麻薬でとっつかまった例の米女子プロバスケ選手は「流刑地」への配流が決まったという。ドストエフスキーかよ?

 Bethany Elliott 記者による2022-11-8記事「Anti-war Russians are sabotaging Putin’s railways」。
   先週、メドヴェジェフは、鉄道に対する破壊工作に加担した者には、裁判なしの死刑もあり得る、と叫んだ。ちなみにロシアでは「死刑モラトリアム」が続いており、近年は執行されていない。

 これは先月、英国防大臣が、ロシア軍の弱点は前線部隊への補給と補充をまったく鉄道輸送に頼っていることだと指摘したことを承けている。
 ロシア鉄道の総延長は3万3000kmある。沿線は僻地が多いから、破壊工作者からとてもガードし切れるわけがない。

 緒戦でベラルーシ国内の鉄道関係者が運行制御系の通信卓を破壊したので当初のロシア軍の計画(72時間でキエフ占領)が狂い、鉄道で南下する予定をトラック輸送に代えざるを得ず、それで40マイル渋滞になったのだという説明を、『ワシントンポスト』はしていた。

 ※道路は渋滞するが、鉄道は渋滞しない。これは考えてみれば凄いことだ。

 ルカシェンコも5月に、死刑適用罪を拡充すると決めている。これは鉄道妨害活動を睨んでいる。
 いまのところベラルーシ内では60人くらい逮捕していて、その求刑は最長懲役15年になりそうだ。

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 Defense Express の2022-11-9記事「Who Helped Destroy russian ‘Moskva’ Cruiser and What Role Bayraktar TB2s Played in the Operation」。
   4-13にまずウクライナの情報部隊が巡洋艦『モスクワ』を感知し、キエフからNATOに照会した。NATOは、そのグリッドに確かに軍艦が所在すると回答。『モスクワ』だとは教えなかった。米軍のP-8が、『モスクワ』のより正確な座標を教えた。

 TB2を囮に使ったという話は疑わしい。140kmも離れていた。蛇島の監視が任務だったのだろう。

 サットンが指摘しているように『モスクワ』のSAMは発射準備ゼロだった。経空脅威を予期も感知もしていなかったのである。

 ミサイル発射後、戦果確認の撮影には、TB2が使われたかもしれない。

 ※しかしウクライナの戦争指導部は、北陸弁に謂うところの《タラズ》と違うか? 大戦果を発表できないなら、せめてこれまで秘密にしてきた驚くような話を中間選挙の直前にリークして、米世論を惹き付けようとしなくちゃいけないだろう。それを考えた節がゼロである。フィンランドやノルウェーは小国なりとはいえどもここまで馬鹿じゃない。その手強さがわかっているのでプー之介も最初の獲物として北欧やポーランドは選べないのである。いっぽうウクライナには、戦争指導のイニシアチブをとれるような人材は皆無だと事前に見透かされてしまった。それで、最初の獲物に選ばれた。

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 Isabel van Brugen 記者による2022-11-9記事「Russian Defence Ministry Says 87,000 Draftees Deployed To Ukraine」。
   ロシア国営ニュースの『コメルサント』が報じた。スヴェルドヴスク州ノヴォウラルスク市の政治家ドミトリー・ザハロフ(46)がこのほど徴兵された。

 9-11の選挙で、ザハロフは、ノヴォウラリスクの軍事委員であるアレクセイ・ヴェルホトゥロフを破って地方選挙で当選していた。すなわち反プーチンの政治勢力なのだが、プーチンはその政敵を懲罰招集して最前線送りにしているわけである。

 ※東條ですら現役代議士を徴兵するという脱法命令までは下せなかった。しょうがないので手下の憲兵が自殺にみせかけて殺してしまうことになった。

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 Will Stewart 記者による2022-11-8記事「Inside Putin ‘punishment camp’ for mobilised Russian troops who are dumped in a cellar, ‘starved and threatened with firing squad’ for refusing to fight」。
    露軍に徴兵されたが、ウクライナでの違法な戦闘は拒否するという気骨のある者に対しては「懲罰軍営」が待っている。そこは事実上の軍の刑務所だ。

 彼らは地下の大部屋に閉じ込められている。
 3日間、食事が出なかったりする。

 「銃殺処刑する」という脅しもあり。

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 Boyko Nikolov 記者による2022-11-9記事「M777 crew replaced the howitzer barrel four times due to overuse」。
    ウクライナ軍がもらったM777牽引砲。ある1門はすでに四回、砲身を新品と交換したという。その1門は延べ6000発を射撃しているという。

 カナダ人の教官によると、M777は2500発ごとに、焼蝕・摩滅した砲身を交換する必要があるという。
 しかし2500発に達する前に、目にみえて着弾の精度が悪くなるので、それよりも早いタイミングで交換しているという。

 砲弾の大宗はM795だが、古いM549A1もあるという。

 ※宇軍がプレゼントされたポーランド製の新鋭十五榴SPのためにイタリアから1960年代製造の155ミリ砲弾が送られているという写真報道もあり。さすがに信管だけは新品を取り付けている。

 あるM777は、1日のうちに3両の敵MBTを撃破したという。精度が命である。

 ウクライナ国境からすぐのところのポーランド領内に修理補給廠が開設されている。その資金は米国防総省が出している。そこにてウクライナ兵が、米人の指導のもと、砲身交換をしている。

 多種の十五榴があるのでそれぞれ個性がわかっておもしろい。
 ドイツの「PzH 2000」は、FCSのディスプレイが過熱するという問題があることが判明した。

 フランス製の「カエサル」は、初弾のバラツキが異常に大きく、狙ったところから900mも逸れることがあるそうである。※それは欠陥品レベルですよね。

 十五榴ではないが、ゲパルトの前線展開が遅れた理由のひとつは、ノルウェー製の新しい35ミリ弾薬を、ゲパルトの古いFCSが認識してくれないという問題があったらしい。しかしそれは既に解決された。

 ※雑報に、宇軍の戦車砲の直撃を受けたという露軍のBMP-2の残骸写真が出回っているが、惨憺たるものである。これはAPFSDSなのか?

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 Jaroslaw Cislak 記者による2022-11-8記事「Ukrainian Warship Built in Poland Engaging the Russians」。
    ウクライナ軍は、旧ソ連時代に、ポーランドのグダニスク造船所で建造された中型揚陸艇を多数、保有しているのだが、このたび公表されたビデオを見ると、その揚陸艇に多連装ロケット砲を搭載して、対地射撃に活用しているようだ。

 多連装ロケットは、140ミリ径らしい。
 最大射程9810m、飛翔体総重量は39.6kgである。

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 Parth Satam 記者による2022-11-9記事「Black Smoke Arises From China’s J-20 Stealth Fighter; Is Mighty Dragon Already Breaking Down?」。
   中共軍の「殲-20」にはAPUがあるらしい。エンジン始動する前に胴体後方下部から黒煙が一瞬吹き出されるので、それが判明した。珠海にて。
 この流儀は米空軍の「F-22」を真似たものと想像される。