「いまだにやってるのか」の違和感――みすぼらしき夜の世界

 むかし、松本清張や山崎豊子の原作小説、あるいはそれを田宮二郎主演でドラマ化したTV番組に接するたびに、感じていたこと。
 なんで夜の場面転換になると必ずといっていいほど特定の「スナック」や「クラブ」――すなわち女が酒類をサービスしている狭っ苦しい密室店舗――に空間が限定されてしまうの? そして一作品の中で何度もそこに主人公が戻って来なきゃならん理由は何?

 ほかに主人公がOFF時間帯にすることは無いのか? 調査や実験や工作、人と会うための画策、大計画や大野望のための仲間集めはしなくていいのか? 若くて有能なのに、世界を変えないうちに歳を取るつもりで、もうそれで一生ご満足なのか?

 つまりはこの主人公たちにとって、昼間の活躍舞台と同じくらいの重い比重で、夜の「スナックやクラブ」が脳内を占めており、所詮それに見合った表舞台の一生も「予定」されていることが、示されてしまう。

 この型にハマった夜の場面転換が一回あるだけで、たちまちにして、作品の全世界観はみみっちく、小さく、井戸端レベルに、《自分だけ良ければ十分だ》主義のケチな野郎のスケールに、逼塞してしまうのである。すばらしい。

 凡人が企ておよばぬ高みに主人公は登って行き、どこまで登っていくのか見当もつかない、というスリルは、小説やドラマからは、日本人は過去、いちどたりとも、与えられることはなかった。

 日本経済が元気が無いのはご尤もじゃござんせんかい?

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 2022-9-1記事「Estonia buys Polish MANPADS shooting down Russian Su-24 and Su-25」。
   エストニアはポーランド製のMANPADSを高く評価し、買い付けることを決めた。「グロム」の改善型である「ピオルン」。
 肩射ちSAMとしては西側市場で最も低価格なのに、ウクライナの実戦で、スホイ24とスホイ25を撃墜している。その実力に惚れた。
 未確認だが、スホイ35も、「ピオルン」が落とした可能性がある。

 バルト三国としては、2014年にリトアニアがポーランド製の「グロム」MANPADSを購入している。

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 Romania Journal の2022-91記事「Romania wants to buy 18 Bayraktar drones」。
   ルーマニア軍は、「バイラクタル」を18機購入するつもり。

 総額で3億ドルになるのではないかという。
 これには訓練サービスもついている。

 「TB2」は、付属品によって、100万ドルから500万ドルの間で単価が変動する。

 バイカル社は売値を公表していない。しかし最近のクラウドファンディングが、目標額を500万~550万ドルとしていたから、それが最新の単価だと見当がついた。

 ルーマニア軍は現状では、最新式といえるドローン兵器を、1機も整備できていない。

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 Defense Express の2022-9-2記事「Bayraktar TB2 Went On Hunting Spree: Long-Awaited Videos With High-Precision Strikes (Videos)」。
   2つの動画がSNSにあいついでUpされた。8-31にはTB2が、露軍の自走砲「2S3」を破壊している動画。9-1には、やはりTB2が、120ミリ迫撃砲の牽引トラック(?)らしきものを爆撃している動画。

 HARMのおかげで露軍のSAMの脅威が陸上で薄れてきたので、ふたたびバイラクタルが陸地で活動できるようになったのである。

 ※HARMが届く前は、オデーサ方面に集められて、専ら海上監視に使われていた。陸地では撃墜されてしまうので。ナゴルノカラバフで「ハーピィ」「ハロプ」が果たしていた役割を、やっとHARMが埋めてくれた。

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 Defense Express の2022-9-2記事「Defenders of Ukraine Shot Down russian Kartograf UAV Over Mykolaiv Region on Friday (Photo)」。
   金曜日にミコライウ付近のウクライナ軍は、珍しい露軍の無人機を撃墜した。「カルトグラフ」という固定翼機で、12個のカメラレンズを下向きに埋め込んでいて、精密な写真地図をつくる。そのデータと照合させることで、「カリブル」巡航ミサイルを途中誘導しやすくなるのである。

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 Tyler Rogoway 記者による2022-9-1記事「Why An Officer On EC-135C Doomsday Planes Packed A Revolver」。

 核戦争の指揮を空中から執る4発ジェット機「EC-135C」は別名「ドゥームズデイ・プレイン」。またその任務の名である「ルッキング・グラス」でも呼ばれる。

 この飛行機はEMP対策がバッチリである。全面核戦争のさなかに悠々と、高空から、空軍のICBMや戦略爆撃機に、ああしろこうしろと指図できる。

 この機体に乗り込む下士官の腰には拳銃ホルスターがあり、外から見えるグリップ形状からして、あきらかに回転式拳銃である。なぜいまどき、この空中勤務者にかぎってリボルバーなのかは、謎である。

 なお海軍では「E-6B マーキュリー」を飛ばして、同様に、空中から、SLBM発射命令を出せるようにするのである。