ベラルーシ領内の露兵はげんざい9000人。戦車は170両。自走砲は200両。牽引野砲は100門(82ミリ迫撃砲は含まず)といったところらしい。

 The Maritime Executive の2022-10-16記事「Another Marine Corps Amphibious Combat Vehicle Flips in the Surf Zone」。
   先週の木曜日の午後、加州のキャンプ・ペンドルトン沿岸で上陸訓練していた海兵隊のACV(装輪型の水陸両用戦闘装甲車)が、ひっくり返った事故あり。

 車内に3人乗っていたが、無事。

 その前には7月17日にやはり上陸訓練中の2両のACVが転覆している。

 天気予報によると、サーフゾーンでの波高は9~10フィートであった。
 ACVは波高4フィート以下での運用が想定されているという。

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 Pavel Polityuk 記者による2022-10-17記事「Russia launches deadly new attacks on central Kyiv using drones」。
  露軍は朝のラッシュアワーを狙ってキーウ市心に「シャヘド136」を特攻させた。すくなくも住民1人死亡。

 ※続報によればキエフには5機が突入し、4人死亡。他に13機が飛来したが途中で撃墜したと。すべて南部から飛んできたという。またキエフには月曜日に計28機が飛来したともいう。低速なのでスウォームにしないといけない。

 ※1機は、キーウ市に暖房スチームを送り出すネットワーク設備を狙ってきた。また飛来は未明から始まり早朝に終ったという。

 ※別名の「ゲラン」はロシア語でゲラニウム(風炉草)のこと。

 ※ミサイルが種切れになったのでイランから自爆特攻機を買い、それが届いたらすぐに全弾発射。このパターンは80年代の「イランvs.イラク」戦争と同じだ。いやしくも相手国都市に届くミサイルが入手できたなら、ただちにそれを射ってしまう。惜しんで溜めるという発想がゼロ。こういうのが「政治主導」の戦争が必然陥ることになる様相なのだろう。イランとしては願ってもない「戦争特需」がやってきた。これを見ては、イスラエルやトルコも、ウクライナ向けとして各種の特攻無人機を売りたくてウズウズしてきたはず。もちろんそれは「寄付」ではなしに、アメリカあたりが大量に買い上げてくれないかな~と、期待の算盤を弾いているのだ。

 ※ベラルーシ事情に詳しいGiczan氏のSNS投稿によると、露軍の予備役兵がベラルーシまで送り込まれているのは、ロシア本国の訓練場がパンクしていて、未訓練兵を教練させる場所がないために、ベラルーシ軍の練兵場を借りているのだという。それが証拠に重装備や燃弾はどこにも蓄積されておらず、これら露兵をウクライナ国境まで南下輸送させる動きもない、と。

 ※雑報によると、新規に徴兵された露兵の一部は、いっけんモノホンのアーマーヴェストのようだだが、じつはエアーソフトガンのサバゲー用の、何の防弾力もない迷彩柄の布チョッキを着ていると。まあ、防寒の足しにはなってくれそうだが……。ベルゴロドの味方殺し事件で11人とか29人もが死傷しているのも、ボディアーマーがすべて《ぱちもん》であることの証拠か?

 ※雑報によると、前線のロシア兵が負傷すれば、その50%が、手当ての甲斐なく陣没してしまうという。今日、先進国の軍隊では、負傷兵が救命されずに死んでしまう率は12%というところ。露軍は異常。異常が正常。

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 JERUSALEM POST の2022-10-17記事「New app lets civilians help shoot down drones and missiles in Ukraine」。
   ウクライナ人の有志が、アンドロイド系スマホで使えるアプリ「ePPO」を完成した。
 すでにダウンロード可能である。

 一般市民が、上空でみかけた敵のドローンや巡航ミサイルの情報を入力する。それにより、空襲警報がクラウド化される。レーダーの至らざるところを補える。

 ウクライナ軍は、そのスマホ経由であつめられた統合情報をもとにして、機敏に防空手段を講ずるのだ。

 選択入力情報として、目撃した飛翔体のタイプ。それが向った方角は、画面の赤ボタンを押すだけで自動的に通知される。

 数週間以内に、アイホン用のアプリもできる。

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 Defense Express の2022-10-16記事「Iranian Arash-2 Kamikaze Drones: Capabilities and Specifications」。
   ロシアは、「シャヘド136」よりも大型の自爆特攻機「アラシュ2」をイランに発注したという。別名「キアン2」。

 この商品は2019年から宣伝されている。「アラシュ1」は2015年からある。それを2倍の大きさに拡大させた。

 「アラシュ2」はウイングスパンが4m。航続距離は1000kmとも1600kmとも称されている。

 イランの宣伝では、エンジンはジェットだというのだが、写真で判定する限り、プッシャープロペラ推進のようである。
 ※それゆえ、ターゲットドローンに似ているのだな。まあ、誘導はGPS参照のプリプログラムのみだろう。

 発射は、トラックの上から。ブースターロケットを使う。

 イランの宣伝では、敵レーダーに対してパッシヴ・ホーミングするという。
 弾頭重量は、30kgという情報と、260kgとする情報がある。

 シャヘド・シリーズは、「イラン航空機工業」社で開発している。
 アラシュ・シリーズは、イラン空軍が開発している。

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 ストラテジーペイジの2022-10-17記事。
   9月21日の動員令は30万人の充員召集をかけたものだが、応召したのは「三分の一」らしい。

 装備も、冬季用の被服も足りない。
 1ヵ月未満の教練では、新兵は使い物にならない。しかしほとんどの新規徴兵は、未教練のまま前線へ。

 暗号化プロトコルのおかげで、当局が検閲ができない「テレグラム」に、生々しい実情が投稿されている。

 新規徴兵たちが、未訓練のまま、ウクライナの最前線に送られて行く途中で、ウクライナ軍からの砲撃を受け、大量の負傷者発生。ところが病院にも物資と人手が足りず、負傷兵が半ば放置されていると。

 この話が、負傷兵の家族のあいだから、拡散している。
 しかるに、そのようなSNSをロシアの当局は規制しなくなっている。それは「当局」の関係者もどしどし徴兵されているため、検閲者たちの仕事の士気が下がっているかららしい。

 補充兵が配属される、最前線部隊に、将校と、ベテラン下士官が、損耗してしまっていて、ほとんど不在ということも多い。

 補充兵は、携帯電話の所持を禁じられているのだが、それを見張る上官もいないから、なんとかスマホを調達して、最前線の実情を銃後に知らせている。

 当局が、プーチンへのSNS批判ではないならば、放置するのが得策だと考えている節もある。徴兵事務の担当者や、前線司令官がぜんぶ悪いのだ、という責任転嫁ストーリーなら、プーチンにとっては都合が良い。

 国際赤十字社は、ウクライナ政府が、露兵の捕虜たちに記者会見をさせていろいろ語らせていることを、批判している。

 他方、ロシアは、ウクライナ捕虜は戦争捕虜ではないという立場だ。なぜなら、今やっていること戦争ではないのだから。したがって赤十字の出る幕がない。

 ロシア本国でも病院の人手が足りなくなっている。負傷兵を手当てした医師たちには政府がカネを払わねばならないが、そのカネが足りないので、医師たちが国外逃亡を図り始めている。それで露政府は医療関係者の出国を禁じている。また、露軍の負傷兵をベラルーシの病院に受け入れさせるようにもしている。

 10-14にプーチンは、このたびの動員は10月末で終らせると声明した。これは理由がある。従来、10月以降に平時の徴兵通知はなかった。今年はそれはやらないと知らせないと、年に何回徴兵されるのかわからず、人心が動揺しかねない。

 ちなみに2022年にはルーチンの徴兵として12万人の若者に出頭通知が渡されている。これは「部分動員」とは別である。
 2021年には、12万7000人に徴兵通知が行った。

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 Zeyi Yang 記者による2022-10-16記事「WeChat users are begging Tencent to give their accounts back after talking about a Beijing protest」。
   支那ではおそろしいことになっている。
 「ウェイボ」に、みじめったらしい「自己批判」の投稿文が、あふれているのだ。

 テンセントは、「ウィチャット」アプリの運営者である。民主化を要求し、過剰な新コロ対策を批判する「横断幕」の画像をじぶんのアカウントでSNSで拡散した支那人が、このアプリでのソーシャルアカウントを使えなくされてしまったようだ。

 中共では、すべての個人がそのスマホを通じて鵜飼の鵜のように政府からデジタル統率されており、こういうアプリのアカウントを凍結されただけで、まともな社会生活そのものが、まったく不可能になってしまう。

 それでアカウントを復活させてくださいと、テンセントに対し叩頭して懇願するわけである。

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 Aniruddha Dhar 記者による2022-10-17記事「UN official says Russian soldiers are given Viagra, activist reacts」。
    国連の紛争地における性的暴力に関する特別代表、プラミラ・パッテン氏がAFPに語った。露軍は兵隊にバイアグラを配ってウクライナ住民に対するレイプを奨励したと。それも計画された軍事戦術の一部であったと。

 この話を聞いて、バングラデシュの作家、タスリマ・ナスリン氏は怒っている。1971年にパキスタン軍は、20万人のバングラデシュ女性を、バイアグラなしで強姦したではないかと。

 それについてNGOの「ヒューマンライツウォッチ」は指摘する。1971年当時、何人のバングラデシュ人が殺されたかについては、数字の開きが大きい。バングラデシュの歴史家は、300万人が殺されたと主張。それに対してパキスタン政府は、2万6000人くらいだったろうと算定している。



ウクライナの戦訓 台湾有事なら全滅するしかない中国人民解放軍