Tanmay Kadam 記者による2022-11-25記事「China Prevented Transfer Of Polish MiG-29 Fighter Jets To Ukraine; Kept Russia Away From Nuclear Escalation」。
英国の週刊誌『スペクテイター』にオーウェン・マシューズ記者が寄稿しているところによると、北京は裏チャンネルでワシントンに注文をつけ、ポーランド保有の「ミグ29」を米軍基地経由でウクライナ軍に譲渡させるという計画を潰した。
マシューズが中共軍に取材したところによると、中共の最優先希望は、欧州で核戦争がおっ始まらないこと。できれば休戦してくれること。
3月にポーランドは、保有する全部の「ミグ29」をウクライナ軍に譲渡しようとした。中共は、そうなれば、ロシアが核を使いたくなるだろうと懸念して、米国に釘を刺した。
これら「ミグ29 A/B」は80年代に製造された初期型で、もともと東独が保有していたが、あまりの低性能とメンテナンスコスト高が嫌われ、2003年にポーランドに売られた。その値段は22機全部で「22ユーロ」であった。
この22機がウクライナに引き渡されたところで、露軍の「スホイ30SM」や「スホイ35S」の優勢がくつがえることはない。しかしロシア人は理性的存在ではなく、象徴的な政治宣伝がエスカレーションを呼ぶであろう。
3月時点の話では、ポーランドがミグ29を米軍基地にてウクライナに渡す代わりに、ポーランドは米国からF-16を受取れる、という話で、米国がこの構想にむしろ乗り気であった。ところが米政府はとつぜん、その態度を変えた。その裏では、欧州の元元首複数が、中共外相から指図を受けて、バイデン政権に警告したのだという。
また中共はワシントンに対し、そっちがミグ29の移転をやめるなら、こっちは軍と軍のチャンネルでロシア軍を説得して核攻撃を自制させる――と、もちかけた。
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James Beardsworth 記者による2022-11-25記事「As Winter Sets In, Ukrainian Battlefields Shows Few Signs Of Freezing」。
ウクライナ軍は真冬の到来を待ち望んでいる。植生が枯れてしまえば、敵軍の所在を偵知しやすくなる。防寒装備も自軍側が万全なので。
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Kamil Galeev 記者による2022-11-23記事。
カディロフの車列がチェチェンを通行するときは、5分前から警察が前触れし、一般車両は路側で停止しなければならない。そこを時速200kmで突っ走るという。
カディロフが安全に眠れる場所はチェチェンにしかないので、かならずチェチェンの域内に戻ってくる。
カディロフの支配地だけが、新コロ対策としての「ロックダウン」を住民に強制できた。他地域(たとえばダゲスタン)では、誰もそんなものを守っていない。
※ワールドカップが中共内でTV放映されるときは、観客席にぜんぶ、ボカシが入っている。誰もマスクを着けていない実態を、人民には見せたくない。
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2022-11-25記事「Rail freight on Crimea Bridge still restricted, ferries bring cargo across」。
いま、ケルチ海峡を、フェリーが、鉄道貨車を載せて、往復している。ケルチ橋の軌条が復旧していないのだ。
片側の1本(単線)は使えるらしい。
爆破当日、炎上したタンク貨車は、7両であった。
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Francisco Olmos 記者による2022-11-23記事「Dawn of the Drone Age in Central Asia」。
9月にキルギスタンとタジキスタンが交戦し、キルギスタンは「TB2」でタジク領内を爆撃した。
キルギスの発表では、戦車2両、多連装ロケット車1両、弾薬運搬トラック1両を、TB2で爆砕した。
キルギスがバイラクタルのTB2をトルコから輸入したのは2021後半である。
あわせてロシアからは「オルラン-10E」偵察無人機を購入している。
さらにその前には中共から「WJ-100」という偵察無人機を買っている。
2021春までは国境ではタジクが優勢であった。しかし2021春からキルギスは調子づいてきたという。つまりキルギスは、無人機を導入する前から、タジク国境の戦力を強化していた。
キルギスは今、バイラクタル社製の最新の攻撃型無人機「アキンジー」と、汎用無人機の「Aksungur」の調達にも動いている。これが進むと、キルギスは中央アジアにおける一大「無人機強国」となるであろう。
タジクはバイラクタル社の工場を2022に見学している。が、結局、無人攻撃機を購入していない。
タジクはトルコではなくイランから無人機を買うつもりのようである。
2022-5にイランは、タジキスタンからの視察団に対して「アバビル-2」無人機の製造ラインを公開している。これは「TB2」には劣る、古い無人機だ。
しかしイラン製の別ラインの特攻無人機は、ウクライナ戦線で大活躍中である。
タジクは米国製の「ピューマ」偵察無人機にも興味を示している。
10月、ウクライナの一ジャーナリストが、ウズベキスタン国内の工場でイラン製の自爆ドローンが組み立てられていて、それを露軍がウクライナ空爆に投入していると騒いだ。
この記事にウズベキスタンが抗議すると、ジャーナリストは、工場はタジキスタンであったと訂正した。
しかしタジク政府は、そのような組み立てはしていないし、ドローンをロシアに輸出してもいないと否定している。
カザフスタンは中共製の「翼竜1」を2016年から買い込み、今では国内で組み立てている。
しかしカザフはその発展型である「翼竜2」には熱意がない。むしろトルコに期待をかけつつある。
トルコのTAI社製の「Anka」という無人機だ。
トカイェフ大統領がトルコを訪れ、2022-5に調印した。カザフ国内でライセンス生産するのだ。
カザフは、偵察用無人機としては、「オルラン-10E」、イスラエル製の2機種、米国製の「RQ-11 レイヴン」を選んでいる。
中共はウズベキスタンから天然ガスを買い、その代金の一部を、すくなくとも1機の「翼竜2」で払っている。これについての続報は無い。
ウズベクはすでにロシア製の「ザラ 421-16E」と米国製「レイヴン」を偵察用に保有している。
ことし前半、ウズベクがFMSで「ピューマ」を買うという報道が出た。ウズベク国防省はそれを否定した。
トルクメニスタンは、中央アジア諸国では最初のTB2バイヤーである。2016年には中共から「CH-3A」や「WJ-600 A/D」も買っている。
トルクメニスタンは、ベラルーシ製の「Busel MB2」という偵察無人機も買っている。このメーカーは特攻自爆機も造っており、たぶん、トルクメニスタンはそれを買っているだろう。
イスラエル製の「スカイストライカー」というロイタリングミュニションもトルクメニスタンは購入している。
※韓国の自走砲の最新型は「K9A2」だが、次の「K9A3」では、155ミリ砲弾の射程が70kmにまで延びるとフカしている。
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Defense Express の2022-11-24記事「Russian Shipyard Producing Karakurt-class Ships is Facing Potential Financial Hardship」。
バルト艦隊のための救難捜索にも任ずるラドガ級警備艇を建造しているペラ造船所。
ロシア国防省が建造途中で仕様を変更させたため、追加の工費が必要になった。それで発注者と受注者の間で訴訟になっている。
この警備艇、仕様変更がなければ2016-11に納品していたはずだった。
追加工費が支払われないなら、会社は倒産に直面する。
ペラ社は12社以上の漁業会社からも訴えられている。発注したトロール漁船を期日までに納品してないというので。
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Seulkee Jang 記者による2022-11-24記事「North Korea imports Russian food and petroleum products by train」。
11月前半、北鮮は、鉄道貨車を使ってロシアから食糧と液体燃料を輸入しはじめている。
国連制裁がかかっている以上、この行為は「密輸」に相当し、違法である。それで従来は、こそこそ取引するのにふさわしい「船舶」が使われていたのだ。それがなぜ列車に切り替わったのか、理由は不明である。
月曜の北鮮新聞によれば、貨車の積荷の多くは穀物、食用油、チーズ、ディーゼル油、ガソリン、液化プロパンガスだと。
穀物は全粒で、粉に挽いてない。だから製粉工場へ搬入される。
北鮮は7月にもロシアから穀物を輸入した。
三代目は9月の最高人民会議にて、穀物の作付け面積を二倍にして人民の食糧事情を好転せしめよという命令を呼号していたが、それが実行されている形跡は無い。
『Daily NK』が承知するかぎり、北鮮が食用油を輸入したのは、こんかいが初である。そこに注目すべし。
この食用油は4.5kg入りの透明プラ容器に詰められた形で、ロシアから送られて来ている。ところがブランド名を表記したラベルがついてない。製造年月日も、産地も、製造業者も、確かめようがないという、おそろしい品物である。
今月輸入されているチーズやバターは、低品質のもので、すべて、北鮮軍に兵食として納品される。
北鮮の兵営内でのご馳走は、コメを盛った椀に一匙の「バター・オイル」をトッピングしたものだという。
こんかいの列車貨物には木材は積まれていないようだ。従来の船便貨物には木材が混じっていたのだが。
なお北鮮がロシアから輸入する木材は丸太ではなく、製材された厚板である。建設資材だ。
貨物列車は「羅先」駅にて貨車の中味が空となり、空のまま、露国境内のハサン駅まで回送されているという。
※北鮮の無煙炭の炭層は大同江の中流域にあるらしい。だったら北鮮は首都の光熱エネルギー源をぜんぶ石炭に切り替えてしまうのが悧巧であろう。北鮮がいくら石炭を増し焚きしたってグレタは出て来はしない。そしてもうひとつ。北鮮は軽便鉄道の蒸気機関車を国産するべきである。もちろん標準軌で。機関車の軸重と出力だけ《軽便》にするのだ。これなら「I形鋼」のまがいものレールだろうとなんとかなる。また、できるならば、石炭を燃やして火力発電して電気モーターを回す《ハイブリッド電気機関車》だと、移動式発電基地にもなるから、世界に対して威張れるであろう。その北鮮型の軽便貨物列車で、国産の石炭を、国内のすみずみにまで配給してやれよ。それが統治者の責任というものだろう。