ベラルーシの戦車部隊が「対ジャベリン」の欺瞞策を考案。車体後部に鉄パイプを数mも突き出し、その末端に吊り下げた石油ランタンを燃やしておく。

 こうすることで、戦車から輻射する赤外線のホットスポットが、被弾しても害の少ない、車体後方数mにずれてくれると期待できるらしい。

 あたかもその鉄パイプが、発砲直後の戦車備砲のような、いい調子の赤外線イメージになるのかもしれないね。

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 NTV-video の2022-10-27動画「Major General: Winter is more of a disadvantage ofr Russia」。
   オーストリー軍の少将、ブルーノ・ホフバウアーがインタビューに答えていわく。「冬が到来して困るのは露軍の方じゃねえの?」と。装備が悪すぎるからだ。ウクライナ軍のほうはすでに冬用装備は整っているのに……。

 ※ある軍事メディアで、ウクライナ軍の天蓋付き塹壕の内部をビデオ紹介していた。なんと、サウナ室がある。ミニボイラーのようなものを据えて、正体不明の壁材もぐるりとめぐらしてある。82ミリ迫撃砲弾が天井を直撃しても耐えるそうである。本格的な冬が来る前に、完備させたのだ。こんな塹壕生活が、かつてあっただろうか?

 ※雑報によるとオムスクで戦車部隊に徴兵されたばかりの中年新兵たちが怒っている。駐屯地の宿舎が天幕なのだが、その暖房ストーブ用のディーゼル油は兵隊たちで私弁しろと要求されているそうだ。100リッターが4500ルーブルだという。

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 Kyiv Post の2022-10-27記事「Israel Reportedly Provides Ukraine With Smart Shooter Anti-Drone System」。
   イスラエルがすでにウクライナ軍に対して対ドローン用の「スマート・シューター」照準器を供給しているという。

 もともと、ドローンの機種をAIが判定し、小銃弾での狙撃を可能にするシステムだが、イスラエルメディアの報道によれば、ウクライナではこの「スマートシューター」をドローンに搭載するのだという。それによってイランの自爆無人機を迎撃するのだという。詳細は不明。

 ウクライナ当局は、これに関する質問に答えていない。

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 Allison Quinn 記者による2022-10-27記事「Russia Now Has a Second Frontline Set Up Just to Kill Its Deserters: Intel」。
   火曜日にウクライナの情報部が公表した傍受音声。

 最前線の後方に督戦部隊が置かれていて、第二線壕まで退却するときに、そいつらから射たれた。さいわい、当たらなかった。おまけに塹壕の中で、ロスネフチ石油公社のロゴ入り防寒ジャケット(ただし血まみれ)が手に入ったのでラッキー……だと。

 ※わたしの承知する限り、督戦隊の実在が初めて報じられたと思う。

 囚人部隊は最前線に出されている。そいつらが後退してきたら撃ち殺せと命じられている兵士(銃後の妻との電話交信)の音声も。

 ラピン上級大将が拳銃を抜いて部下指揮官の頭に突きつけ、ルハンスクで勝手に退却した部隊を最前線に戻さないなら射つと脅したシーンを目撃した者も。この兵隊は先月、モスクワで徴兵されている。

 ウクライナ軍も発見している。後頭部を撃たれている露軍指揮官の戦死体をあちこちで。部下の露兵により、背中から撃ち殺されているのだ。

 ※タマは前からばかり飛んで来るとは限りませんぜ。

 囚人兵は、武器を手渡されるまではおとなしくしていて、武器弾薬を交付されたところでそれを持って最前線から姿をくらまし、ロシア本土へ舞い戻るというパターンが多いようだ。

 ドネツク偽共和国で徴兵された住民たちは、戦意があるわけない。そこで、特にふまじめな兵隊を、部隊所在地に於いて両手を縛って地下室に閉じ込め、その写真を留守家族に見せて「身代金」を強請っているという。指揮官たちが。

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 Vijainder K Thakur 記者による2022-10-28記事「Ukraine War: Russia’s ‘Indigenous & Inexpensive’ UAVs Bring Ukrainian Counter Offensive To A Grinding Halt」。
   「オルラン-10」の搭載カメラはキヤノンの「EOS 800D」で、その85mmレンズを胴体下に突き出しているという。そしてこのカメラはスウェーデンの道路脇の速度取締り装置にも使われているのだという。

 ロシア国防省によると、「アルマズ-アンテイ」社がサンクトペテルスブルグの「オブホフ」工場にてマルチパーパスのクォッドコプターを大量生産しはじめた、と。その部品はぜんぶ、国内製にする、と。

 同社は11月には400セット(操縦用タブレット込み)、年内には1000台を組み立てたいと言っている。

 ※雑報によると、FPVすなわちファースト・パーソンの視点で操縦するタイプのレース用の市販品のクォッドコプターに、対戦車手榴弾「PKG-3」の弾頭部分のみを横向きに縛着したオフザシェルフの特攻自爆ドローン兵器が、とうとう10月24日に実戦デビューした。ヘルソン戦区のウクライナ兵による。

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 Thomas Newdick, Tyler Rogoway 記者による2022-10-28記事「Air Force Confirms Permanently Based U.S. F-15s Leaving Japan For Good」。
   米空軍が海外に展開している唯一のF-15C部隊は、嘉手納にある。
 それがいよいよ、撤収の運びとなった。11月から、F-15は徐々に、いなくなる。

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 2022-10-28記事「Germany to resume production of SMArt 155 projectiles following an exceptional performance in Ukraine」。
   ドイツは、独自の誘導式155ミリ砲弾である「SMArt 155」の製造を再開しようと考えるに至った。しかしラインの再立ち上げには今から5年かかるという。

 ドイツは「SMArt 155」を1997年に生産した。全重47kgで、エアブレーキ付きの子弾が2個、封入されており、それぞれ自律的に地上のAFVを襲撃する。

 量産は1万2000発で終了した。うち3000発は、豪州、ギリシャ、スイスに輸出されている。
 つまり、たった1年間、ラインを動かしただけ。

 ラインの再立ち上げには1億ユーロかかりそうだともいう。
 ドイツはしかしこれをあと1万発は造る必要があると考えている。1発の単価は8万1000ユーロを予期。

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 The Maritime Executive の2022-10-27記事「Possible Mine Sighting Stops Ukrainian Grain Exports for a Day」。
   オデッサの南海域で機雷のようなものを貨物船がみつけたので、穀物の積み出しが止まっている。



ウクライナの戦訓 台湾有事なら全滅するしかない中国人民解放軍