スウェーデンの国防相がこのほどオデーサでウクライナの国防相と会談。「グリペン」をウクライナに供与する計画は無いと記者団に語った。

 Defense Express の2022-12-13記事「It Became Known How Many Cruise Missiles Were Produced by russian Industries Since the Start of the War」。
   ウクライナ国防省の情報部長氏いわく。ロシアにはまだ3波から5波の、対都市ミサイル大空襲を発起できるだけの、巡航ミサイルや長射程ロケット弾があるのではないか。1波が80発から90発として。

 またいわく。推定では、2-24以降、ロシアの軍需工場は、「Kh-101」空対地巡航ミサイルを240発、そして、艦隊地巡航ミサイルの「カリブル」を120発、製造しているのではないかと。

 ロシアが大規模ミサイル空襲をしかけるときには、できるだけ全周の異方位から、同時に100発前後のミサイルを飛来させるようにする。

 ※ドイツがまた野心的な新兵器を実験供与するらしい。6×6のトラックシャシに、単装の35ミリ機関砲ターレットを、ミニレーダーといっしょに載せたもの。ほぼ、巡航ミサイル防禦スペシャルと言っていいだろう。35ミリ砲弾にはもちろんVT信管が付いている。実戦場で声価を獲得させた上で、量産し、全世界に売る気満々だと見ゆる。

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 Jake Epstein 記者による2022-12-14記事「Russia is running out of new rockets and artillery shells and may need to rely on ‘unpredictable’ decades-old ammo instead, US military official says」。
    火曜日に発表された、米軍内の分析。
 露軍は、40年以上前に製造されて倉庫に眠っていた、品質の疑わしい砲弾を発射するようになっている。今の調子だと、来年の前半には、それすらも涸渇するであろう――と。

 古い弾薬類にはリスクが多々ある。まず、発射されない不具合。砲弾が砲身途中に停弾してしまう不具合。発射と同時に爆発してしまう不具合。正しく飛翔せず近弾になる不具合。着弾しても起爆しない不具合。起爆しても爆発威力が低い不具合。
 このうち最も怖いのが腔発だ。発射と同時に砲が自爆し味方砲側員は全滅してしまう。
 腔発が一回起きれば、もうそのロットの砲弾を誰も発射しようとは思わない。上官をごまかしてひそかに投棄するのみだ。

 不発火や停弾が起きた場合は、抜弾作業がまた危険で時間がかかる。いまのような戦場では、その場でいつまでも作業していられないから、火砲そのものを遺棄して逃げるが勝ちだろう。

 英国は国連の場で警鐘を鳴らしている。ロシアはイランが持っている数百基の地対地弾道弾が咽喉から手が出るほど欲しい。その見返りに、かつては禁断であったレベルの軍事技術の対イラン提供を、持ちかけているはずだ、と。

 ※グレーゾーンな代価物資としては「ダーティボム素材」があると思う。セシウム、ストロンチウム、アメリシウム、沃素……。これらの放射性同位体がロシアからイランの手へ渡されれば、サウジとUAEはパニックだろう。イスラエルは先手を取って対イランの核攻撃をするべきかどうかの決断にも迫られてしまう。というのはイスラエルには、ダーティボム攻撃を受けたときにそれに比例的に報復する「同質対抗」がやりにくいのだ。正規の核産業というものは、無いので。

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 Defense Express の2022-12-13記事「In Network appeared Video with the MaxxPro MRAP After Shot From an Anti-tank Grenade Launcher」。
    米国がウクライナに供与したMRAPである「M1224 Maxxpro」。装甲鈑はアルミ合金。7.62ミリ弾には耐弾できる。

 M1224は、アメリカン・ナヴィスター・インターナショナル社が2007年に製造して大緊急にイラクへ送ったものだ。

 地雷を踏んで中波したMRAPの写真が出回っている。乗っていた兵隊は助かったそうである。そこは、さすがだ。

 設計上、TNT7kgの地雷を踏んでも乗員を防護できるようにできている。
 M1224の全重は12.7トン~13.4トン。

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 Isabel van Brugen 記者による2022-12-13記事「Russian Soldiers Executed for Showing Fear, Captured Recruit Says」。
    刑務所からワグネルに入隊したが捕虜となった、26歳男の証言。仲間の兵隊が「銃殺」されるのを見たと。
 この男は半年従軍すれば刑期が消えるといわれた。他に300人以上の受刑者が、同じ刑務所から志願入隊したという。

 この男は初犯ではない。何度も懲役歴がある札付きだ。

 訓練2週間にしてウクライナ最前線へ送られた。
 すぐに悟った。死亡率は高く、半年生き残ることは難しそうだと。

 この男が直接目撃したこと。
 すでに砲兵の支援が始まっており、歩兵が前進しなければならないのに、2人の新兵(刑務所からの応募者)が恐怖のあまり動けなかった。この2名は「恩典」を公式に剥奪され、じぶんで穴を掘らされ、銃殺され、そこに埋められた。この2名は初陣であった。

 ※「モーゲンソー・プラン」をロシアに適用しようじゃないかという話があるらしい。これは二度も世界大戦を起こしたドイツに三回目をさせないためには、工業力そのものを禁じて農業国にしてしまうべしという極端な計画だった。今次戦争をナアナアでおわらせてしまえば、ロシアはまた10年くらいで同じような侵略戦争をやらかすから、モーゲンソー・プランの適用がこんどこそ必要じゃないかというわけ。