衛星で見るとまったく基地から作戦を始めようという兆しが見られないという。「つり出し」移駐だったのだ。
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Olafimihan Oshin 記者による2022-10-20記事「Mark Hamill sent 500 drones to Ukraine in past month」。
スターウォーズ俳優のマーク・ハミル(71)は、米国内の援助機関を通じて、これまでウクライナに累計500機以上ものドローンを寄贈しているという。木曜日にインタビューで語った。
ゼレンスキーはハミルを「ドローン・アーミー」の大使に任命している。
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Boyko Nikolov 記者による2022-10-21記事「Russia put a GLONASS navigation module in Iranian Shahed-136」。
ロシアメディアによると、「シャヘド136/129」は、グロナスの航法支援電波を受信できるように改造されている。面白い矛盾は、ロシア政府は公式にはイラン製無人機なんぞ使っとらんと言っているのに、メディアが堂々とこれを報じていること。
「シャヘド136」の単価は2万ドルから5万ドルの間だと推定されている。
実用レンジは550km以下らしい。ポテンシャルとして2500kmまで延ばせるが、それには弾頭を軽くし、ナビ機材を充実させねばならない。いまのところは短距離で使われている。弾頭重量は40kg。
搭載エンジンは「MD-550」というピストン機関。
最大巡航速度は190km/hでしかもデカい(全重200kg)ので、途中で見つかれば撃墜される。
※雑報によるとすでにイラン人がウクライナ戦線で10人死んでいるという。ドローン教授要員。
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Peter McLaren-Kennedy 記者による2022-10-21記事「Ukraine claims Russia planted mines at Kakhovka Hydroelectric dam」。
鬼畜露軍はヘルソンから退却するさいの「置き土産」の準備を始めた。カホウカ水力発電ダムには機雷を設置し、いつでも爆砕できるようにした。
このダムが決壊すると「北クリミア運河」の水位も下がり、通航は不可能になる。
このダムは1956年に竣工。南部ウクライナの農地灌漑用水の水源ともなっている。目下の発電力は357メガワット。
※ヘルソンは燃えているか?
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Defense Express の2022-10-20記事「russian Withdrawal From Kherson Won’t Be Easy ? British Intelligence」。
ドニエプル河の東に撤退するためには大量の浮橋と重門橋(フェリー)が必要だが露軍にはそれがない。
川幅は1kmもある。
おそらく大量の重装備と弾薬が残置されることになるのでは?
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Sergio Miller 記者による2022-1021記事「The war for control of the net in Ukraine」。
今次ウクライナ戦争は、侵略者が、インターネットとスマホのデジタルネット征服を狙った、史上初の戦争である。
ウクライナという地名は1648年のフランス人作成の地図にも見える。ソ連が「ウクライナ」をこしらえたのだと強調してやまないプーチンの宣伝は史実を無視した嘘である。
2003年に米軍は2週間でイラクのフセイン体制を転覆させた。プーチンはその真似をしたかったのだろう。
メリトポリ市で侵略軍は、テレビ局を乗っ取った。そこからロシア人が放送するようにすることが、ロシア軍の「行動計画」では常に重視されているのである。ところがウクライナ人ゲリラは、そのブロードキャスターを爆殺した。
ウクライナ副首相のミハイロ・フェドロフはギークなので、「eVorog」というデジタルパルチザンを組織した。進駐してきたロシア軍の部隊や装備の所在を、住民がスマホで(つまりはスターリンク経由で)報告すると、中央システムがその位置情報を半自動的に集計・整理してくれる。ウクライナ軍はそれを参考にして、HIMARSの次の標的を決めるのだ。
そもそもウクライナは、インターネットを遮断し難い国だった。
プロバイダーは多数乱立していて、そのひとつのプロバイダーに占領者が何かを命じても、ほとんど全体には効果が及ばないのだ。
また、国内に「IXP」(インターネット・エクスチェンジ・ポイント)がとても多い。しかも優越した支配的なIXPというものもない。よって遮断工作に対して靭強に抵抗できる。接続の代替オプションは無数に可能なのだ。
光ファイバー回線も、多重にはりめぐらしてあった。そのどれかを切断されても、官公署等はひきつづき、別な有線路を使って信号のやりとりができる。プロバイダーも同様だという。
この戦争中、インターネットが完全に遮断されてしまった唯一の都市がマリウポリだったそうだ。あそこまで徹底的に破壊され、ひしひしと占領されたことで、ようやく通信遮断が成立した。調査研究の価値があるだろう。
破壊されたスマホ用の中継局の代替については「モバイル・オペレーター」が各社共同で臨時に立ち上げられている。そのような対応には平時なら半年以上かかるところだが、スマホ通信提供各社は10日くらいでそれをやり遂げた。スターリンクだけではないのである。
ヘルソン州では露軍がプロバイダーのオフィスに押し入ってきて、「これをつなげ」と持参の機械を置いたという。それによって全データはロシア本土のネットにしかつながらなくなるものだ。住民のSIMカードを強制交換する措置も並行して進められた。
VPNを用いることで、ロシアのネット支配の裏を掻くことは可能だった(戦争前は15000箇所。今は47万5000箇所に増えたと)。BBCはその利用方法をネットでガイダンスしている。
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ストラテジーペイジの2022-10-21記事。
スターリンクのコスト分担貢献構造については不明瞭部分がある。米国は巨額の対ウクライナ軍事支援を立て続けに打ち出しているけれども、その中に、スターリンク補助金は入っていなかった。マスクがぼやいている8000万ドルばかりカバーするのは易々とできたはずなのだが。最前線でのデジタル通信の緊要性を思ったら、これがほったらかしでいいわけがない。
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Pavel Luzin 記者による2022-10-20記事「Russian Air Power: Vanished or Overstated to Begin With?」。
露軍のスロヴィキン大将によれば、2-24から10-17までの236日間に、露軍機は34000ソーティ出撃して、7000発以上の精密誘導兵器を投じたという。
これをシリアと比較する。2015-9-30から2016-12-19までの447日間に、露軍機は30000ソーティ出撃した。
2015~2016においては、1日平均67ソーティだった。しかし逐次に増加し、2022年には1日144ソーティに達していたという。
これをNATOの航空作戦と比較する。
2003-3-19から4-18までのイラク占領作戦。このときNATO軍機は20733ソーティ出撃し、19948発の精密誘導兵装を投弾している。
すなわち、ざっくり言えば、20年前のNATO軍と比べ、露軍機の出撃ソーティは「五分の一」であり、投弾できる精密誘導兵装は「二十一分の一」でしかないのだ。
ロシアがたった5日間で楽々と勝利した2008-8のジョージア侵略では、露軍機は5機、撃墜されている。そのうち3機は味方の対空火器が原因だった。
ロシア空軍のパイロットを養成する軍学校。ロシアの普通の大学に比べて基礎の教育水準が低い。そして、一人前のパイロットを送り出すのに5年かけている。
ということは、ロシア空軍の戦闘機パイロットは、いちばん若い男でも27歳ということになる。
ロシア空軍では、戦闘機パイロットたちの8割は、32歳から35歳のあいだに、肉体の健康が耐えられなくなって現役を引退する(ソースは2018年のロシア陸軍雑誌)。
2019年と20年の三資料によると、露軍パイロットの年間飛行訓練時間は、80時間から100時間の間だ。とてもすくない。このため、中尉~大尉レベルだと、ほんとうに頼りにできない。
だいたい少佐から中佐になるあたりで、露軍のジェット戦闘機のパイロットは累積トータル飛行時間が900時間になる。
今次ウクライナ戦争で、露軍機が都市爆撃ばかりやっているように見えるのは、上層部において対市民の「恐怖戦術」を意図的に採用しているというよりは、都市という「面目標」以外の目標をピンポイント攻撃する能力がパイロットになく、またロシアの工業力も、それに必要な精密誘導爆弾を供給できないという楽屋裏事情があるものと推断される。
※米国がソ連に5年間貸与していた巡洋艦『ミルウォーキー』が1949に返納された。その艦内には古い魚の異臭がたちこめ、空の酒瓶が各所に散乱し、おびただしいネズミが走り回っている状態であった。
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Defense Express の2022-10-20記事「How the Winter Will Impact the Ukraine’s War」。
戦地は真冬にはマイナス20度になる。
そのかわり地面はしっかりと硬くなる。
お互い、砲兵を進退させやすくなる。
ウクライナ国防省の太鼓判。ウチらの兵隊の冬用装備はすべて間に合った。4万8000着の防寒上衣。
予備軍用の21万着の防弾ヴェストに、10万個のヘルメット。
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Pjotr Sauer 記者による2022-10-20記事「‘The army has nothing’: new Russian conscripts bemoan lack of supplies」。
23歳の徴兵に電話インタビュー。彼はいま最前線にいるという。
※露軍の予備役動員だが、当初の建前では、戦闘経験のある兵隊は35歳まで、下級将校は50歳まで、上級将校は55歳までをかきあつめるつもりであった。その建前はとっくに崩壊している。
小銃の錆を隠すためにペンキを塗った。
手榴弾を買わされた。
家族は、最善の装備をネット調達するために、いちにちじゅう、サイトを捜索している。
いま、「Kommersant」という通販サイトで防弾チョッキを買うと、5万ルーブルである。これは1年前の5倍の売価だ。
ロシアで四番目の大都市、エカテリンブルグのキャンプ用品店では、動員下令の2日後に、寝袋が売り切れた。
ある最前線の兵には、「エアーソフトガン」用の光学スコープが支給されたという。
※この戦争を契機に、アウトドア用品の意識的な「デュアル・ユース化」が進むと思う。新しい市場がうまれつつあるのだ。照準スコープ類ならば、共通のピカティニーレールにとりつけられる仕様とし、平時にはサバゲー用に売る「高級オモチャ」ながら、有事には、実銃にとりつけてしっかり役に立つという、そんな汎用性に富んだ補助システム系。それは海外への緊急援助品にしてもいいし、自国の民兵用にもなるのだ。
2015年にナワリヌイを担ぐ「改革派」野党は、ショイグが1600万ポンド相当の個人豪邸を所有するなど、国防省上層官僚が蓄財汚職に励んでいる実態を暴いた。
上が非合法の私財を溜め込んでいる軍隊では、末端部隊の装備は「中抜き」されて消えているものである。何も驚くような現象ではない。
BBCの最近の報道によれば、過去8年間にロシアの軍法会議は、550件の「被服泥棒」を有罪認定しているという。被服以外の軍需品や備品を倉庫から盗んだとして摘発されている件数も加えると、1万2000件になるという。
泥縄対策。プーチンの補佐役の一人、ヴァレンティナ・マトヴィエンコは、水曜日、国の公正取引委員会に対して、軍装品の市販価格に上限を設定するように命じたという。
※昔から思っていたのだが「背嚢」を「防弾」あるいは「防刃」素材でこしらえてはいけないのか? とりあえず防弾チョッキはないけれども、背嚢や雑嚢を胴体にまきつけておくと、それだけで少しは安心できる、というようにしたらいいだろう。巨大な「デュアルユース市場」が、ここにもあるんだよ。民生用のナップザック類の生地素材を、すくなくも「防刃」にしておくことで、有事には、たとえばそれを身にひきよせて寝れば、気休め程度ながら、体表防護の足しになる。援助品としたら感謝されるし、テロや大災害のさいには同胞の命を救うかもしれない。防弾素材の防寒頭巾があってもいい。そのまま現代の防空頭巾だ。キャンプ用品メーカーは、平時からそのくらいのデュアルユース化をこころがけてもバチは当たらないぞ。天幕素材や、スリーピングバッグ類も、みな、そうしたらよい。高度な防弾・防刃でなくともいい。またたとえば落水したときの「浮き」になってくれる素材でもいい。水害時に、それで救われる命があるはずだろう。むろん、兵隊の「渡河」「上陸」時でも「持っていてよかった」ということになる。
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Christopher D H Thompson 記者による2022-10-19記事「How do fishes scratch their itches? It turns out sharks are involved」。
外洋を遊泳している大型のマグロが、目の周りの痒み(寄生虫)を除去するために、鮫にすりよって「さめ肌」のザラザラを使ってそれを擦り取っている模様が、水中で撮影された。
マグロの成魚ともなると十分に巨大なので、鮫は敢てそれを捕食しようとはしないで、鷹揚に肌を貸してやっている。
ちなみに古代人も、鮫の皮をサンドペーパー代わりに使っていた。
この発見は、《サメ保護派》を元気づける。鮫が減れば、マグロは寄生虫を擦り落とすスベがなくなり、マグロの健康状態は悪化するはずである。
ウクライナの戦訓 台湾有事なら全滅するしかない中国人民解放軍