ディーゼル発動機で発電→電池に蓄電→電動モーターで駆動 の特殊車両システムには、欧州人も反対ができない。なかんずく軍・警察・消防・救急分野では。

 Alex Hollings 記者による2022-12-2記事「Here’s your first look at the B-21 Raider, America’s new stealth bomber」。
   B-21の特記事項は、いままで7年間以上、まったく試作機の写真が外部に漏れだすことがなかったこと。カメラだらけの今日、これは偉業だろう。試作機は今、計6機が、完成もしくは半成の状態らしい。

 自慢は、あたらしいRAM(レーダー吸収材)らしい。機体表面をコーティングしており、当たったレーダー波エネルギーの7割を熱に変換し、その熱を放散することで気配を消す。

 このRAMを機体に塗りつけるための工場施設の予算をノースロップグラマン社が得たのは2017年であった。場所は加州のパームデール。その工費は3580万ドル。

 B-21の実戦部隊展開は2020年代のなかばになる見通し。その10年後には、次世代の戦闘機もまた実戦配備される。

 B-21の戦力化と同時に「B-1B」は退役する。が、「B-2」はまだ残り続ける。

 空軍は、B-21を100機以上作りたい、と言っている。

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 Defense Express の2022-12-3記事「Defense Intelligence of Ukraine Estimates That russia Already Uses Strategic Stockpile of Some Types of Weapons」。
   残骸調査から推定されていること。今年の8月に工場から出荷したばかりの、ほんらいは核ミサイルとするはずのミサイルが、通常兵器としてウクライナ領土に撃ち込まれている。

 露軍の非核ミサイルはほぼ涸渇したと見られる。

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 ブルガリア軍事ニュースの2022-12-3記事「A Train carrying NATO Military equipment derailed in Greece」。
   ギリシャの港、アレクサンドロポリスの近くの鉄道で貨物列車が脱線。積荷は、NATO軍の兵器だった。過積載が原因だという。

 ※どうも米軍のM1戦車くさい。標準軌の無蓋貨車の横幅をはみ出すような寸法で、しかも1個口が70トンにもなるのではね……。思えば1990湾岸戦争のときはすごかった。ドイツから鉄道と河用バージを使って港までMBTを南下させ、アラビア半島に揚陸後は、鉄道をいっさい使わずに「左フック」のための展開を済ませた。あれは、なにもかも例外だったのだ。2003イラク占領作戦では、バスラから鉄道をしっかり使っている。

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 Anna Skinner 記者による2022-12-2記事「Did Putin Fall Down the Stairs and Soil Himself? What We Know」。
    プー之介が水曜日に5段の階段で滑り、尾骨を痛打し、便失禁した、だのというルーモアが飛び交っている。
 初出はSNSの「テレグラム」への一投稿である。

 プー之介は「滑らぬ特注靴」を履いていて、しかも特別に安全に設計されていた階段を下りるさいに、ずっこけたのだという。

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 フィンランド政府2022-11-30発表記事「Finland supports energy sector in Ukraine」。
   フィンランドは秋からひきつづいて、変電所の機材をウクライナに援助し続けている。
 周波数変換トランス、回路遮断機、リレーなど。
 古い変電施設を新しく建て替えたときに出た、余剰部品もウクライナへ送るようにしている。

 ※フィンランドは米国から新品のスティンガーを大量調達する。ノルウェーはポーランド製の安価だが実戦威力証明済みのMANPADSを買い付ける。どちらも、手持ちのMANPADSを多数、ウクライナ軍にやってしまったので。

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 Parth Satam 記者による2022-12-3記事「Russia’s ‘Bait & Hit’ Strategy Out! Reports Claim Iskander & Kalibr Missiles Lure Ukraine’s Air Defense, While Kh-31 Strikes Them」。
    いま露軍が期待をかけているのが、「Kh-31PD」という長射程の対レーダーミサイル。
 まずイスカンデルやカリブルやキンジャルを発射すると見せかけて、ウクライナ軍のSAM用レーダーを作動させ、そこをめがけて「Kh-31PD」を撃ちこむ。すでにNATO供与の地上レーダーがこの手でやられている。

 ウクライナ軍は、露軍の対レーダー・ミサイルの飛来を警戒して、大規模空襲をしかけられているとき以外は、防空レーダーを作動させないようにしているという。

 そこで露軍は、国境近くの飛行場から軍用機を一度にたくさん離陸させることにより、大規模ミサイル空襲が始まるぞとウクライナ側に思わせて、ウクライナ軍の地上レーダーを作動させ、その電波放射源に向けて「Kh-31PD」を放つ。

 発射担当母機は「スホイ35S」らしい。

 しかしインド空軍のパイロットに聞いたら、その話は大袈裟だと。
 対レーダー・ミサイルの射程はそんなに長くなく、ロシア国境からキエフまでも届かない。発射母機がウクライナ国境に近づけば、その母機がSAMでやられるリスクが大きすぎると。

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 Boyko Nikolov 記者による2022-12-3記事「Bayraktar TB2 in Ukraine practically doesn’t fly, no new deliveries」。
    げんざいウクライナ上空を「TB2」は1機も飛んでいないという。
 ウクライナ軍は50機以上、保有していたはずだが。

 その五十数機がぜんぶ、撃墜されたのではないとすれば、トルコが技術支援を中断した可能性がある。その理由は、トルコがロシアとの間で、水面下で、石油/ガス、もしくは穀物輸送のビジネスの話をしているためだろう。

 ロシア・メディアによると、8月なかばから、ウクライナ上空での「TB2」の飛行はなくなったという。

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 ストラテジーペイジの2022-12-3記事。
   ドイツはウクライナに14台のTHeMIS=装軌ハイブリッド・モジュラー歩兵システム を寄贈した。
 これはロボット車両である。すでに9月に1台、負傷兵の救出車として寄贈されている。

 メーカーはエストニアにある。

 この無人装軌車は、地雷啓開作業にも用いられる。
 オペレーターの人は1500m遠くからこの車両をリモコンできる。
 人が徒歩で先行して、その跡を一定間隔でついてこさせるというモードにもできる。

 坐れる人間を搬送するだけなら、6人、腰掛けられる。
 ストレッチャーなら、2人分。
 ペイロードは、患者コミで1.2トン。

 THeMISの自重は1.6トン。長さ2.4m×幅2m×高さ1.15m。
 小型ディーゼルエンジンで発電し、それをバッテリーに蓄電し、電気モーターを駆動させて走る。最高時速20km。通常は、人の徒歩スピードで運用する。
 連続5時間の活動が可能。

 すくなくも10のNATO加盟国がTHeMISを試験評価中である。