ザポロッジアで露軍のパンツィールが味方の「カモフ52」を撃墜した。

 21日の速報。

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 George Friedman 記者による2022-12-20記事「The Effectiveness of an Air War」。
    非核の空爆によって敵国の工業生産を破滅させようとするのは、しばしば、難しい。
 ドイツに対する戦略爆撃を終戦直後に徹底調査したUSSBSの結論によると、ドイツは爆撃されているあいだにむしろその軍需生産を増加させた。

 猛爆撃を受けた都市住民は、どう思うか? 酷い空襲の次には、もっと酷い平和がやって来るに違いないと、当然に想像する。だから空爆を仕掛けてくる敵陣営に対する抗戦意志が消えるようなことはない。

 ロシアは、絨毯爆撃では効き目がないのだとこれまでに学習している。しかし戦争中は、地上で「高価値目標」が今どこにあるかを教えてくれるスパイたちの報告が、ますます当てにならなくなる。このためけっきょく、盲爆になってしまう。「シャヘド136」という、よく当たる特攻ドローンが使えるのに、それを活かせない。

 しかも巡航ミサイルやドローンが、防空兵器によって普通に落とされるようになりつつある。2003年のイラク軍のようではなく、1944年の英軍のように、防空陣が有効だ。

 陸地を支配できるのは、地上部隊である。ドローンが味方地上部隊に密接に直協できるなら有利である。しかし地上の敵情報を得てから、その敵を味方ドローンで攻撃させるまでの、情報処理と指揮通信連絡上のギャップがあって、密接な直協がむずかしい。

 ※ジョージ・フリードマンは、空爆とかドローンだけでは戦争に勝てないと指摘している。それは正しい。同時にフリードマンは、米国の対日戦とベトナム戦争中の航空機による機雷敷設が、相手をどれほど窮地に追い詰めたかを意図的にスルーしている。自説を補強しないケースだからだ。コソヴォ紛争中のNATOによる変電所空爆(良導性のファイバーを撒き散らす特殊弾薬使用)は効果的だった。が、そのあとの、他の目標への空爆が、非効率的であった。ロシアの弱点は鉄道線路である。それは地上スパイからの位置報告など必要としない既知目標である。鉄道線路は爆破されてもすぐに復旧するが、安価なドローンで執拗に小破壊を繰り返すことも、これまた可能なのである(ノルマンディ上陸前後の現地鉄道は連日の空爆によって期間中まったく使用不能にされていた)。その用途のための最適スペックを有する特攻ドローンを西側諸国がこれまで量産してこなかったことが、あまりに迂闊だと言わねばならないのだ。

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 Erik Lin-Greenberg 記者による2022-12-20記事「The Dawn of Drone Diplomacy」。
   トルコとイランは、いまや、各種軍用ドローンを売ったり供与したりすることで、その国境をはるかに越えた強力な外交パワーを発揮しつつある。
 「シャヘド136」欲しさに、プーチンはイランに叩頭するほど。

 そうしたドローンを開発し量産しストックしていたかどうかで、中小工業国の価値と評価が躍進するのである。

 米国は同盟国をせかして、反米陣営のドローンに対抗できるドローンの開発と量産を積極的に促さねばならない。

 イランは、タジキスタンとベネズエラに、ドローン工場を建設してやる。
 トルコは「TB2」工場をウクライナ国内に建ててやる。
 いったんこの関係を築けば、その相手国は将来にわたって、各種兵器商品の上得意となってくれるはずだ。

 トルコはアゼルバイジャンにドローンを売ることで、自国がバクー油田にアクセスしやすい環境を整えようとしている。
 イランはフーシやハマスにドローンを売ることで、サウジやイスラエルを弱らせることができる。

 ドローンの売り手は、ついでに、いろいろな外交要求ができる。
 トルコはUAEに20機のドローンを売った。そして今、ドバイに住んでいる某トルコ人やくざがしきりにトルコ政府批判をSNSにUpするのを、UAE政府をしてブロックせしめている。

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 Hlib Parfonov 記者による2022-12-14記事「Russia Struggles to Maintain Munition Stocks (Part Two)」。
  2014年から2021年にかけて、ロシアの軍需工業は152ミリ砲弾を350万発製造したと見積もられる〔他の口径もすべて152ミリに換算して?〕。その総重量は17万7000トンである。

 また2014年から2021年にかけて、多連装ロケット砲弾は、概算だが、6万6000トンを製造したと見られる。

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 ストラテジーペイジの2022-12-21記事。
    2021年の韓国の武器輸出額は72億ドルだったが、ことしは11月ですでに170億ドルだ。

 10月以降、北鮮の弾薬工場は、24時間フル操業(3交代制)に入った。もちろん休日なし。砲弾類をロシアに売り、かわりに食糧と燃料をもらうためだ。

 搬出経路はシベリア鉄道だと見られる。

 北鮮工場では、過去数年のうちに解雇していた砲弾製造の技能労働者を、3~4ヵ月の期間限定で、再雇用しようとしている。

 ロシアは、北朝鮮の砲弾に関しては、古い貯蔵品を望まない。新品だけを買い取る方針だ。

 12-10に北鮮は、無人機の整備と運用を担任する空軍将校1名を処刑した。4機の無人機がまったく飛ばせない状態であることが、抜き打ちインスペクションでバレたので。しかしその部隊の兵隊によると、軍上層が必要な物資を用意してくれないのでどうしようもないのだと。どうやら機種は、爆装特攻無人機だったらしい。

 ※これはロシアから引き合いがあったのだろう。普通の砲弾だけでなく、巡航ミサイル代わりに使える自爆ドローンも売ってくれといわれた。ところが実態を確かめたら、とても売れる状態ではなかった。商機を逸したわけである。

 北鮮で増えてきたホームレスと浮浪孤児。冬は夕方になると、鉄道の駅に集まってくる。寒さを凌げるスペースがあるらしい。

 12-4に北鮮で鳥インフルエンザが猛威をふるっていることが判明。しかし潰した鶏の肉は普通に売られている。

 両江道では、小学校の校長が、児童の親に「燃料代」を請求する。毎年10月以降。それが払えない学童は、登校ができない。これを苦にして一家四人心中した事件が11-30に報じられた。

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 AFP の2022-12-21記事「Gas Pipeline Fire in Russia’s Republic of Chuvashia Kills 3: Governor」。
   モスクワから600km東でパイプラインが爆発し、火災に。
 「ウレンゴイ~ポマリー~ウジゴロド」パイプライン、別名《友好パイプライン》の修理中の事故らしい。

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 AFPの2022-12-20記事「Moscow says 100,000 IT specialists have left Russia this year」。
   2-24以降、ロシアからはおよそ10万人のIT技師が国外逃避している。
 かれらのうち8割は、ひきつづきリモートで、ロシア国内の企業のために働いている。
 逃亡先は、アルメニア、ジョージア、カザフスタン、トルコ、UAEである。

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 Defense Express の2022-12-21記事「Russia’s Orion UAV Downed In Ukraine: Specifications of the Strike Drone」。
    ロシア製の無人攻撃機「オリオン」。これを2機、ヘルソン郡で撃墜した。

 オリオンの初撃墜は4月に記録されている。

 寸法は8×16m、最大離陸重量1トン、公称ペイロード180kg。
 戦闘行動半径250km。
 滞空24時間可能。しかし兵装は60kg以下に制限される。
 巡航速度は120~200km/時。

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 Jedrzej Graf 記者による2022-12-21記事「Polish Weapons for Korean Vehicles? A Korean Expert: This Could Be a Very Good Idea [INTERVIEW]」。
   『朝鮮日報』の軍事記者にして、韓国の防衛フォーラムの幹事でもあるYong-Weon Yu氏が、『ディフェンス24』のインタビューに答えた。

 韓国は若年人口がシュリンクしつつあり、これから5年で陸軍は11万人に減ってしまう。それで兵器の自動化を進めている。戦車や自走砲が自動装填なのはそのためだ。

 K2PLは、韓国軍の装備しているK2戦車よりも先進的。RCWSとかアクティヴ防禦。

 ヒュンダイロテムとポーランドは、次期主力戦車の開発でも共同できるでしょう。

 ノルウェーはいま、MBT調達はレオ2A7にするかK2にするか、それともMBTをやめてしまうか、岐路に立っていますが?

 ノルウェーは政治的にはドイツと強く結びついていますのでレオ2が優勢。しかしK2はデジタルの上で先を行っているのです。

 韓国軍はハンワ・ディフェンス社製の「レッドバック」IFVを買わないんですか。

 「レッドバック」はオーストラリア陸軍のための特別設計なのです。重いIFVで、単価も1000万米ドルくらいするでしょう。
 砲塔はオーストラリア製で、電装品はイスラエル製。ここが値段を押し上げている。

 もし韓国陸軍で採用するばあいには、もっとスペックを低下させるでしょう。もちろん砲塔は韓国製にするでしょう。それによって取得コストを下げる。

 ポーランド軍は装輪APCとして「ロソマク」を最近使っている。これは「パトリアAMV」の派生品なのだが、技術移転が少ないことにポーランドは不満だ。

 ヒュンダイロテム社は「K806」と「K808」という2種類の装輪APCを作っています。ポーランド軍には8輪型が向いているでしょう。

 ポーランドは米国企業と欧州企業にはいろいろ騙されてきた。最初は、技術移転をしますと調子のよいことを言うのですが、じっさいに国内でその兵器を製造する段になると、なんだかんだと制約がついて、けっきょく、ロクに技術移転してくれないのです。

 韓国が、ポーランド製の武器を買う可能性はあるでしょうか。たとえばMANPADSのピオルン、迫撃砲のRak、ZSSWのような無人砲塔。

 MANPADSについては、韓国にも国産品がありますからねぇ……。
 しかしRCWSはイイかもしれない。
 たとえば韓国製のK-151軽装甲車等に、ポーランド製のターレットを組み合わせてもいいかもしれない。RCWSは韓国が開発してこなかったものなので。

 新世代戦闘機のKF-21を韓国とポーランドで共同開発できんですかね。
 韓国でそれに反対する人はいないと思いますよ。

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 ERRニュースの2022-12-21記事「Estonian-donated sauna, laundry complex arrives in Ukraine」。
    エストニアはウクライナに「移動仮設式サウナ」を、完全対空迷彩網とともに1セット提供した。現地では大好評である。

 この移動にはトラック3台が必要。というのも、サウナの隣を「洗濯場」にする必要があるのだ。入浴中に軍服も洗われるのである。