian Equipment」。
    2-24から2-26にかけ、ウクライナの戦車部隊が、装甲車とトラックからなるロシアの警察軍部隊を殲滅した手柄話。キーウ北郊で。

 「OMON」という占領地行政警察部隊で、暴動鎮圧用の盾を装備し、警棒を腰に下げているような連中だった。まったく交戦は予期してなかったようだった。

 次。
 David Rose 記者による2022-8-26記事「Is this British company arming China?」。
    英国の田舎にある「グラインジャー&ウォラル」社は、精密鋳造の先端技術企業である。タービン部品、レーシングカーやスピードボートのエンジン部品を、手広く受注している。

 民需だけではない。英軍に対しては、ドローンや砲兵用の部品を納入している。
 この工場をNorincoの視察団が2015年に正式訪問している。いうまでもなくノリンコは中共の国営企業、「中国兵器工業集団公司」。

 2003年に米国G.W.ブッシュ政権はノリンコに経済制裁をかけている。イランに弾道ミサイルを売却した咎で。

 そういう関係は問題じゃないかと電話で「G&W」社のアジア担当重役を問い詰めたら、キミはレイシストの仲間だと返答された。※この記者はユダヤ系メディアの職員なので中共経由でイランが核武装してしまうことに強い関心がある。

 デヴィッド・キャメロンとジョージ・オズボーンの内閣時代、ノリンコは英国との関係を深化させた。いわば黄金の時代がスタートした。

 先月、ロンドンにて、MI5とFBIが合同で警告。中共はことさらに秘密工作など講ぜずとも、西側企業から堂々と技術や情報を吸収できてしまっている。デュアルユース分野を狙い、あくまでビジネスや研究交流を表の名とすれば。

 「液体トランスミッション・テクノロジー」という会社がある。中共軍との関係をまったく隠していない会社だ。2013年、この会社が、中国市場における、G&W社製品の代理人になった。

 ※トルコン技術が欲しいということは、中共は戦車用のパワーパックの開発に相当、苦しんでいるのだろう。韓国もこの技術は持っていないから、連中としては、西欧か三菱重をスパイするしかないわけだ。

 2018年、「液体トランスミッション・テクノロジー」社は、上海における軍民技術融合の推進役の党幹部と合議。続いて、G&Wの経営者兄弟であるマシュー・グラインジャーとエドワード・グラインジャーが、北京のノリンコ本社に旅行した。そこに「液体」社の社長が立ち会った。

 その結果、ノリンコの子会社として「616号」という高速水冷ディーゼルエンジンの鋳造部品工場が、大同市に建設されることなった。G&Wの技術がマンマと中共軍へ移転されたのである。

 2019-11、G&Wの首脳陣が蘇州を訪れ、同市の鋳物メーカーと共同事業で合意した。

 次。
 2022-8-25記事「ANA Group drones to fly medical & daily supplies to remote regions around the world」。
    全日空のANAグループは2016年から、ドローン・ビジネスを模索している。

 2018年には、離島に医薬品を配送したり、災害地に日用品を空輸する事業に、焦点が定まる。

 2021年から、武田薬品&長崎大学&長崎市と共同で、五島列島に薬品を届ける実験。機体は「ウイングコプター」と称し、4軸ローターでVTOLして、平面翼で水平飛行する。ドイツ製のドローンである。

 フェリーだと45分かかるところを、このドローンなら10分で医薬品を届けられる。

 次。
 Elisabeth Braw 記者による2022-8-25記事「Why Can’t Sweden Sell Its Fighter Jets?」。
    マクロンはUAEに出向いて、190億ドル分の契約(ラファール戦闘機)を取り付けてきた。
 ではなぜ、スウェーデンのアンデルッソン首相は、おなじようにグリペン戦闘機を海外で売り歩かないのだろうか?

 2012年、スイス空軍は、グリペン戦闘機の購入をほとんど決めていた。
 ところがそこからフランスが水面下工作でまきかえした。
 スイス空軍の中将が突如、新聞インタビューに答えて「ラファールがベストだ」と言い始めた。この中将はそれまではグリペン購入を支持していたのだったが……。

 スイス国防大臣の立場。スウェーデンによいものはスイスにもよい。多能多芸の戦闘機でしかも安いということが、経済小国にはなにより必要な条件だ。さもないと国家が破産する。

 そこで国民投票がなされた結果、53.4%はグリペンに反対と出た。
 スイス政府は2021年、新方針を固める。F-35にしよう、というのだ。
 この間、スウェーデン政府は、目立つようなグリペン擁護の言説活動を、まったく展開していない。

 フィンランドはスウェーデンにとって最も近しい友邦だが、グリペンではなくF-35を選んだ。

 デンマークやノルウェーは、王室のメンバーが、武器セールスの最前線に立っている。スウェーデンではそれもない。

 ※欧州の中小国がF-35採用に傾くのはあたりまえの話で、F-35のサプライチェーンに深くコミットすればするほど、将来、ロシアが攻めてきた暁に、米国議会はその採用国を見捨てられなくなるはずだと計算しているのである。だからフィンランドはどんなに無理をしてでもF-35を買う。

 次。
 TechnologyOrg の2022-8-27記事「Are Russians seriously preparingfor a nuclear war ?」。
  ロシアの通販サイトで近頃、沃化カリウム錠剤と、ハンディな放射線計の売れ行きが、すごいそうである。みんな、そろそろ核戦争が始まるか、原発核災害が発生すると、予測しているかのようだ。