トヨタのジャンビーの中古車を露軍が使用中であることが写真で確認されている。

 陸自の「高機動車」の民間版、「メガクルーザー」をOD塗装して「V」マークを付けたものが複数、撮影されている。雑報によるとこれはロシア人が中古車として日本から輸入したものがまわりまわってウクライナ戦線に出てきているという。

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 Defense Express の2022-11-15記事「The Biggest Missile Attack on Ukraine so far: Over 90 Missiles, 73 Shot Down」。
    15日の攻撃は、90発以上の巡航ミサイルと、10機の「シャヘド」型自爆無人機であった。それらのうちミサイル73基と自爆ドローン10機は途中迎撃に成功した。

 巡航ミサイルの発射母機は、14機の「ツポレフ95」であった。その14機が70発の「Kh-101/Kh-555」を空中発射した。発射空域は、カスピ海上、ならびに、ロストフ州ヴォルゴドンスク。
 これに加えて黒海から、カリブルが20基、放たれた。

 当日は1機の「オリオン」偵察無人機もウクライナ軍が撃墜している。その場所は最前線なので、ミサイル空襲とは連動していないミッションだろう。

 ※露軍はDJIの「Mavic3」からどうやって擲弾を投下しているか? そこにとりつける、専用の爆弾リリース部品を、3Dプリンターで軽量にこしらえていたことが、回収残骸から判明した。

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 David Hambling 記者による2022-11-16記事「Stealth Planes Still Have One Very Visible Problem: Contrails」。
   昨年、RQ-180と見られるステルスドローンの高々度飛翔を地上から撮影した写真が軍事マニア系SNSに出回った。
 デジタル処理で強調すると、高空大気中の水蒸気が水滴化、さらに氷粒化して、線状の薄雲を機尾に長く曳いているのが分かる。これはハイテクの塊であるステルス機が完全なステルス機とはなりえないでいる、最後の技術的関門だ。

 撮影した人いわく。ジェットエンジンの音は、かすかに聞こえる程度だったという。
 このような飛行機雲のことを「コントレイル」という。

 コントレイルを発見できれば、敵は、ステルス機がどこを飛んでいるか、すぐにわかってしまう。

 コントレイルの問題はWWII中に認識された。米空軍のB-17の機体が独戦闘機パイロットから視認される前に、コントレイルによって爆撃機編隊の接近が見えてしまうのである。

 この不利を考えると、やっぱり夜間空襲が比較的に安全だという結論になるのだった。
 レーダーはチャフで誤魔化せたので。

 しかし操縦士たちはじぶんで発見した。高度をちょっと変更したただけで、コントレイルを消せる場合があるのである。
 その物理的な機序はしかし1950年代まで解明されなかった。

 しばしばパイロットには、自機がつくったコントレイルは視認できない。発見されていないと思っていても、じつは敵の目には遠くからバレバレだった、ということになってしまう。U-2のミッションでこれは深刻だった。それで、バックミラーがとりつけられたのである。

 コントレイルの正体は微細な氷粒だ。氷はエンジンから出た煤煙分子を核として成長する。この煤煙分子を減らせるなら、コントレイルもそれだけ薄くできる。

 そして研究者は発見した。燃料油中に硫黄が多く混じっていると、燃焼時に三酸化硫黄がたくさんできる。これがいちばん顕著な氷粒の核になっているのだと。

 それで「低硫黄燃料」を試したが、なかなか著効がない。
 数年するうち、ある発想がひらめいた。
 逆に硫黄分を増やしたらどうか。それによって氷の粒のサイズをある小ささにできれば、光学的にそれは「透明」になるはずだと。

 この仮説は1962年に米空軍によって立てられた。粒子のサイズを0.5ミクロン未満にすると、コントレイルは青い霞状に変わる。白くは見えなくなるだろう。
 背景の青空とのコントラストはほとんど無いから、距離にかかわらず、青いコントレイルは敵眼からは見えぬはずである。

 しかし硫黄分の調節によっては期待した成果が出なかった。
 だが1961年のB-47を使った実験で、排気に塩化スルホン酸を吹きつける装置をとりつければ、氷粒子はずっと小さくなり、コントレイルが無色化してくれることが分かっていた。

 もちろんこのシステムにはマイナス面もある。B-47爆撃機に400ポンドもの余分な死重を負担させることになるのだ。

 なおかつ、燃料中に2%の塩化スルホン酸を混ぜねばならない。その重量は2000ポンドにもなってしまう。

 けっきょくこの装置は試験機以外には実装されなかった。

 ただし、無人のジェット偵察機であるライアン・ファイアビーの一部には、このシステムが搭載された。

 結果的に評判は悪かった。塩化スルホン酸は、腐食性が高く、機材の寿命を短くする。またそれを取り扱うクルーにとっても、健康に害のある物質だったから。

 じつは80年代後半、開発中のB-2には、塩化スルホン酸の噴射装置が組み付けられていた。
 そしてそれは、けっきょく量産機には実装されないことになった。すべては秘密裡に決定されている。

 当局は、粒子状の高度に汚染された物質を高空から振りまきながら空軍機が飛行するなどという選択は、まったく現代では受け入れられないと判断したのだ。

 1989年、空軍長官のエドワード・アルドリッジは、B-2のコントレールは有害化学物質を使わない方法で消すことができた、と公表した。しかし具体的な方法は公表せず、そのため米国内に《陰謀論》の種を蒔いてしまった。空軍が空から米国人の頭上に秘密の物質を撒いているという類の。

 ノシル・ゴワディア技師が考えた装置が解決法かと思われた。熱いエンジン排気に、冷たい外気を機械的に混ぜてやる装置だった。これは赤外線輻射を目立たなくする試みの副産物であった。
 B-2のノズルが、コントレイルを消す目的で設計変更された。

 しかるに2011にゴワディアは、この装置の詳細を中共に漏らしたとして起訴されて有罪になり、懲役32年が確定する。
 そしてゴワディアの装置の研究開発は中止された。この装置の効き目については、何も公表されていない。

 1年前、あきらかにされたこと。B-2は、PAS(パイロット警報機)というセンサーを機体後部にとりつけたのである。これはレーザースキャン装置で、ノズルから噴き出される排気中に可視的な氷分子が生成される可能性があるかないかを、リアルタイムで見張る。もし生成されそうだったらパイロットはPASから警報を受ける。ただちに飛行高度を変更することにより、敵の肉眼にコントレイルが見える前に、対処が可能になるのである。

 むかし、U-2は、コントレイルの有無をパイロットが見やすくしてやるための特別なバックミラーをつけていたものだが、その最新版だと言えようか。

 コントレイルができるかどうかは、気温と湿度で決まる。1941のエルネスト・シュミット(独)、1953のハーバート・アップルマン(米)が、その基準をグラフ化してくれている。

 1998に米空軍は、このシュミット・アプルマン基準を組み込んだソフトウェアを開発し、予定する飛行ルートにコントレイルができそうな場合はそれを予知し、コース計画を変更できるようにした。

 じつはコントレイルは、空軍だけでなく、民航機もこれを抑制すべき理由がある。すぐに消失するコントレイルは無問題なのだが、巻雲のように高々度にずっと残るコントレイルは「地球温暖化」効果があるというので、このごろ、環境団体がうるさくなってきたのだ。

 じっさい、巻雲状のコントレールの温暖化効果は、ジェット燃料を燃やしてできる二酸化炭素より大である。これは科学的に真実。よって、民航機がコントレールを消すことができれば、民航会社は地球環境に貢献してますよと威張れるかもしれない。

 困ったことに、効率的なエンジンであるほど、コントレイルができやすい。
 だがエンジンの効率を悪くしたら航空会社は多量の燃料を使うしかなくなる。

 燃料が排気ガスになる前に完全燃焼し、煤をいっさい生成しないようにすれば、コントレイルはなくせる。そのような新型エンジンも研究中である。

 コントレイルの発生は、今では予測ができる。だから、RQ-180がこれまで三度、まっぴるまに人のいる場所の上を飛んで撮影されたのは、おかしい。二度まではアクシデントかもしれぬが、三度となれば、これはわざと人に見せているのではないかと疑って可いだろう。

 ※この記事はいちおう空軍と相談しながら書かれていると思う。そして、G20でバイデンと熊プーが会うタイミングで中共版のB-2が初飛行したら、すかさずこの記事を公表するつもりだったと思う。媒体は『ポピュラーメカニクス』で、誰でも登録なしで無料で閲読できる。中共の技術なんて30年前の米国の水準だと一般人に知らせたいのだ。

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 Anna Akage 記者による2022-11-15記事「Swan Lake In Kherson? Why Russia’s Future Is Looking So Dark」。
   ブレジネフ時代からソ連には、ひとつの風習がある。とてつもない事件が起きたとき、テレビのニュース番組に「白鳥の湖」が映し出されるのだ。書記長が死んだり、1991-8のクーデターのようなとき。

 ※ブレジネフには若いバレリーナの愛人がいた。なんでそんなことを覚えているかというと、学生時代、ソ連について書かれた一般書を大学図書館で借りて読んでいたら、あるページが乱暴に破り取られていたのである。いったいそこに何が書いてあったのかと気になり、別な図書館で確認したところ、どうも、ブレジネフがバレリーナの愛人を囲っていたとごく短く言及しているたった1行が、大学内の共産主義者には甚だ気に入らなかったと想像するほかに無かった。こうやって人目に対して情報を隠せると思考するところが日本の左翼の不可思議な脳内構造だ。インターネット時代もそれは変わりがない。

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 Ryan Morgan 記者による2022-11-14記事「Video: China buying US farmland near military bases」。
   過去数年、中共企業が米国内のあちこちで農地を買い漁っている。それがすべて、米軍基地の近くである。
 たとえばノースダコタ州の「グランドフォーク」空軍基地から12マイルにある370エイカーの農地。
 この基地から「グロホ」は遠隔運用されているのである。またこの基地内にはあたらしく宇宙ネットワークの地上局も設けられる。

 テキサス州選出の連邦下院議員トニー・ゴンザレスや、上院議員のテッド・クルスは、中共、ロシア、イラン、北鮮が米軍基地の100マイル以内、および米軍作戦地域の50マイル以内の土地を買えないようにする法案を議会で審議させようと努力中である。それは昨年の4月に下院へ提案されているのだが、まだ投票にまでは至っていない。

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 Peter Bo Rappmund 記者による2013-11記事「800 Miles: Photographing the Trans-Alaska Pipeline」。
   1970年代にアラスカ横断原油パイプラインの全行程を踏査して撮影しまくったという物好きな写真家。

 多くの区間は地下に埋設されていて、しかも政府はその位置を公表していなかった。安全保障上の配慮から。
 しかし合計400マイル以上は地上に出ている。それを撮影したのである。夏だけを使って。

 管径は48インチ。鋼鉄製。
 1988のピーク時には日量200万バレルを輸送していた。

 「ダニエル活断層」をまたぎ越す箇所には、独特の工事がしてある。パイプを支える支柱の土台が橇になっており、地震が起きて左右に20フィートも地面が動いたとしてもパイプラインは機能し続けるのだ。

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 ストラテジーペイジの2022-11-16記事。
   11-12に北鮮はロシアに152ミリ砲弾を売ることに同意した。直接ロシアに渡すのではなく、複数の第三国を経由して売るという。※中共かイランしかねえだろ。

 10-15に朝満国境の若い警備兵が夜間、飲酒した上で居眠りしていたというので、北鮮の将校によって殴り殺された。
 これが地元民の間で大反発を呼んでいる。

 げんざい、北鮮軍も人手不足である。以前は徴兵期間は9~10年だったのだが、今の新兵は8年に短縮されている。

 もっと昔は、徴兵期間は12年もあった。
 どうして短縮されているかというと、徴兵忌避者がどんどん満洲へ逃げてしまうのである。それを止められないので、政府が人民に対して妥協を重ねているのだ。

 昔は、北鮮内で公務員の仕事に就きたくば、兵役を済ましている必要があった。今は支那人と交易すれば若くして公務員よりも何倍も稼げるので、ますます兵役を回避すべき理由がある。

 国境警備隊への食糧の配給も滞っており、北鮮軍のモラールは激下がりである。

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 Boyko Nikolov 記者による2022-11-16記事「German Aerospace Industry: the F-35’s purchase was a mistake」。
    ドイツはいまのタイフーンをF-35で更新することをすでに決めてしまっているのだが、ウクライナ戦争後、風向きが変わり、ドイツの軍需産業界が一斉に、ドイツ政府を批判し始めた。この決定は間違っていると。

 というのは、F-35の整備、改修が、ドイツ国内ではできない。まったくそういう分担をしない契約なのである。
 したがってドイツの血税がぜんぶ、米国(およびイタリア)へ流れて行く。そんな枠組みなのだ。

 スイスですら、F-35を調達するかわりに、一部のメンテナンスを国内企業が請け負うような契約を締結している。

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 Harry Valentine 記者による2022-11-13記事「New Technology Could Advance Maritime Wind Propulsion」。
   垂直軸を中心に回転する円筒状の風車(マグヌス効果を利用)。その動力を直接に「櫓」のような推進機構に伝達して、船舶を風上に向って走らせることができる。80年代から提唱されていたが、いよいよ実用に近づいている。各国で独自の開発が進行中だ。

 ※雑報によると、破壊損傷したS-300の重要パーツを取り外し、ドンガラだけ化粧して陣地に置いておくと、露軍の「ランセット」がそれを攻撃する。新手の「囮」技法。露軍は得々と命中ビデオをSNSにUpするが、仔細に標的を見れば、車体に電源やアンテナ檣がついてないことがわかる。