米ツイッターで8ドル認証を使った風説流布事件発生か。

 米国の某インシュリンのメーカーの株が急落したという。インスリンを無料化するという偽ニュースを、その会社の名を騙ってツイッターで流した者がいる由。

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 Paul Szoldra 記者による2022-11-10記事「Deepfakes are Russia’s new ‘weapon of war’」。
    「Zoom」のライブ・ビデオを通じての、ディープ・フェイクなりすまし事件が発生。
 元、駐モスクワ大使のマイケル・マクフォールが、AIによってなりすまされた。偽マクフォールはビデオ電話を同僚にかけた。顔の動きも、声も、本人とそっくりであった。

 犯人はDC圏内に棲息しているロシアの工作員にきまっているとマクフォールは断言。みんなも、気をつけろよ。

 マクフォールは何年も前から、ロシアのウクライナ領侵略を強く非難し、ウクライナの防衛戦争を支持する言論を表明し続けている。

 3月2日には、ゼレンスキーが「武器を置け」と国営ニュースを通じてよびかける、すぐにフェイクとわかる動画が、ロシア国内のSNSに出回り、ロシア人には大うけであった。

 ついで4月には、ラトビアの国会議員を含む複数の欧州の政治家のディープフェイクが出没しはじめる。
 「Zoom」に堂々と出てくるので、相手は信じてしまう。

 ベルリン市長、マドリード市長、ウィーン市長は、それぞれキーウの市長とはつきあいがあるので、6月には、それらの市長を狙って、キーウ市長のディープ・フェイクが電話してきたという。これは『ガーディアン』紙が報じている。

 ベルリン市長はこう言われた。そっちに逃亡したウクライナ人たちは徴兵逃れで、ドイツ政府に嘘をついて入国しているから、ウクライナに送還して欲しい、と。

 このように1年たらずのあいだにロシアが操るディープフェイクのレベルが急上昇しつつある。これから、もっとすごいことになるだろう。

 今日では人々はSNSにじぶんのバイオメトリック・データをUpしすぎている。そしてまた、リモートでビデオ会談することは普通化した。敵は豊富なデータを使って誰かになりすましてあなたを騙す。

 これは、ソフトウェアのウイルスと、アンチ・ウイルスの競合がどこまでいっても終焉しないように、これから永遠に続く脅威であろう。

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 Andrew Thornebrooke 記者による2022-11-11記事「3 Arrested for Sending Military Secrets to China, Selling Chinese Items to DOD」。
   3人の個人が逮捕され、1つの会社とともに連邦司法省から訴追される。武器輸出管理法に違反して中共へ軍用技術データを売り、またレアアース含みの永久磁石を中共から密輸入してF-16およびF-18部品のサプライチェーンにまぎれこませた容疑。
 じっさいに航空機に組み込まれたか否かは不明。

 磁石の精錬と磁化は中共メーカーで済ませており、容疑者らはそれを安く輸入した。

 国防総省が購入するレアアース磁石は、かならず米本土にて精錬&磁化されなくてはならない。もしくは米政府が承認済みの外国から輸入しなければならない。国防調達規則集に定められている。中共はその承認国家ではない。

 こやつらが中共に売ったのは、70種類もの図面やデータ。陸海空のさまざまな軍用システムにわたる。

 この3人が言い渡されそうな量刑だが、1件でも10~20年。それが複数なので最低50年というところか。

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 ストラテジーペイジの2022-11-11記事。
   ウクライナには2万2300kmの鉄道がある。鉄道職員は40万人。機関車は2000両。貨車8万5000両、客車4000両。

 線路に沿ってウクライナ国鉄専用の電話回線がある。スターリンクが提供される前は、ウクライナ政府や軍もそれを頼っていた。

 初盤でロシア軍は、線路爆撃によってウクライナ鉄道を麻痺させようとしたが、すぐに修理されてしまった。今になってロシア人は、隣国の鉄道を止めたくば、変電所を攻撃すればよいことに気付いた。ウクライナと国境を接する国々は、それぞれウクライナ国鉄のために電力を融通してやっている。

 ロシアの鉄道網は、16万1100km。職員80万人。機関車1万9700両。貨車79万6000両。客車2万4200両。

 ベラルーシとウクライナの間には6本の鉄道がつながっている。

 ※げんざいウクライナはベラルーシ国境に密入国阻止用のフェンスを構築中。これでベラルーシは、ロシア国境以外のすべてを鉄条網で囲まれてしまうことになった。

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 ワイヤードの記事「‘Dark Ships’ Emerge From the Shadows of the Nord Stream Mystery」。
    衛星が得たデータをモニターする会社「スペースノウ」があばいた。2隻の、AISを切った怪船舶(全長95~130m)が、ノルドストリーム2の爆破地点(2箇所)のいずれの付近においても、爆破の直前にうろついていたことが。

 国際法により、大型船はAISを搭載し、かつそのスイッチを入れていなければいけない。

 衛星は合成開口レーダーによって海面の船舶の姿を全部とらえている。
 そのグリッドのAIS情報と照合すれば、AISを切っている異常な民間船舶は浮かび上がる。

 多数の民間のレーダー衛星が次から次と特定海域の上を通過して撮像している。各社からそのデータを買い集めれば経時的な変化が辿れる。

 船名とかもいろいろ分かっているのだが、まだマスコミに教える段階ではない。

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 Josh Smith 記者による2022-11-11記事「Analysis: North Korea’s other missiles: Salvaged debris shines light on aging air defences」。
   韓国が黄海の海底から、先日北鮮が発射したミサイルとやらの残骸を引き揚げてみたら、それはソ連時代の「SA-5」(S-200)という古めかしいSAMであった。

 2020年のオランダの2人の研究者によると、北鮮はS-200を山の斜面の地下シェルターに格納していて、発射のときだけ引き出すという。

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 Boyko Nikolov 記者による2022-11-9記事「Russian operator: Buk-M3 tracks projectile’s path fired by HIMARS」。
    HIMARSに悩んでいる露軍は、Bukの対空レーダーでロケット弾の飛来をとらえて、その推定される発射グリッドに対して味方の「オルラン10」を向わしめるという連携偵察に努めている。

 Bukのレーダーは高度2万2000mまで探知できる。

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 ストラテジーペイジの2022-11-12記事。
   2-24時点で露軍は1500機の各種の軍用ヘリコプターを保有していた。そのうち74%は冷戦中のモデルでやや古い。

 機数はこんなにもあるのだが、熟練のパイロットと整備兵は、足りていない。
 それら稀少な人的資源は、400機ほどの新鋭機(2006年以降モデル)に配分されている。

 「カモフ52」攻撃ヘリは2011導入の新鋭機で、米軍のスティンガーをかわせるという自慢宣伝をしていたが、まったく嘘だった。ポーランド製のMANPADSにすら、撃墜されまくっている。

 2-24いらい、露軍は100機近くのヘリコプターを喪失したとみられる。

 いまやロシア政府は、国内の回転翼機メーカーを1社(ロシアン・ヘリコプターズ社)に統合することで、企業の開発体力をつけさせねばならないと考えている。「カモフ52」のガッカリが、それを確信に変えている。

 業界統合するためには、政府による会社株の買占めが必要である。10年前からその努力は進行中だ。
 ロストヴェルトル社株の75%、ミル・モスクワ社株の72%、カモフ社株の99.8%、ステュピノマシン製造社株の60%、ウランウデ航空社株の75%、カザンヘリコプターズ社株の66%、クメルタウ航空社株の100%、レデュクトルPM社株の81、プログレスアルセニエフ航空社株の75%は、すでに買い付けた。

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 Boyko Nikolov 記者による2022-11-6記事「Russian Su-30 combat aircraft used as ‘an aero lure’ in Ukraine」。
    イズベスチアのオンライン報道によれば、露軍機は2機が一組でウクライナ軍に罠を仕掛ける。
 たとえば、1機のスホイ35が高いところを飛んでウクライナ側のレーダーにわざと姿をさらす。水平距離にして200kmというところ。しかしじつは別なスホイ30が低空をひそかに飛んでおり、それがウクライナ側のレーダーを奇襲して破壊するという。

 スホイ35はいわば制空と見張りを担当。前方空域に敵戦闘機がいないことを自機のレーダー(N135 イルビスE)で確認する。その空間に仲間のスホイ30を呼び寄せる。スホイ30はスホイ35のずっと後から離陸する。時間差攻撃だ。

 スホイ30は、敵地上レーダーを目視で確認できるほどの低空を飛ぶ。そして「Kh-29」空対地ミサイルを発射する。基本的に電波ホーミングだが、「Kh-29」は鉄道上の列車、橋梁も攻撃できるように設計されているという。

 上空掩護のスホイ35も「Kh-31P」という対レーダー・ミサイルを発射する。

 また、ウクライナ空軍が、低空のスホイ30を邀撃しようとして接近してくれば、掩護のスホイ35が2発の「RVV-BD」長射程AAMを発射してそれを斥ける。レンジは300kmである。