なにが「あ」ですか。

 ロイターの2022-12-17日記事「Exploding grenade launcher a gift from Ukraine, Polish police chief says」。
   ポーランド国家警察の長のオフィス内で水曜日に爆発があった件について。
 それはグレネードラーンチャーであったという。それはウクライナの国家非常事態省からギフトとして貰った武器だったという。貰ったときには、装填はされていなかった。警察長官はなぜかそれを自室の天井に向けて発射してしまったのだ。

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 2022-12-16記事「German Army Picks Heckler & Koch’s HK416A8 as New Assault Rifle」。
   ドイツ陸軍は、次期アサルトライフルとして、ヘックラーウントコッホ社製「HK416A8」を選定した。

 争いがあった。2020年に、C・G・ヘネル社が、12万梃の「MK556」ライフルを、総額5億5000万ユーロでドイツ政府から受注した。

 その決定にH&K社が抗議したのだ。ヘネル社はH&K社の特許を無断使用していると。

 このたびの契約。HK社は11万8718梃のアサルトライフルをドイツ陸軍に2億900万ユーロで納品する。

 HK416ライフルが部隊に渡されるのは2024年である。口径5.56mm。
 冬用トリガーガードは、兵隊のぶあつい手袋を考慮した。

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 Tom Balmforth and Olena Harmash 記者による2022-12-18記事「Russia fires scores of missiles in one of its biggest attacks on Ukraine」。
   12-16に露軍は70発以上のミサイルをウクライナ国土に撃ち込んだ。キーウその他の都市でこのために停電発生。

 ※またしても、現代の不燃都市はミサイル攻撃を無尽蔵に吸収できることが証明された。現住の中層アパートがミサイルで直撃された場合でも最大3人しか死んでいない。空襲警報後に地下室に退避していたならゼロで済んだであろう。そして、ほとんどのミサイルは現住アパートには直撃しない。ヘルソン市では1人しか死んでいない。露軍がこのようなミサイル空襲をあと何十回繰り返したところでウクライナはいまさら困りもせぬ。露軍の方は、ミサイルの弾切れに一歩、一歩と近づいて行く。

 ※戦略的に無駄である――と、とっくに証明されている、このような、派手なだけで目標不明瞭な、ショットガン乱射式な対都市ミサイル空襲を、なぜ再興したのかについては、ひとつの仮説が成り立つ。最前線のすこし後方で大規模な退却を準備していることを、メディア広報の上でマスキングしたいのかもしれぬ。

 ウクライナ陸軍の長は60発から76発のミサイルを撃墜したと語っているが、エネルギー大臣は、すくなくも6箇所の発電施設が被弾したと言っている。

 キエフ市長が金曜日にいわく。市民の三分の一は、暖房と上水が得られない。全戸の40%は停電している。市の地下鉄は止まっている、と。

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 Vera Eckert and Tom Sims 記者による2022-12-16記事「Energy crisis fuels coal comeback in Germany」。
 ことしの7月から9月にかけて、ドイツ全国の電力供給量のうち36.3%は、石炭火力で発電したものであった。
 2021年の第3四半期では31.9%であったから、明瞭に石炭の割合は増えているのである。

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 「insider.com」の記事「US pilots are testing the aging A-10 Warthog for a new kind of mission against more advanced enemies」
    A-10からデコイを放つ運用実験が進められている。うまくいけば五十年選手であるA-10にも太平洋で出番がある。

 11月前半に太平洋で試した。「ADM-160」という小型のデコイを吊下して行き、それを空中で複数放つ。

 ミニチュア・エア・ラーンチト・デコイを略してMALDという。全長8フィート、重さ300ポンド弱。リリース後、500マイル飛翔する。あたかも真正の攻撃機であるかのようなレーダー電波を輻射し、地上の敵SAMを騙す。
 このデコイにジャマーを載せたものは「MALD-J」という。

 ※今のJDAMは高空からならば28kmの水平距離を落下しつつ当たってくれる。2008年時点では8km~24kmがせいぜいだったが。(折畳翼を展開する最新型だと64km滑空してくれる。ただしキットは高額になってしまう。)ここから考えて、A-10が超低空からの低速トス爆撃でJDAMを抛り上げても、8kmくらいは飛んでくれるのかもしれない。F-16やその同格戦闘爆撃機なら、軽々とそれを達成できるだろう。宇軍は、まずMALDをスホイ25から放って先行・雁行させて露軍のSAMレーダーを騙しておき、それにまぎれて真打の爆装攻撃機が超低空からのトス爆撃でJDAMを放り投げるという運用術をこれから試みるのではないか。露軍が新年に陸上で新攻勢をかけてくるなら、使うチャンスはいくらでもあるはず。

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 Piotr Butowski 記者による2022-12-15記事「How A Soviet-Era Reconnaissance UAS Became A Cruise Missele」。
  無人偵察機の「ツポレフ141」は、1968年にソ連で開発が始まった。
 初飛行は1974年。
 1978から1990まで、ハリコフ工場で製造した。総数152機。
 ロシアのクメルタウ市の工場では、ちょっと小型の「ツポレフ143」を950機、生産した。

 ツポレフ141は、ロケットアシストで車両から打ち出されると、1000km飛行する。プリプログラムでコースも高度もいくらでも複雑化できる。最も低く飛ぶ場合は高度50m。スピードは時速1100km。

 もともと爆装する無人機ではない。が、偵察道具をおろしてその代わりに爆薬を詰めるとすると、500kgから1トンは搭載が可能だろう。

 露軍側でも「ツポレフ143」を4月11日に使用している。ただし自爆機としてではなく、空中デコイとして。宇軍のSAM配置を探ろうとしたのだ。

 ディヤギレヴォ空軍基地への無人機攻撃は、クレムリンに心理的ショックを与えたはずだ。そこまでの飛翔距離は、モスクワ攻撃とほぼ等しいのである。

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 Boyko Nikolov 記者による2022-12-17記事「Russia deploys acoustic-thermal systems Penicillin in Ukraine」。
    HIMARSに悩んでいる露軍は、それを自軍のS-400のレーダーでは探知ができないものだから、いよいよ、「聴音機」を持ち出してきた。WWII前のように音源標定ができるシステムがあるのだ。「ペニシリン」という名のついた、8×8カマズ・トラックである。

 地面の振動をとらえるセンサーも付属。これらを使い、三角標定で、敵砲兵の発射点を絞り込む。
 40km離れた音源までに対応できるという。

 開発されたのが2017年。部隊配備は2020年であった。※つまり2014ウクライナ侵略後の前線でこれが必要だと判断しているわけ。

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 2022-12-16記事「Feds: Pilot of Crashed F-35B Fighter in Texas Was US Air Force Major」。
    木曜日にクラッシュしたF-35Bだが、ロックマートの工場から海兵隊に納品される途中であった。

 やっちまったパイロットだが、なんと空軍所属の少佐である。彼は「国防契約マネジメント局」に出向の形で貸し出されていた。

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 AUDREY McAVOY 記者による2022-12-17記事「Medical transport plane with 3 on board missing in Hawaii」。
   患者輸送機がマウイ島とハワイ本島の中間海面に墜落。乗員3人が行方不明。
 運用する会社「グローバル・メディカル・リスポンス」は認めた。マウイにある本拠地から飛び立った「ハワイ・ライフ・フライト」の固定翼機(機種に言及なし)が、木曜日の午後9時半、レーダーから消えた。本島のワイメア市で患者を1人、ピックアップする予定だったが、到着せず。

 沿岸警備隊によると、墜落場所は、マウイ島ハナ市の南沖17マイルか。

 その患者だが、このような場合、ハワイ諸島内の空輸にコーストガードのブラックホーク・ヘリを使える。そして姉妹会社の「エアメッド・インターナショナル」が固定翼機で米本土から、穴埋めの機体とクルーを飛ばしてくる。

 ハワイ諸島では、大きな病院はオアフ島のホノルル市にしかないので、諸島内の空輸は毎日10件~15件ある。たとえば心臓手術が必要なときなど。

 ちなみに今のハワイ州知事のグリーン氏は医者出身。

 ※「あと数分で本機は墜落します」とアナウンスされたとき、旅客機の乗客はとっさに何か遺言を書き留めたくなるであろう。そんなときに、破れないポケット・ティッシュペーパーにボールペンで素早くしっかりと文字が書きこめるのなら、ありがたいはずだ。それは水に溶けぬことも要望されるであろう。拉致監禁被害者等が外部と緊急連絡するのにも役立とう。もうひとつ、開発が待たれる新商品。紙を取り出し、使用し、捨てるまでの間、まったく「カサリ」とも「コソリ」とも音がしない、究極無音性を追求した、ボックス入りのティッシュペーパー。絶大な需要があるはずだ。高くてもきっと売れるよ。