やっぱりJDAMを供給しても無駄か? ドネツク上空で宇軍のミグ29×2機を撃墜したとロシア国防省が22日に発表。

 何によって墜とされたのかが不明なのだが、最前線近くでちょっと高度を上げれば、どこの国の戦闘機であろうが、こういう運命が待っているのでは? デコイを先に放ったとしても、有人機によるJDAMのトス爆撃は無謀じゃねえの?

 ペンタゴンとしては、砲弾ストックは底をつきそうだが投下爆弾は倉庫に大余りだから、そっちの在庫を活用できたなら甚だ好都合だ。しかし現実は厳しい。そう調子よく問屋が卸しますかっての。

 まず「シャヘド136」と同級の特攻無人機を雲霞の如く放出して敵のSAMを完全涸渇させてからでなくては、有人機の投入なんてできませんぜ。ペトリより、そっちが先だと、どうして理解できない?

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 The Maritime Executive の2022-12-22記事「Russian Oil Exports Slow as Tanker Market Sorts Out Sanctions Impact」。
    ロシアの「東シベリア~太平洋」グレードの原油をESPOという。この原油は高品質なので、G7がロシア産のタンカーに関して押し付けている輸出上限価格のバレルあたり60ドルでは、まったくくたびれ儲けとなり、船主たちが相手にしたがらない。極東の原油輸出港であるコスミノは、キャップ価格の適用から10日にして入船が半分に減った。

 「制裁破り」で一攫千金を夢見るアウトロー船主たちにとっては、ニッチな稼ぎのチャンス到来かもしれない。

 かたや、ウラル産の原油は、低品質なので、安く売っても損にはならぬ。ところが問題は、最も近場の売り先のヨーロッパが、荷を受け入れてくれない。となると、バルト海の輸出港から、遥か遠くアジアへタンカーで持っていかねばならない。そうするともう輸送経費で足が出てしまう。

 インド、中共、トルコは、ひきつづいて、ウラル原油を最低価格で買っている。それでもバルト海から原油を積み出すタンカーは、12月には2割、数が減ったそうだ。

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 Ashish Dangwal 記者による2022-12-23記事「India’s Su-30 MKI, Japan’s F-15 Fighters To Hold 1st Ever Air Combat Drills Next Year Amid China’s Belligerence」。
    来年1月16日~26日、空自とインド空軍が、百里基地を拠点にして合同演習する。空自はF-2とF-15を出す。
 インド空軍は4機のスホイ30の他、2機のC-17で飛来する予定だ。

 フェリー途中の空中給油は、インド空軍の「イリューシン78」が行なう。

 この「日印」演習、2019-11に「2+2」で、やろうぜと合意したのだが、直後の武漢肺炎の流行のせいで、実施の目処が立たなくなってしまっていた。

 ようやく2021-7にF-2参加で実現しかかったが、デルタ株登場で、これもお流れに……。

 早いとこ、中共空軍も装備している「スホイ30」がどんなふうに最新レーダーに映るのか、空自としては、確かめたくてしょうがない。

 地上整備員が、燃弾を補給して再出撃させるまでのターンアラウンド時間も、知ることができるのでね。

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 Tanmay Kadam 記者による2022-12-23記事「Canada To Pay A Whopping $450 Million Per F-35 Stealth Fighter When Actual Cost Of US Aircraft Is Less Than 100M?」。
    カナダは、16機のF-35を調達するのに、70億ドルを払う、と12-20に報道された。
 単純に割り算すれば、1機が4億5000万ドルか。

 ちなみに昨年公表された米国防省のFY2022の試算では1機がたったの9822万ドル(スペアパーツ代等コミ)だと言っている。この差はいったい何?

 カナダ政府はF-35を活かすためには、国内のデジタル通信インフラを、ハードもソフトも、ごっそりと刷新する必要がある。おそらく、それに必要な全コストが、加算・按分されているのだろうと考えられる。

 なおドイツはカナダほどぼったくられない模様。数週間前に発表された話だと、35機のF-35のために、84億ドルを振り込むようなのだ。1機あたりは3億2500万ドルだ。

 ※雑報。ある母親が娘とともにマジソンスクウェアガーデンのショーを観に行ったら、入場を拒否された。理由は、顔面判別AIが、その女性が某ローファームに属していると判定したため。その法律事務所は、MSG社の親会社を告訴しているゆえ、「敵人」認定だそうである。こんな話もある。2021-5にロスで、白人の顔面と頭髪に完全に化けられるゴムマスクをつけた黒人が30件の押し込み強盗を働いてとっつかまったというニュースあり。ゴムは首まであるので黒人とは判らない。

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 Defense Express の2022-12-23記事「How Many Days Will it Take the russians to Produce One Kh-101 Missile for a New Attack on Ukraine」。
   ロシアは「X-101」系の空中発射型巡航ミサイルを、2-24の開戦いらい、どのくらい製造したのだろうか。
 ウクライナ国防省は、12月初旬までに120基だろうと見積もった。
 ところが、同国防省内部の国防情報部の幹部は、240基だろうとマスコミに語っている。

 3月末にロシアの「ODKサテュルン」社の社長が、500人の工員を新規募集している。この工場では「X-101」用のエンジンを量産している。大増産体制を整えようとしていることは間違いない。

 落下破片のシリアルナンバーから地道な調査を続けている人の結論。
 2018年の第2四半期から、2022-11-23までのあいだに、ロシアの軍需工業界は、402基以上の「Kh-101」空対地巡航ミサイルを製造した。すなわち1日あたり、0.24発を製造するというペースであった。1基が仕上がるのに4日かかったわけ。

 そして、2022年の第2および第3四半期においては、ロシアは「X-101」系の巡航ミサイルをすくなくも52基、量産した。これは、1日あたり0.26発のペースである。1基が仕上がるのに3日を要するわけ。

 ※カラシニコフの軍需工場で「DMG MORI 数値制御旋盤」が稼動している模様が撮影された。

 ※イスラエルのライセンスでロシアが製造している偵察無人機「フォーポスト」は1機が600万ドルする。それを水曜日に撃墜したと宇軍は発表。

 ※ラトビアのドローンメーカーである「アトラス・ダイナミクス」社は来年、ウクライナ国防省と合同で、宇国内に工場を建てる。そこを実戦テスト拠点にもする。同社は自社製品の「アトラス・プロ」というクォッドコプターを75機、2023-1に寄贈する。

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 2022-12-22記事「GE Hitachi submits generic design assessment application in the UK for BWRX-300 Small Modular Reactor」。
    GE日立核エネルギー会社(GEH)は、英国実業エネルギー&工業戦略省から受注した小型モジュール原子炉「BWRX-300」を納品した。

 このモジュールはカナダのオンタリオ発電会社も採用しそうだ。早ければ2028年に。

 ポーランドも2029年までにこれを採用しそうである。他にはチェコとスウェーデンも可能性あり。

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 Doug G. Ware 記者による2022-12-22記事「National Guard airmen brave temperatures near minus 80 to rescue broken cargo plane at South Pole」。
    南極点には「アムンゼン・スコット基地」があり、物資補給には、橇履きの「LC-130」が飛んでいる。
 その1機の、水平尾翼を動かすケーブルが、11月、着陸後に切れてしまい、修理しなければ離陸ができなくなった。
 そこで州兵空軍が支援のLC-130を飛ばして修理したという話。

 南半球は今は夏シーズンなのだが、南極点は標高が2800mもある(うち2700mは氷の厚さ)。だから修理作業は凍傷リスクとの闘いだった。また新コロのウイルスを基地環境に持ち込まないように支援隊は狭い倉庫に隔離されるしかなく、参った。

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 Chris Gordon 記者による2022-12-22記事「Air Force Conducts ‘First of Its Kind’ Combat Refuel of CENTCOM Drone」。
   実戦任務中のリーパーに「HC-130J Combat King II」から空中給油。対ISの活動を継続中のセントコムが実施した。

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 Joseph Trevithick 記者による2022-12-22記事「China’s Naval Mothership For Aerial Drones Looks To Be Operational」。
    中共海軍は、双胴型の小型空母を、実験練習艦隊に編入し、それを「洋上基地」として、無人機のスウォーム運用および、それからの防護法を、研究しつつあり。
 この艦は2021-5に進水した。

 CCTVでも宣伝されているのだが、興味深いのは、この「空母」の現在の全姿は秘匿されている。公表されるのは、常に、前甲板(飛行甲板)の一部だけなのだ。

 いまのところ、この「空母」からは、バートル型、すなわち前後タンデム2軸の無人輸送ヘリをいちどに多数、発着させている。

 その無人機の名称は不明だが、おそらく「ZC アヴィエーション」社の「ZC300」の派生モデルであろう。
 このメーカーのウェブサイトは2020年から更新されていない。海南島の熱帯海洋大学との共同開発らしい。

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 Seth Robson and Hana Kusumoto 記者による2022-12-23記事「Missile plan gives Japan, US clout over Chinese navy, expert says」。

  陸自はトラックからSM-6を運用するだろうという予想あり。
    レイセオン社は同社のウェブサイトの中で、自社製品のトマホーク・ミサイルは1000マイル飛翔し、敵の厳重な防空網を突破して正確に命中すると宣伝している。水上艦または潜水艦のどちらからでも発射できる。

 もうひとつの日本の「12式」の改造ではレンジは600マイルになる。