鐘撞き放題、ただし有料……というニッチ・ビジネスは、どうだろう?

 東北とか北海道は山の中に土地が余っているんだから、そういう山奥に「鐘撞き堂」を置いて、賽銭箱に現金を投入すれば、誰でも1年365日、1日24時間、いつでも何発でも鐘つきほうだいできる――というようにすればいいじゃないか。

 ストレス解消にもなり、インスタ映えもするだろう。アクセス歩道にはソーラー照明を設置するとよい。

 ……というわけでみんな、正月そうそうすまぬが、「カネをくれ!」。

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 Kris Osborn 記者による2022-12-24記事「What it is Like to Fly an F-35: Interviews with Three F-35 Pilots」。
   F-16からF-35に乗り換えたパイロットの感想。
 F-35の搭乗員は、パイロットというより、センサーの監督。

 豊富なセンサー情報を見渡して、次に打つべき手を決める。それが仕事。

 F-16はもちろん、F-22であっても、空対空の戦闘のさなかにこっちがAAMを放った後の面倒な心配事がたくさんある。それは本当に命中したか? 敵の方からもAAMやSAMが飛んできてはいないか? それを避けるためにじぶんは機動しなくちゃいけないんじゃないか? 首をひねって回りを見渡さねば! ……これらの心配事が、F-35の場合、まるで、無用なのである。

 すべて、見えている。肉眼では何も見えやしない距離なのだが、統合センサーの表示パネルが、必要なことぜんぶを明瞭にリアルタイムに教えてくれるのだ。だから、操縦者が肉眼で警戒をしたり、肉眼で外界を確かめる必要がない。こんなに仕事の楽な戦闘機も無い。

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 Peter Aitken 記者による2022-12-30記事「Kremlin showing cracks as Putin fires another general, British Intelligence says」。
   英国防省の情報分析によると、露軍のイェフゲニィ・ニキフォロフ中将が、露軍の西部軍集団の司令官に据えられようとしている。

 ニキフォロフはこれまで、露軍東部軍集団の参謀長であった。

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 Boyko Nikolov 記者による2022-12-31記事「Damages to 16 of 18 Caesar SPHs delivered to Ukraine ? Le Figaro」。
    フランスはウクライナに18両の「カエサル」装輪自走砲を供給したが、はやくもそのうち16両が損耗している。

 故障の理由は露軍のせいではない。砲身内部の耐久性が足らぬために実戦の激しい連射によって焼蝕が進行してしまったのだ。
 『ル・フィガロ』紙12月28日刊号がすっぱぬいた。

 仏軍はカエサルを2008から使っている。砲身は52口径長である。
 ロケットアシスト弾を使うと最大レンジは50km。

 ※ちなみに露軍の新鋭の牽引式152ミリである「2A36 ギアツィントB」榴弾砲はレンジ40km、それより古い「D-30」三脚牽引砲だと22kmである。

 ウクライナは、榴弾砲の修理は自国内で実施したい。いちいちポーランド領まで持ち出したり持ち帰ったりするのでは、その輸送の途中を露軍に攻撃されるおそれがあるので。
 そうでなくても国外整備は時間がかかりすぎるとウクライナ軍は感じている。

 ウクライナ国防相はとうぜん、フランスのルコノー国防大臣に前々から「ルクレール」主力戦車を供与してくれと頼んでいる。
 しかし仏側は、ウクライナ人に新鋭戦車の整備は無理、という理由で拒否している。

 カエサルは、ベースのトラックを6×6にしてもいいし、8×8にしてもいい。デンマーク軍はタトラの815のシャシ(8×8)に載せている(現有19両)。このデンマークが何門かをウクライナに無償提供することを、フランスは許可している。

 あまり報道されていないアイテムとしては、「HDP-2A2」という対戦車地雷を、フランスはウクライナに供与しているそうである。

 ※ウィキによるとこれは自己鍛造弾薬と電子フューズを組み合わせたスマート地雷で、仕掛けて10分後に活性化し、獲物が通りかからなかった場合は30日後に自動で無害化する。仏軍は2006年に40万発も注文した。他にはベルギー軍とノルウェー軍がユーザー。スイスは「対戦車地雷88」の名でライセンス製造している。炸薬3.3kg。地雷の厚さ104ミリ。水深1.5mの水底にも仕掛けられる。

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 2022-12-26記事「German power to the people, trains and stations of Ukraine」。
   ウクライナ国鉄「UZ」は、「ドイチェ・バーン(独鉄)」から、63基の「発電機」をプレゼントされた。
 この発電機、動いている列車の中でも、使うことができる。とつぜんの停電が発生したときに、それによって短時間、車内照明や暖房を継続できるというわけだ。

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 Emma Helfrich, Tyler Rogoway 記者による2022-12-30記事「U.S. Building Advanced Over-The-Horizon Radar On Palau」。
    フィリピンとグァムとニューギニアの中間にあるパラオ諸島。ここに米空軍が、新しいOTH(超水平線)レーダーを建設して、中共軍の動きを見張る。

 レンジが戦略視程ではないので、戦術移動式OTHレーダー、略してTACMORと称する。
 グァム島に近づく物は何でも遠くから分かってしまう。

 建設予算として1億1840万ドルがつけられた。
 完成は2026-6を期す。

 ※中共軍がグァム攻略に資源を集中する気配があるが、米軍はそこから一歩も引く気はない。アプラに碇泊するイージス艦の対弾道弾迎撃機能も強化するようである。

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 ストラテジーペイジの2022-12-30記事。
   スペースX社の新ビジネス構想。スターリンクのような無数(数万機)の小型衛星群に、地上センサーも搭載してやる。そして、そこから得られる全地球規模のリアルタイムの情報を、国家機関に切り売りする。米政府と、同盟国政府の。

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 2022-12-31記事「South Korean National Assembly delegation visited Taiwan: MOFA」。
   韓国の国会議員団が、訪台した。12-28から31日まで。
 台韓友好議員団というのがあるのである。

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 Lawrence Chung 記者による2022-12-31記事「Taiwan’s plan for 1-year compulsory military service includes teaching young conscripts to fire missiles」。
   2024年から、台湾の徴兵年限が4ヵ月から1年に延長されるのにともない、訓練内容を高度化する。すなわち、歩兵銃の操作だけでなく、スティンガーやジャヴェリンも扱えるようにする。

 ※1630年代、すなわち三十年戦争のさなか、スウェーデンのグスタフ2世は、じぶんの歩兵たちに、乗馬して機動できることと、砲兵の代役にもいつでもなれるよう、野砲の操砲までも教え込んでいた。歩兵をマルチタスク化した先駆者である。

 1987年以前の台湾の徴兵は、3年も服務する義務があったので、それにくらべたら緩いものだ。

 新制度にともなって俸給も増額される。今は6510台湾ドルしかもらえていないが、それを20320台湾ドル(660米ドル)以上にする。

 小火器訓練も、たんなる的射ち練習ではなく、彼我近接した市街戦の基本を教える。
 実弾も1年間に800発は撃たせる。

 ※わが陸自も、三曹以上になったら、ただの小銃班員であるとしても、対戦車誘導兵器、対空兵器、ドローン等のうち複数の操作の知識があるようにしておくことは、これからは当然だと思う。ウクライナ人は3ヵ月ですべて覚えたぞ。


(管理人Uより)

 あけましておめでとうございます。

 正月早々ユグドアのご喜捨の送金手続き完了。
 右や左の旦那様、皆様から兵頭二十八先生へのお年玉でございます。

 今年も兵頭二十八ファンサイト半公式をよろしくお願いします。