F-35の胴内弾庫にB61水爆×2個を収蔵して飛んでいる写真が公表された。「こっちも準備はできているぜ」というわけだ。

 Joseph Trevithick 記者による2022-9-22記事「New Look At Air Force’s Ship-Killing Smart Bomb In Action, Seeker Details Revealed」。
   2000ポンドのJADAM(GPS誘導爆弾)を、比較的安価に、対艦自律攻撃兵器に変えてしまう「クイック・シンク」という後付けキットを米空軍は開発しており、今年すでに、実艦撃沈実験もなされている。
 その爆発景況のビデオが公表された。すごい。標的廃艦『コースタル・シー』(輸送船)の竜骨がヘシ折れ、文字通りまっぷたつになって轟沈。わざと至近弾として水中にもぐらせ、アンダーキール深度で炸裂させているためだ。爆弾の落角はかなり急で、80度くらいか。

 メキシコ湾の底に沈んだ『コースタル・シー』の残骸の3D描画も公開された。真っ二つ。

 クイックシンクのシーカーは、レーダーと赤外線イメージの二本立てである。それが後付けの「帽子」の中に組み込まれている。

 かたや、JDAMの誘導機能は、投下爆弾の弾尾に後付けされるものだから、二つのシステムは干渉しない。

 なにしろ2000ポンド爆弾の水中爆発であるから、着水点がちょっと離れてしまっても、確実に敵艦を故障させてやることができる。水中衝撃波だけで精密機器は機能不全に陥るだろう。

 2021のシンクエックス演習で沈められた廃艦はフリゲートの『イングラハム』だった。そのときのトドメの1発は「マーク48」魚雷のアンダーキール爆発。景況ビデオを見比べると、クイックシンク爆弾は、長魚雷と互角の破壊力であることが端的に分かるだろう。

 FY2023の予算要求から試算すると、最新の「マーク48・モデル7」魚雷の1本のコストは540万ドル弱だと分かる。

 それに対して2000ポンドのJDAMである「GBU-31/B」は1発20万ドル。これは、もし1000発以上を量産すれば、5万ドルまで低下するであろう。

 現在、世界のほとんどの対艦ミサイルは、1発100万ドル以上する。「クイックシンク」はまちがいなくそれ以下で調達される。

 JDAMの難点は、ちょっと高目の高度から投下しても、レンジは15海里くらいしかないこと。そのかわりF-35Aからも投下はできる。

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 Defense Express の2022-9-23記事「Ukrainian Air Defense Takes Down Four More Iranian Shahed-136 Drones: With Only Two Missiles」。
    南部戦区であらたに4機のイラン製「シャヘド136」の墜落残骸を得た。ウクライナ軍は2発の中射程SAMを発射している。2発で4機が落ちたらしい。

 ミサイルの機種は不明。しかし対ドローン用として最も有効なのは英国から援助された「マートレット」だそうだ。
 ただマートレットのレンジは8kmなので、これは「短射程」だから、違うだろう。

 米国製のNASAMSは、11月後半にならないと戦線意には出てこない筈。

 とするとドイツがくれるはずの「IRIS-T」かもしれない。9月には届くと言っていたので。

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 Defense Express の2022-9-23記事「The Armed Forces of Ukraine Destroyed Six Iranian kamikaze drones at Once」。
   オデーサの政府建物には「シャヘド136」が2機、命中した。民間人1名死亡。

 「シャヘド136」は弾頭重量が50kgもあり、それで1000km飛翔する。その弾頭を軽くすれば飛行距離は2500kmまで理論上は延ばせる。
 飛翔高度は最低60m、最高4000mだ。巡航速度は180km/時。
 エンジンは「MD550」もしくは「3W」。そのノイズは数km先から聴こえるという。
 ステルスではないので普通のレーダーで探知できる。

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 Boyko Nikolov 記者による2022-9-23記事「Confirmed: Russia uses swarming Shahed-136 loitering munition」。
   すくなくとも1機の、撃墜された「シャヘド136」の弾頭は、爆発していない。それが回収できた。

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 Ken Dilanian 記者による2022-9-22記事「Scientists at America’s top nuclear lab were recruited by China to design missiles and drones, report says」。
   NBCニュースが得た民間報告書。これまでの20年間で、米政府のカネで運営される研究機関に所属して給料をもらっていた154人ものシナ人が、その後、中共の先端開発メーカーに就職していると。

 特にロスアラモスの国立核兵器研究所に勤務していた科学者がよく一本釣りされている。

 帰国したシナ人研究者たちは、地中侵徹爆弾や、ハイパーソニックミサイルの開発に従事している。

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 Janis Kincis & Filips Lastovskis 記者による2022-9-20記事「Russian navy was supplied from Germany via Latvian company」。
   ラトビアのリガ市にある1企業が、過去数年間、ドイツのディーゼルエンジンをロシア海軍へ密輸出するための中継役を果たしていた。これはドイツの『Die Welt』紙によるすっぱぬき。

 EUは2014以降、ロシアへの技術提供を禁じている。それに違反する。

 この主機は『Grayvoron』級の軍艦複数に搭載されていることが、昨年、わかっている。
 その軍艦が2022春にオデーサ市を砲撃している。

 エンジンを製造したのはドイツの工場ではない。ドイツは製造ライセンスを河南省のシナ企業に売っており、そこで製造されたものだ。

 エンジン本体はサンクトペテルスブルグの造船所社に搬入された。そしてそれに追加する部品が、ドイツからリガの隠れ蓑会社を経由して納品されている。

 発注した会社「海洋推進シテスムズ」は、もともとサンクトペテルブルグの商社で、2011年まではケルンのドイツ工場と直取引していた。が、いつのまにか会社をリガ市に移転させて「マリン・システムズ」社と名乗り、さらに今年「MSプロダクションズ」と名を変えている。

 「デュアル・ユースなので問題はない」と開き直ってきたが、さすがに今年の5月には店仕舞い体制に入ったようだ。

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 RFE/RL’s Russian Service による2022-9-22記事「Russian Lawmaker Calls For Canceling Military Service Exemptions For Scoliosis, Flat Feet」。
   ロシア国会上院議員のオルガ・コヴィティディ氏(クリミア地方選出)は呼びかける。
 脊柱側彎症や偏平足の若者が徴兵免除になっているのはおかしい。そんな免除はなくするべきだ。

 ※雑報によるとカディロフが泣きを入れ始めた。チェチェン人はすでに他のロシア人の三倍も戦争に協力しているから、これ以上の貢献は無理だ。部分動員は、チェチェン人には適用されない――と。

 ※雑報によると樺太でも部分動員が始まっており、映像をみるかぎりでは中年男もかなりの数、混じっている。彼らは《政治的無関心》が招いた自業自得地獄を味えるはずだ。

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 2022-9-23記事「Police: Some Russian citizens in Estonia voluntarily turning in firearms」。
   エストニア国内に居住するロシア人で、マカロフ拳銃の所持許可を得ている者がいるのだが、その何人かは、自主的に当局へ拳銃を提出しつつあるという。

 エストニア政府は、こうした銃器所持規制の適用を近々――数週間以内に――変更するつもりである。彼らはそれに先立って反応しているのだ。

 いまエストニア国内には1300人を超える住民が、火器の所持許可を与えられている。そのおよそ半数が、ロシア系住民だ。改正法は、このロシア系を狙い撃ちしている。

 法律が変わると、こうした銃器は1年以内に警察署に引き渡すことが要請される。

 エストニア警察はそれらの火器を「市価」で買い取る。

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 Patrick Tucker 記者による2022-9-22記事「The U.S. Military Is Buying Electric Jet-ski Robots」。
    水上バイク(ジェットスキー)を電動化し、且つ、無人で走らせる。それをレスキュー用に使おうじゃないかという試み。

 ある事実。エンジン駆動のジェットスキーとかスノーモビルは、ものすごい排気ガスを出す。だいたい自家用車の200倍も、大気を汚染するのであると。