どなたか『朝鮮鉄道四十年略史』のPDFをめぐんでくだされ。1940年版という。

 Joseph Trevithick 記者による2022-12-21記事「The F-35B Can Eject Its Pilot Automatically」。
    12-15にフォートワースで垂直着陸に失敗してベイルアウトに至ったF-35B。じつは、B型には、全自動で射出される座席がついているので、あれはパイロットが判断して脱出したわけではないのである。

 射出座席は、マーチン・ベイカーの「US16E」だ。

 ちなみにハリアーの射出座席は自動ではなかった。それでなんの問題もなかった。だから英BEA社のテスパイ氏は、F-35Bになぜそんなものが必要なのかと2020時点で疑問を呈したものだ。今、英海軍はB型のユーザーである。

 とうぜん、理由がある。
 ハリアーとF-35Bでは、下向きジェットの固有安定度が異なるのである。
 ハリアーの下向きスラストは、機体中央部にあるひとつのエンジンから、機体重心点を均等にとり囲んだ4個のノズルに分配されて噴き出すようになっており、したがって、もしエンジンが咳き込んだ場合、そのすべてのノズルが同じように咳き込む。そのさい、重心を中心とした垂直軸は、崩れない。

 ところがF-35Bは違う。主エンジンは機体後部にあり、ベクタードスラストで尾端から真下向きにジェット噴流を出せるが、それは機体重心からは外れている。それを補償すべく、動力伝達シャフトによってVTOL時だけ、胴体前方にあるリフト専用ファンを回すのだ。

 そこに万一、ホバリング中、主エンジンの推力だけが急低下するようなトラブルが生じたら、リフト用ファンの推力のために機体は不慮のバック転に入ってしまうだろう。
 またもし、リフト用ファンの推力だけが突如うしなわれれば、機体は不慮の前転に入ってしまうだろう。

 それゆえ、AIが危険を判断してパイロットの決心よりも早く、座席をエジェクトさせるようにしないと、射出方向が地面へ向いてしまって、救命が間に合わないのだ。シャフトが折れた場合、この前転は2秒で起きるという。

 前転と後転とでは、前転が危いと考えられている。というのは、主エンジンのタービン回転には大きな慣性があるから、それがとつぜん推力ゼロになるようなことはまずないだろう。しかしリフト用のファンは軽いから、慣性も小さく、すぐに止まってしまう。結論として、ホバリング中の不慮前転のリスクが、F-35B型では大きい。

 ソ連の「ヤク38」「ヤク141」にも、同じ理由から、自動射出座席システムが備わっていた。ただし、ヤクのVTOL方式は、リフトファンではなくて、専用の小型のリフトエンジンを、主エンジンとは別に積むスタイルであった。

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 『The Maritime Executive』の2022-12-22記事「MSC Containership Held Offshore After Belgium Receives Bomb Threat」。
   コンテナ船『MSC ロレナ』6万トン(4870TEU)は、12月23日にアントワープ港に入る直前に、爆弾を仕掛けたという脅迫電話があったので、沖待ちさせられている。
 ベルギー政府は、この船をアンカレジまで戻してチェックさせたい。
 この船はアフリカ諸港をまわって、アントワープにやってきた。

 脅迫電話はベルギー連邦警察にかかってきた。アントワープ港に接岸した直後に爆発すると言ったそうだ。

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 Brendan Cole 記者による2022-12-22記事「Russia’s Only Aircraft Carrier Catches Fire」。
    ムルマンスクでここ何年も修理を続けている唯一のロシア空母『アドミラル・クズネツォフ』艦内でまた火災が発生した。

 ※サットン氏によると黒海の軍港にまた露艦が集まってきているので、近々、何かやらかす気ではないかという。

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 ストラテジーペイジの2022-12-22記事。
    フィンランドのパトリアAMVは2004から同国軍に採用されている。その2013年の改良型が「AMV XP」である。
 これによって陸自の360両の「96式」を更新して行く。

 ※モスクワ市内のフィンランド大使館の、通りに面した庭に、覆面の男たちがスレッジハンマーを投げ込む嫌ガラセ事件が12-20に発生。もちろんロシアの警察はこれを取り締まっていない。

 ※雑報によると、コラ半島からGPS攪乱電波が輻射され続けており、11月以来、民航のフィンマークは大迷惑を蒙っている。

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 Elisabeth Gosselin-Malo 記者による2022-11-21記事「Serbia may become biggest operator of military drones in Balkans」。
   コソヴォで緊張が高まっている中、セルビアの大統領は、軍の施設の近くを飛ぶUAVはぜんぶ撃墜しろと命令した。
 そしてイラン人の示唆によると、セルビアはイラン製のUAVを買い付けようとしている。

 バルカン半島の中で、2019年以降、セルビアは最大の軍事予算支出国である。
 同国はすでに2020-6に、中共から「CH-92A」無人機を複数買っている。戦闘行動半径250km。

 ユーロサトリ2022に、セルビアは「ガヴラン」という国産のロイタリングミュニションを出展した。最大離陸重量50kg、ペイロード15kg、最高速力120km/時を30分間発揮可能、航続距離100kmという。、

 マルチコプター型で、トラックやトレーラーからスウォーム運用できる。
 自爆ではなく、弾薬を投下するバージョンは「ヴラバク」という。40ミリ擲弾を6発、吊下できる。

 このほかセルビアは、イスラエルから「オービター1」を買っている。また、国産品の「シラク 750C」というドローンもある。

 イラン軍少将のラヒム・サハァヴィは、セルビアはイランから無人機を買っている22国のうちの1国になるだろうと発言した。これは、トルコから「TB2」を買おうという話がなくなることを意味する。

 ※雑報によると11月16日のオリヨールの原油タンク空爆は、TB2のしわざであったという。特攻自爆ではなく、UAVから爆弾を投下して直撃させるIRビデオが、SNSに出ている。

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 Jaroslaw Adamowski 記者による2022-12-22記事「Romania spends $410 million on Israeli-British Watchkeeper drones」。
    ルーマニアの国営軍需企業「ロムテクニカ」は、同国国防省の代理人として、契約した。相手はイスラエルのエルビット社。「ウォッチキーパーX」というドローンを最大7機、買う。

 税抜きで4億1000万米ドルの取引になるだろう。
 3機目からは、一部のパーツを国産化する。

 ウォッチキーパーは、「ヘルメス450」の派生型だ。そのメーカーの株式の49%は、「タレスUK」が持っている。

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 Steve Holland 記者による2022-12-23記事「Exclusive: US says Russia’s Wagner Group bought North Korean weapons for Ukraine war」。
   火曜日、ホワイトハウスの国家安全保障委員会のスポークスマン、カービィが発表。
 ワグネルグループは世界中から弾薬を調達して露軍に届ける特務機関の役割を果たしつつあり。
 すでに北鮮がワグネルに初回バッチの弾薬を売り渡したことを米政府は把握していると。そして先月、北鮮製の地対地ロケット弾と地対地ミサイルが、ワグネル部隊が使用する分としてロシア領内に搬入されていると。

 ワグネル部隊の兵力は5万人。うち4万は、刑務所から集めた囚人兵。

 ※ゼレンスキーを米連邦議会に招くと同時にペトリオット1基の供与を確定した演出はさすがである。これについてモスクワがもし脅迫めいた言辞を弄するなら、それは米議会に向けた脅迫になる。米国の「宣戦布告権」は米議会にあって、大統領にはないのだ。また一連の演出は、トランプとプーチンは国内外の民主主義の敵なのだというイメージを明確化することにも成功した。