Defense Express の2022-9-12記事「Valuable Trophy for Ukrainian Military: russian ‘Orlan’ Complex With Documentation」。
ウクライナの特殊部隊の第8連隊は、「オルラン-10」の地上管制局の設備一式(送受信アンテナを含む)と、テクニカル・マニュアル全冊を戦場で鹵獲した。これを解析することによって、まもなくして、「オルラン-10」に確実にECMをかけてやる方法が分かる。既存の「オルラン-10」はすべて、役に立たなくしてやれるはず。
また露軍の地上操縦者は、「オルラン-10」の操縦電波を探知されてそこにHIMARSが降ってくることも覚悟しなければならないだろう。
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Tani Goldstein 記者による2022-9-12記事「Israeli defense firm selling anti-drone systems to Ukraine by way of Poland」。
月曜日のイスラエル新聞の報道。
ポーランドを仲介にして、イスラエル製の「対ドローン・システム」をウクライナに供給することになった。イスラエル政府はそれを黙認する。
現在、ガザ地区やレバノン国境、シリア国境で、複数の対ドローン装備が実用されている。
2月の開戦前、米政府がイスラエルに、「アイアンドームをウクライナに売ってやれ」と言ったが、イスラエルは断った。
※ナゴルノカラバフではまたドンパチが始まったようだ。2020年にイスラエル製の「ハロプ」が「S-300」に次々に突入するビデオが、アルメニア人によって動画撮影されていて、それはSNS上で確認できる。WWII中の急降下爆撃機は、降下のときにはエンジンスロットルを最小に絞ったものだが、無人自爆機の場合は、舵がしっかりしているからなのか超過速度など気にせぬようで、動力降下につれてプロペラ回転数も自然に上がり、宛然、「シュトゥーカ」の風車ノイズメーカーのようにやかましく、突入の瞬間があたりに響き渡る。したがってやられる側では脅威の接近が明瞭に察知されており、ひたすら機関銃で上を射撃する。だが夜間はお手上げだね。
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ストラテジーペイジの2022-9-13記事。
「ヴァンパイア」から発射される70ミリ誘導ロケット弾は、重さが15kgで、射程は1000mである。
誘導はレーザーを使ったセミアクティヴ式。
イスラエルのAUD=アンチ無人機防禦 兵器の売り物としては、1セット340万ドルの「ドローン・ドーム」がある。
これは「ヴァンパイア」より広範囲をレーダーで捜索する。しかもまた、敵ドローンが送受信している電波を探知するESMも付属している。それにより、最悪でも距離3500mにおいて、敵の小型UAVを探知できる。
たいがいのクォッドコプターなら10km先から発見できる。
ドローンドームの攻撃手段は電波である。妨害電波の集中によって、ドローンを墜とす。
またオプションとしてレーザー銃もつけられる。2000mから焼き切れる。
しかしこのオプションを買った客は、いまのところ、ゼロ。
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火力発電所「Kharkiv TEC-5」についての英文ウィキ解説。
運開したのが1980年。
主燃料は天然ガス。副次的に重油も燃やす。
公称総出力 540メガワット。ボイラー&タービンは、3セットらしい。
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Boyko Nikolov 記者による2022-9-11記事「US Excalibur shells give Ukraine a huge advantage ? Russian expert」。
米国はウクライナに「エクスカリバー」弾薬を最低1000発は与えている。
それも、最新のバージョンだという。これは飛翔速度が大。
エクスカリバーは照準点から2mしか外れない。
52口径長の加農から撃てば50km飛ぶ。39口径長の加農から撃てば、40km飛ぶ。
メーカーのレイセオンによると、いずれはレーザー・セミアクティヴ誘導もできるようにする。
フランスの「カエサル」から発射した場合は46km飛ぶ。
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Defense Express の2022-9-13記事「Iranian Shahed-136 Kamikaze Drones Already Used By russia (First Photos And Specs)」。
露軍がイラン製の「シャヘド-136」無人自爆機をウクライナ戦線で使っていることが、残骸写真ではっきりした。ロシア軍は「M412 ゲラン-2」という固有名を与えている。
M412 はシリアル番号かもしれない。
搭載エンジンの「MD550」は、アリババ通販で買えるものである。
カタログによれば、50馬力、水平対向4気筒、2サイクル。燃料は航空用ガソリン。
弾頭重量は未知だが、ふつう、固定翼自爆機の場合、全重の25%以下が相場だ。シャヘド136の全重は、200kgである。
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Theresa Hitchens 記者による2022-9-12記事「Army ponders satellite partners for ‘Lonestar’ GPS interference warning system」。
米陸軍の実験キューブサット「ガンスモーク-L」は、地上の味方部隊に、GPS攪乱信号が出ているぞ、と警報してやる衛星である。その搭載センサーは「ローンスター」という。
7月に打ち上げられた。
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Jane Hu 記者による2022-9-12記事「When Hollywood Met China」。
エーリッヒ・シウォルツェル著『レッド・カーペット――ハリウッド、支那、そして文化優越をめぐる世界闘争』は、中共が米国映画界をいかにコントロールしているかをあばいた新刊である。
第一章では、1986の『トップ・ガン』と、2019公開予定であった『マヴェリック』の違いについて、徹底調査している。
マーティン・スコセッシが1997の『Kundun』をモロッコで撮影しはじめて2日後、ディズニーの事務所に中共からの苦情電話が殺到しはじめた。映画のテーマがダライ・ラマだったからだ。
スコセッシが内容について譲らなかったので、ディズニーは徹底的に、その宣伝をしないで米国内だけでひっそりと小規模上映させておしまいにする、という手を打った。
それでも中共は1997-11-1にディズニーに対して制裁を仕掛けた。そこで社の幹部連が「土下座行脚」をして北京にゆるしを乞い、その結果製作されたのがアニメの『ムーラン』なのである。これは1999に中共での上映が許可された。
なにしろ当時すでに、中共から上がるハリウッドの映画チケット収益が、とっくに、全米の映画収益を、上回っていたのであった。
ちなみに1999にはユーゴスラビアの中共大使館を「B-2」が意図的に「誤爆」する事件が起き、それに対して中共は、すべての米国映画を6ヵ月間上映禁止にするという報復をしている。
ルパート・マードックが香港資本の『Satar TV』を買収した直後に、電気通信は全体主義の明白な脅威に対抗する、と演説したものだから、中共はすかさず、個人が衛星受信パラボラを設置することを「違法」化してしまった。マードックは中共に対して謝罪する羽目におちいり、にもかかわらず、けっきょく香港や支那大陸でのビジネス展開を諦めることに……。
2004年のコメディ『In Good Company』を覚えている人はいますか? 主演は Topher Grace 。これを中共検閲官は輸入禁止にした。理由は、米国新興企業内の出世競争の描かれ方が、古臭い中国共産党の内部権力競争に対する批判のように見られるから。対比の連想が、不快だったらしい。
『トップ・ガン:マヴェリック』は、トム・クルーズのフライトジャケットの背中に日本と台湾の国旗マークを復活させ、とうぜんながら中共では上映されていないにもかかわらず、記録的な興行収益を上げている。
つまりハリウッドは堂々と方向転換したのだ。事前自己検閲と叩頭政策の時代が、終ろうとしている。