ポルトガルは二重反転ローターの「カモフ32A11BC」ヘリを6機、ウクライナ軍に寄贈する。

 ウクライナ海軍は同型である「Ka-27」のユーザーである。

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 Emma Helfrich 記者による2022-10-13記事「Ukraine To Receive HAWK, Aspide Surface-To-Air Missiles From Spain」。
   スペインはウクライナに「ホーク」SAMシステムを贈る。フランスは「クロタール」を贈る。

 スペインは「アスピーデ」地対空ミサイルも供与する。19人のウクライナ将兵がその操法を習得した。

 「アスピーデ」はイタリアが1970年代に実用化し、スペイン空軍が運用している。飛翔体はほぼ「スパロー」と考えていい。モデルは新旧4通りあるのだが、そのどれが供与されるのかは不明。

 最新型だとしたら、セミアクティヴレーダーホーミングによる誘導で、水平レンジ25km、弾頭重量35kgというところ。

 ホークはとうぜんながら「インプルーヴド」された「I-HAWK」にリファービッシュ済み。
 なお本家の米陸軍は2002年でホークの運用を終了している。
 最短射程は1マイル未満。最大水平レンジは22マイル。

 「クロタールNG」の最大レンジは7マイル。弾頭は28ポンドの「フォーカスト・ブラスト」型になっており、破片が集中する方向を最適にできる。

 ※ホークのレーダーが連続波であるのに対してクロタールはパルスドップラー。したがって露軍機としては一種類のECMでは対応ができない。

 ※露軍は「オルラン-10」をすでにウクライナで100機ちかくも喪失した模様だ。サンクトペテルスブルグに同無人機を製造している「STC」(特殊技術センター)がある。数日前、メドヴェージェフが工場訪問したところを御用プレスに写真撮影させていた。意図として、まだたくさんあるんだぞと示威したかったのであろうが、倉庫には機体ばかりでエンジンが見当たらない。じつは「首なし飛燕」と同じ状況ではないか? いや待て、今日では集積回路のボードが無い「身欠きニシン」状態だということも大いにあり得る。おそらく在外公館のロシア人に市中流通の中華製エンジンや中古チップを必死でかきあつめさせて、なんとか「五式戦」に仕立てる算段中か。

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 Alex Marquardt 記者による2022-10-13記事「Exclusive: Musk’s SpaceX says it can no longer pay for critical satellite services in Ukraine, asks Pentagon to pick up the tab」。
    イーロン・マスクの金曜日のツイッター投稿によれば、スターリンク社はウクライナのために累積で8000万ドルを負担しており、この年末までには、1億ドルを突破するであろうという。

 しかしマスク氏いわく、このような寄付行為は続けられない。ペンタゴンが毎月、数千万ドルを払ってくれないなら、サービスは止める、と。

 CNNが入手した文書によれば、マスクがペンタゴンにこれを要求したのは先月である。
 スペースX社はこれ以上はウクライナに端末を無料寄贈できない、と。

 7月にウクライナ軍はマスクに対して、さらに8000基の端末をくれと求めていた。

 スターリンク端末は2万台、ウクライナに届けられている。その85%については、米政府、英政府、ポーランド政府が資金を出している。

 ウクライナ軍によれば、同軍はこの端末を4000台、支給されているが、毎月、500台は、戦闘で破壊されているという。

 ※世界の国防軍はまた貴重な教訓を学んだ。いくら便利だからといって一種類の通信インフラに依存したら、かならず泣きをみるぞ。

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 GlobalData による2022-10-14記事「HIMARS and Switchblades are part of Lithuania’s military build-up」。
  リトアニアはこれらの弾薬の他にオシュコシュ製のJLTVも買う。

 ハイマーズはすでにラトヴィアやポーランドも買い付けている。それに続いた。

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 The Maritime Executive の2022-10-11記事「Disney Negotiating to Buy Genting’s Largest Cruise Ship Global Dream」。
    香港の資本がドイツの造船所で建造させていた、20万8000グロストンの超巨大客船『グローバル・ドリーム』。75%工事がおわったところで、新コロ恐慌となり、会社は破綻状態に。建造はストップしていた(姉妹船は未成度がまさっていたので、はやばやとスクラップにされている)。

 このたびディズニー社が『GD』号を買い取り、カリブのクルーズに投入する可能性があるという。

 この巨大船、竣工すれば、客9500人が乗り込める。同乗するサービススタッフは2000名以上だ。

 船の中には、船上型として世界最大のジェットコースターが設置される。
 また、巨大なカジノも備わるという。もともと、アジア人顧客を当て込んでいた。

 船体の重さで比較すれば世界一なのはロイヤルカリビアンインターナショナル社が保有する『オアシス』級なのだが、『グローバルドリーム』は乗客人数で世界一になるという。

 ※喉元過ぎれば熱さを忘れる。パンデミックは二度と起きないとでも思っているのか?

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 Jakub Palowski 記者による2022-10-14記事「Poland Concludes a Deal on Hundreds of Korean Multiple Rocket Launchers」。
   ポーランド国防省は、韓国から「K239 チュンムー」多連装ロケット弾を300システム購入することを決めた。いずれ量産はポーランド国内でなされる。

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 Emma Helfrich 記者による2022-10-12記事「Double The Range Rockets For HIMARS One Step Closer To Production」。
  10月6日に、HIMARSから発射するロケットのレンジを倍増させた「ER GMLRS」ロケット弾の試射がおこなわれた。
 今回は短射程の59kmを飛ばして、成功したという。最終的には150kmになる予定。

 ※ポーランドのような立場に置かれた国にとり、こうしたすばらしい性能の未来兵器が輸入可能になるまで何年も気長に待っている余裕などない。今すぐに現物を大量に必要としているのである。それに応えられる西側の軍需企業が、げんじつ問題として、韓国にしかない。じつは韓国にとってこそ、今次ウクライナ戦争は「特需」景気の恵みの雨のはずなのだが、なぜか、その報道がぜんぜん無い。ありふれた砲弾や手榴弾を増産しただけでも、造ったそばから飛ぶように売れるはずなのだが……。あるいは世間的にはひっそりと、弾薬類を満載した貨物船が韓国からバルト海へすでに続々と向かっているのかもしれぬ。



ウクライナの戦訓 台湾有事なら全滅するしかない中国人民解放軍

(管理人Uより)

 本日、発売。兵頭本『ウクライナの戦訓 台湾有事なら全滅するしかない中国人民解放軍』。kindle版も同時発売なので嬉しい。