米国は次の便で18両のHIMARSを贈る。これにより宇軍は、16+18両のHIMARSと、12両のMLRSを運用することになる。

 Patrick Tucker 記者による2022-9-28記事「How Will the Military Use 5G? A New Drone Experiment Offers Clues」。
   ロックマートとヴェリゾン社が合同で開発中の戦場情報自動分析システム。

 複数の小型のスパイドローンが、カメラとESMで集めてきた戦場情報(動画ならびに微弱無線信号)を、5Gを使って分析センターにあつめて専用アルゴリズムで解析すると、敵部隊の配置が瞬時にことごとく可視化される。それをこんどは5Gを使って前線の味方将兵に伝えてやる。

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 Nolan Peterson 記者による2022-9-27記事「Russia Orders Stalin-Style ‘Blocking Units’ To Force Its Troops Forward, Kyiv Reports」。
   2022年9月19日と9月23日に、ウクライナ軍情報部は、バクムト市付近の前線で、露軍の指揮官たちが「命令第222号」を励行している実態を承知した。

 その命令とは、配置を勝手に離れようとする露兵に対して「後退拒止部隊」(督戦隊)が、発砲射殺して構わないという許可である。
 これは1942年にスターリンが発した「命令第227号」の焼き直しだ。227号は、後退拒止支隊を臨時編成し、味方戦線にパニックを起こそうとする臆病者たちを射殺せよと命じていた。一歩の後退も許すな、と。
 1943年の秋、この督戦隊に押されて3万人の露兵がドニプロ川を渡ろうとし、全員、独軍砲兵の餌食になった。その渡河点は「死の島」と呼ばれ、今も史跡になっているのである。

 9-19に傍受した露軍のVoice交信の内容。宇軍砲兵に叩かれている露軍砲兵が後退したがっているのに、上級部隊が厳禁している。「後退した者は誰であれ、俺が重営倉に送り込む」「命令222号を忘れるなよ」。

 ※1939年の冬戦争。1人のロシア兵が歩いてフィンランド国境を越えた。たちまち銃声がし、静かになった。フィンランド領内から声がした。「1人のフィンランド兵は10名のロシア兵に匹敵するぞ!」。これを聞いた露軍の指揮官は腹を立て、10名の部隊を編成して越境させた。すると銃撃戦の喧騒があり、まもなくして静かになった。声がした。「1人のフィンランド兵は100名のロシア兵に匹敵するぞ!」。聞いた露軍指揮官は、こんどは100名の部隊を編成して越境させた。激しい砲声が響き渡り、やがて静かになった。声がした。「1人のフィンランド兵は1000名のロシア兵に匹敵するぞ!」。怒り狂った露軍指揮官は、それならばと、いよいよ1000名の部隊を編成し、戦車の援護の下に、越境させる。嵐のような炸裂音がおさまって、1人の瀕死のロシア兵が国境線から這い戻ってきた。露軍指揮官は戦況を尋ねた。兵は苦しい息をつきながら、報告した。「罠でした……。フィンランド兵は、2人います!」。

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 Yaron Steinbuch 記者による2022-9-28記事「Russian recruits instructed to use tampons, pads on war wounds」。
    9-27にSNSに流れたビデオ。やばい。ヴォルゴグラード地区でロシア軍に新規入営する新兵たちが、「タンポン」を忘れずに持って来いよ、と指南されている。前線で銃弾や断片が命中したときに、その傷口の「止血」に使うためだ。

 タンポンが銃創止血に役立つという知恵は、チェチェン戦争中にロシア軍がおのずと学習した「まめ知識」らしい。

 ※ぜったいにフェイクでないとわかる映像を見た。AK小銃を渡されたが、「吊れ銃」の仕方で迷っている中年の新兵さんたちだ。あの男たちは、軍用/猟用を問わず、それまでの人生で、長物の銃器を持って行軍したことなど、いちどもないのだ。現役体験の無い予備役なのだ。ロシアは今、すごいことになってます。

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 Natalia Drozdiak, Courtney McBride and Michael Nienaber 記者による2022-9-28記事「Why Germany, US stalling on modern tanks for Ukraine」。
    ドイツとアメリカはなぜ最新の戦車をウクライナにくれてやらないのか?

 まず最新システムが鹵獲された場合にロシア側に知られてしまう技術情報のリスクが高すぎる。※敵味方識別通信システムなどの機微な部分。

 ※米国は台湾にM1戦車をくれてやり、そのかわりに、げんざい台湾軍が持っているM60A3/M48H をウクライナへ援助してやればいいではないか?

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 Defense Express の2022-9-28記事「Ukraine to Receive IRIS-T Air Defense System From Germany That Even Bundeswehr Doesn’t Have」。
   ドイツ軍もまだ受領していない防空ミサイル「IRIS-T」を、ウクライナ軍専用仕様にしたものが、10月と12月に届けられる。

 このミサイルは「MAN SX44」トラックの上に一式、載っている。水平レンジ40km、射高2万m。

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 Defense Express の2022-9-26記事「Norway is Up To Empty Their Ammunition Storages for the Sake of Ukraine: They will be Replenishing Later」。
   ノルウェー政府は、自軍用の砲弾が一時的にからっけつになってもいいので、ウクライナ軍に砲弾を供給するつもりである。

 ※リトアニアは、ウクライナ軍に対して25000着の冬用戦闘服を供与する。1月にはさらに1万着を追送する、と。

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 Bradford Betz 記者による2022-9-27記事「Germany warned by CIA of possible attack on Nord Stream gas pipeline weeks in advance: report」。
 火曜日の独『シュピーゲル』誌の報道によると、この夏、CIAはドイツ政府に警告していたという。バルト海のガスパイプラインをロシアが攻撃するだろうと。

 そのような計画を進めている兆候を察知したらしい。

 ノルウェーから天然ガスをポーランドまで送る新設海底パイプラインの突貫工事が進んでいんでいるところであるが、ロシアはこのパイプラインをいつでも破壊できると脅したいのだろう。

 ともあれ、この冬、ロシアから海底パイプラインで西欧へ送られる天然ガスはゼロである。

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 AFPの2022-9-27記事「Germany to keep nuclear plants on over French reactor woes」。
   火曜日にドイツ政府は表明。2基の原発は、来年も動かし続ける。それによってフランスの原発の不調を補ってやる。

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 The Maritime Executive の2022-9-27記事「Blade Installation Vessel Could Solve Large Wind Turbine Challenges」。
   ノルウェーは「海馬」という名の、洋上風力発電タービンの「羽根」をジャキアップして取り付けてやる専用の作業船を建造する。高さ650フィートのウインドタワーまで対応できるという。

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 Boyko Nikolov 記者による2022-9-26記事「Thrust vectoring engine: J-20 performs strong maneuvers at low speed」。
  「殲20」戦闘機に新エンジン。スラストの方向を自在に変えられる。
 これにより、低速飛行中に放胆な機動が可能になる。

 「殲20」の量産は快調に進捗しており、すべての飛行隊にふつうに行き渡りつつある。

 なお、すでに「殲10」がスラスト・ヴェクタリング・エンジンを搭載している。世界で唯一の、単発のスラストベクター機である。

 三次元にスラストの向きを偏向できるエンジンは、ロシアが「スホイ35S」用に持っていた技術で、それを7年前に中共は買った。