イスラエルは、M113APCの後継を、8×8の「エイタン」にするつもりだが、その車体供給メーカーとして、米国オシュコシュ社が選ばれた。

 Defense Express の2022-12-27記事「How Ukrainian Aircraft Was Adapted to Fire JDAM-Enhanced Bombs and How They Use It」。
    ウクライナ空軍機がJDAMを投下するとしたらその機体は、ミグ29、スホイ27、スホイ25、スホイ24のどれかに限られる。

 その取り付けの手ほどきは、ドイツのラムステイン基地にいる米空軍州兵の整備兵たちがする。

 JDAMを投下するには、まず、目標物の座標と、それを運搬している飛行機の速度と座標を、爆弾にとりつけた誘導部品に、有線で入力してやる必要がある。それは飛行中にするのである。

 この入力端子がついているパイロンが「LAU-118/A」というパイロンで、通称「スマートパイロン」。すでに「HARM」を投射するために宇軍の「ミグ29」にはこのパイロンの取り付けが済んでいる。その同じパイロンが使える。

 米軍が10年前に開発した、JDAMにコクピットからデータを入力するためのソフトウェアは、運用母機が外国の戦闘機であっても、いっこうにかまわない。そのソフトウェアが入ったタブレット端末とGPS端末とをコクピット内に置けば、準備は済んでしまうのだ。

 しかし、ソ連規格の投下爆弾には、JDAMキットは取り付けられない。取り付けてもまともに機能してはくれない。

 JDAMキットは西側規格の投下爆弾(マーク80系列。500ポンド~2000ポンド)にしか、取り付けられないのだ。そしてソ連規格の戦闘攻撃機には、そもそも西側規格の爆弾が取り付けられない。
 これは難問である。ポーランド空軍の「ミグ29」に関しては、なんとか西側規格の爆弾を運用できるように改造できているが、相当の手間がかかった模様である。

 米国製の投下爆弾には、ソ連規格の投下爆弾にはない、スチールの突起が2つある。それをパイロンの「サスペンション入り結合器」に押し付けるようにして吊下するようになっている。パイロットが投下ボタンを押すと、この結合器内の圧縮バネの力が爆弾を勢いよくリリースする。

 ※爆弾や魚雷が落ちてくれなかったというトラブルはWWII中にはよく報告されていたが、戦後は稀だろう。ただしイスラエルがイラクの原子炉を空襲したときには、やはり不投下故障が起きてしまった。これは難題中の難題と見える。最もシンプルな解決法は、宇宙ロケットの切り離しに用いられている「爆発ボルト」。コソヴォ介入時のF-117には、弾倉内にこの仕組みがあったんじゃないか? 閃光が見えたという謎の地上証言があったように記憶する。戦中の一式陸攻等にも、火工品の小爆発によって確実に兵装をリリースするという工夫はあった筈。

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 Howard Altman 記者による2022-12-27記事「Ukraine Situation Report: Kyiv Struggling To Keep Captured Weapons In The Fight」。
   『ワシントンポスト』が報じた。あまりに大量のBMP-3を鹵獲したはいいが、スペアパーツがないので、それを宇軍は再利用できないでいる、と。

 ※FPV=ファーストパーソンズヴュー によって操縦する自爆式クォッドコプターが「電池切れ近し」のインディケーターがゴーグル下端で点滅するなか、走行中のBMPの後方から追いすがり、開放されている後部ドア内へ突入するかと思ったら、天板上に跨乗している兵隊に向かって衝突する、すごい動画がSNSに公開されている。敵乗員は自動小銃で咄嗟に反撃しているが、当たってないようだ。クォッドコプターが爆装できる炸薬量はたかが知れているから、敵AFVのどこに当てるかは、悩むところだろう。このBMPの乗員は、上空警戒のために敢て寒空の中を、天板上に出ていたのかもしれない。ハッチを開放していたのも、いつでも脱出できるようにとの配意なのかもしれない。

 ある分析者の見積もりでは、2-24いらい宇軍は、かれこれ敵AFVを2000両以上も鹵獲しているという。
 プーチンはじぶんに対するロシア国内のエリート層の支持が無いことを知っているので、その対策に躍起である。いよいよ富豪たちの私有財産を接収し国有化してしまう法案を準備中であるとも伝えられている。

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 Paul D. Shinkman 記者による2022-12-27記事「Putin Turns on Oligarchs to Shore Up Russian Economic, Battlefield Woes」。
    プーチンはてめえの経済的・軍事的大失敗から国民の目を逸らさせるために、かつてプーチン体制に忠実に協力してくれた「成金」たちを国内外で理由もなく次々と暗殺している。この成金たちが頓死したと聞いても大衆は別に何の迷惑も感じない。一方、そのゴシップ感を伴う謎ニュースは、「プーチンが何か国のために《秘密作戦》を遂行中だ」「プーチンは金持ちに対しても厳しい」というメッセージになる。国民が貧窮に苦しむのはプーチンのせいではなく成金たちのせいだったのだという責任転嫁も進む。さらにこれからロシア国内の貧窮度は増すけれども、プーチンに逆らおうとすれば誰でも死あるのみという予防警告にもなる。国外逃亡という消極的抵抗も許すつもりはない。まったく対国内向けの《認知戦》である。

 プーチン政府はいま、「増税法案」を準備中だ。富豪や資産家から財産を吸い上げるつもりらしいが、このために国内を引き締める必要がある。

 この増税案は経済的エリート層からの猛反発を招いている。それは封殺しなくてはならない。ロシア財政の破綻が「待ったなし」に迫っているので。

 ソーセージ製造で巨富を成し、プーチンの侵略を批判していたパヴェル・アントフは、インド東部のオディーシャで誕生日祝いのために宿泊していたホテルの3階バルコニーから投げ落とされて死亡した。これは、理由ある殺人と言える。

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 Matthew M. Burke and Keishi Koja 記者による2022-12-28記事「Japan plans surface-to-air missiles on island east of Taiwan」。
    防衛省は、陸自の与那国駐屯地にあらたにSAMを配備する。台湾から東に70マイルと近い。
 23年度予算案では、駐屯地の東に隣接する土地45エーカーを買収する。閣議は金曜日にそれを了承している。