露軍はDJIを戦車砲用の観測機として飛ばし、街の中層アパートを戦車からの間接照準射撃で破壊しつつあり。

 SNSにビデオが出た。場所はドネツクの Marinka 市という。
 鉄筋コンクリートの集合住宅ごときではまったく市街防禦用のトーチカにはならぬというイラストレイティヴな動画。
 ただし、燃えて灰になってしまうのではなく、ガレキの山が残るというところに、現代の「不燃都市」の一徳がある。

 コンクリート瓦礫は戦後の道路舗装材に再利用できる。これをアスファルトではなく、炭化カルシウムのようなもので固める工夫が必要だ。さすれば雨は適宜に浸透し、夏は直射日光を白い表面で反射し、ふたたびサーモバリックや核攻撃を受けたときに、アスファルトのように「燃料」となってしまうことがない。

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 Emma Helfrich 記者による2022-8-26記事「Taiwan To Deploy Drone Versus Drone Defense Systems On Its Islands」。
   台湾国防省発表。金門&馬祖諸島の領空から中共のドローン(クォッドコプタータイプ)を追い払うための、駆逐機型のドローンを配備すると。それは国産品だと。

 その機体の名称は非公表だが、「中山科学技術大学」にて設計されたという。

 すでに予算がついている。これから4年かけて、台湾軍の航空基地、軍港、ミサイル基地など45箇所にこのシステムを配備する。

 ※さすが、まともなIT大臣が据えられている国らしく、いったん始動すると、そこからは中共に負けないスピード感がある。ところで金門島で衛兵がドローンに投石しているマヌケなビデオが中共から流布されてしまったが、この衛兵たちはとりあえず通販で「スリングショット」(強力パチンコ)を買うべきだろう。わたしは高校時代にそのゴムが四、五回切れるくらいに練習したことがあるが、おそらく小石ではなくボールベアリングのような比重の大きな弾子を飛ばすと、ものすごい距離を上昇してくれるぞ。当たれば、DJIのような精密機器にとっては、致命傷になると思う。……いや、軍隊なんだから、信号弾発射拳銃を使えばいいのか。

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 Sebastien Roblin 記者による2022-8-27記事「America is Gifting Ukraine a New Air Defense Network to Stop Russia’s Strikes」。
    NASAMSの能力。水平距離は15.5マイル以上。射高は6万5000フィートまで達する。

 8月に至り、露軍砲兵が発射する砲弾の日量は、6000発以下に減った。これは7月以前とくらべて「三分の一」である。HIMARSによって弾薬集積処を次々に爆破されている結果だと思われる。

 ウクライナ軍がいま使っている120mm迫撃砲は「PM38」と「2B11」である。その他に国産の「M120 Molot」というのもある。
 またフィンランドは「KRH-92」という120ミリ重迫を寄贈した。8月には米国からも120ミリ迫×20門が援助されている。

 「RQ-20 ピューマ」は、手投げの観測機である。迫撃砲射程の4kmくらいの弾着観測に適している。観測力が敵を上回るなら、砲数と弾数が少なくても、敵と互角に戦える。

 ピューマはすでに5月にはウクライナ軍に与えられていて、ハルキウやザポリッジア方面で露軍砲兵の所在を、いい調子で探知できている。レーザーポインターも付いているので、レーザー誘導砲弾と組み合わせられる。