ポーランドの退役陸軍大将: 「ウクライナ戦争は2023年中に終る。その山場は1月から3月の間に来る」――だそうです。

 ポーランドの国営ニュースがインタビューを日曜日にリリースした。Skrzypczak 大将はポーランド陸軍の元・総司令官である。

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 Defense Express の2023-1-1 記事「Ukraine’s Defense Intelligence See Impact of Economic Sanctions on russia」。
   露軍がウクライナの都市に向けて発射してくる各種のミサイルの残骸調査から、2022年中の第4四半期に製造されたものが即時に発射されていることが分かった。露軍のミサイルストックは涸渇しているも、ロシアの工場での製造は続いているわけである。

 露軍の対地ミサイル発射戦術もやや進化した。一種類のミサイルではなく、必ず、多種類のミサイルを混用するように彼らは意識して気をつけている。自爆ドローン、低速巡航ミサイル、旧式弾道弾、そして新式弾道弾、さらにS-300。

 ※混ぜることによって迎撃をむずかしくできるという意義の他に、ミサイルの手持ちがなくなっていることをなんとか印象上で誤魔化したいからだろう。

 今、ベラルーシの工場も砲弾をフル生産中で、ロシアはそこから砲弾を買っている。

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 Defense Express の2023-1-1記事「All 45 Down: Ukrainian Air Force Reports a 100% Effectiveness Against Shahed Drones」。
   12-31から1-1にかけて夜通し、露軍はウクライナ本土にミサイルを35発、シャヘド自爆機を45機、指向したが、そのうちシャヘドについては、全機をウクライナ軍が撃墜できたという。

 撃墜に貢献したのは米国から供与されたNASAMSだったらしい。

 ※4万ドルのドローン相手に45発もAMRAAMを使ったのかよ。これは「戦場もちこみ試験」だから許される話で、本式戦術として合理的なわけはないだろ。スティンガー・クラスならば400万円以下での量産が可能だから、ギリギリ、許容できる話になる。現状では、ポーランドの国産品がこれに該当する。

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 Defense Express の2022-12-31記事「Wagner Mercenaries Got a T-90M to Use it as a Howitzer, Wrapped the Sight With Wire and Don’t Apply Internal Comms」。
   ワグネルの最新宣伝ビデオ。T-90Mは、安全な後方から、間接照準射撃をするのみ。すなわち、「野砲」として戦車が使われている。「これがいつもの戦法だ」と戦車長も語っている。

 ところが戦車砲を野砲代わりにバカスカ発射しまくることにはひとつ大問題がある。焼蝕がやたら早くなるのだ。
 いざというときに、対戦車射撃の精度が、とても悪くなってしまう。

 ビデオからはもうひとつの意外なことが分かる。戦車長がハッチから身を乗り出して無線を使っているのだが、それは戦車固有のマイクではなく、歩兵用のハンディートーキーだ。つまり彼らのT-90Mには無線機が装備されていないのか故障しているのか、はたまた、戦車と歩兵のあいだの通信は装備の相性が悪いのか、いずれかだ。

 製造されたばかりのT-90Mを正規軍ではなくワグネルが取得するというのも奇妙な話だが、これはワグネルの政治的な地位が高い故なのであろう。プリゴジンがウラルヴァゴンザヴォドに電話すれば、最新の戦車を貰えてしまうのだろう。

 ※あたらしい「戦車用の榴弾」の開発が必要だ。発射するときには、低圧で低初速。砲口を出たあとでロケットアシストされるもの。これならば腔内エロージョンは起きない。無尽蔵にこころおきなく戦車を「野戦榴弾砲」か「重迫」の代わりとして活用できるようになる。125粍径で量産すれば、おそらくウクライナ軍が貰って最もうれしい弾薬になるはずだ。というのは、修理できずにもてあましている2000両の鹵獲T-72を、エンジンをとっぱらって、台車に載せて、農業トラクターで前線までひきずっていき、戦車壕を掘って半分埋めれば、そのまま「屋根付きの牽引野砲」に再生転用できるからだ。壕に傾斜をつけておけば、仰角60度くらいで楽々と射撃ができる。

 ※リアクティヴアーマーがじっさいに機能した写真というのはなかなか無いのだが、ポーランドが寄贈したT-72のERAがはぜた跡の写真がSNSに出ていた。砲塔には別に被弾の様子はない。何に対して反応したのかは、その写真からは、わからない。

 ※UAEのメーカーがトヨタのランクル車体をベースにした軽装甲APCを「パンテラT6」の名で製造販売しているのだが、それが緑基調のデジタル迷彩に塗装されてトレーラートラックに積載されてウクライナへ搬入されている写真がSNSに出ている。だれが調達して寄贈しているのかは不明だそうだ。

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 2022-12-29記事「Gazprom Exports to Europe Nearly Halve in 2022」。
    水曜日にガスプロムが公表した数値から、2022年の同社の天然ガス輸出は、2021年に比べて量が半減したことが分かった。

 ロイターの解説。ソ連が崩壊した1991以来、過去最低の輸出量となった。2022年のガス輸出は。

 ロシアから西欧へのガスの流れがゼロになっているわけではない。ウクライナ領土経由のパイプラインと、トルコ経由のパイプラインは、まだ機能しているのである。

 そして世界市況がエネルギー高になっているおかげで、ガスプロムの「稼ぎ」は却って増えているのである。
 今後は輸出相手として中共の割合が徐々に増えるであろう。

 ※雑報によるとドイツは2022-8-11以降、ロシアから石炭を輸入していない。またロシア産天然ガスの輸入量は、2022年中に半減した。ロシア産石油の輸入量は、22年末までにゼロになった。

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 APの2022-12-31記事「Iran tests drones in military drill near Strait of Hormuz」。
   日曜日、イランはホルムズ海峡で演習を実施し、新型の先尾翼形の自爆ドローンの命中ビデオを公開した。「アバビル-5」という製品だ。

 船舶の上からロケットで射出する。洋上を、片道400km飛行してから、陸上の建物標的に突入したという。

 イラン国内の騒擾。人権団体によれば、これまで抗議者500人以上が殺害され、逮捕者は1万8500人以上だという。