「刀狩り」には美名が必要だ。海外「民兵」支援を名とすれば、アサルトウェポンの米国市中からの「供出」と「買い上げ」を進めることは可能なはずだ。

 Brendan Rascius 記者による2022-11-26記事「Biden calls for assault weapons ban as support for stricter gun laws decreases」。
   乱射事件の根絶のため、「アサルト・ウェポン」禁止法の制定を、あらためてバイデンは米国有権者に呼びかけた。

 半自動小銃を誰でも買えるようにさせておけという理念は、ひたすら病的である――と大統領は断言。
 わたしはアサルトウェポンを禁止せんとす、とサンクスギビングデイに訴えた。

 アサルトウェポンとは何かは、法的に定義されてはいない。通念では、軍用銃の外観を有する小火器類と、何十発も弾薬が収められる弾倉のことを意味している。

 ことし前半、連邦議会は超党派でひとつの法律を通している。若い買い手や、家庭内暴力の前歴のある者が、銃器を取得できにくくした。

 しかし、それとは別の、「アサルト・ウェポン」を禁止しようという法案は、連邦下院は通ったものの、上院で法案に反対する勢力が有力だったため、止まってしまった。〔中間選挙前の話である。〕

 バイデンはあらためて包括禁止法を通したい。

 1990年以降、ギャラップ世論調査によれば、銃器規制法の支持率は2011年において最低(43%)であった。そして2018年において最高(67%)だった。変動が大きいのである。

 さいきんでは、民主党員と共和党員の間で意見の差が大きい。民主党員は86%が銃販売規制強化を支持する派。共和党員だとその率は27%に下がる。

 このたびの中間選挙で当選した議員たちは、来年1月から登院する。上下両院ともに共和党議員が増えるので、銃器規制関係の新法は、さらに通り難くなるだろう。

 過去3年間、全米では、毎年、600件以上の銃乱射事件が発生している。
 世界人口に占める米国人の割合は4.4%なのに、世界の銃乱射事件のうち31%は米国内で発生しているのだ。

 2020年の統計では、米国内の銃器が原因である死亡者のうち54%は、自殺であった。

 ※バイデン政権は、《ウクライナの戦場近隣地域に「自警団」「民間防衛団」の組織を促す》という名目で、国民に対し、アサルトウェポンのドネーションを呼びかけるとよい。膨大な数量があつまるはずだ。それを国務省がとりまとめてウクライナ領内へ搬入する。供出者たちの自負心は、その派手な映像によって満足させられるだろう。ほんの一部を、比島内または沖縄基地内にストックして、中国周辺事変に備えさせてもいい。それでもすごい量になるはずだ。いくらプーチン好きな極右でも、「ミリシャを増やす」という名目の政策には、反対はできない。と同時に、米国内にはあたらしい規制理念の導入も必要だ。「ハンドガンの新規販売・転売は、爾後はリボルバーだけを許可する」「ライフルの新規販売・転売は、爾後はボルトアクション式だけを許可する」とするのがいちばん現実的で実行可能でしかも合理的だろう。この法令によって店頭販売できなくされてしまう、新品の在庫品については、ぜんぶ米政府が買い上げて、すぐにウクライナ等へ海送してしまう。これで、どこからも文句は出ない。銃器業界には、オートマチック拳銃とオートマチック小銃については、軍とローエンフォース機関向けの巨大市場が依然として残されているのだし、他方で、そんなに高度な技術を必要とはしないリボルバーとボルトアクションの大きな新規市場が生じるわけだから、むしろ活況を呈しよう。誰もがうれしい銃器政策だ。こういうことを考え付ける頭の持ち主が、2億人も人が暮らしているあの国から出てこないというのが、私には不思議でならない。

 次。
 ヘルシンキの英字新聞の2022-11-15記事「Winter pause in Ukraine conflict may last up to 6 months: Report」。
  『NYT』によると、露軍の活動は冬季は鈍り、その期間は6ヵ月にも及ぶだろう、とのこと。
 ウクライナ戦線では、毎年11月の後半に、地面が泥濘化する。これ以降、軍隊の動きは悪くなり、次の春の乾季まで、大規模作戦は計画できなくなる。

 よって米国としてはおちついて補給ができる期間である。

 次。
 Defense Express の2022-11-27記事「African Students Learning in russia are Pressed to Fight Putin’s War Against Ukraine」。
   アフリカ諸国からロシアにやってきている留学生たちが、露軍への入営を半ば強制されている。断ると奨学金が断たれ、授業料を多く収めなければならなくなる。

 入営すれば、もちろんウクライナ戦線へ送られてしまう。だから誰もそんな話には乗らない。約束された褒賞金が貰える保証もないのだ。

 ナイジェリアとセネガルから来ている留学生の証言が取れている。強い誘導がある、と。
 しかしじっさいに入営した者がいるという情報は無い。