英政府は、「チャレンジャー2」主力戦車を宇軍に供与せんとす。

 Deborah Haynes 記者による2023-1-10記事「UK considering supplying Ukraine with Challenger 2 tanks to fight Russian forces」。
 10両を送るそうである。それで「1個スコードロン」分になる。そして英政府は、他の西側政府も、この流儀で主力戦車をウクライナ軍に与えるべきだろうと説く。

 ※とうぜん日本からは「90式」を12両(3個小隊分)くらい、出してやりたいところだが、あの7.62ミリ同軸MGあるかぎり、ダメだ! あれはFNに現地換装しないと。欧州にはMGの中古市場があるから、早手回しに確保すべし。それが面倒な話になりそうならば、いっそ、鹵獲T-72の同軸を取り付けてもらうのがいい。

 英政府内でのこの検討は3週間くらい前から始まっていたそうである。未だスナク内閣の最終決断にまでは達していない。

 今や最大の関心事は、ドイツ政府が「レオ2」供与に同意するか否かになった。ドイツ政府が承認しないと、他国が勝手に手持ちの「レオ2」を移転させてやるわけにはいかないのだ。

 スナク内閣が閣議決定すれば、それがドイツ政府の背中をドンと叩くことになる。

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 ブルガリア軍事ニュースの2023-1-9記事「Sweden intends to supply 155mm Archer artillery systems to Ukraine」。
   スウェーデンは、高度に自動化されたトラック車載の高性能155ミリ榴弾砲である「アーチャー」をウクライナへ供給する気だ。
 スウェーデンの首相いわく。供給することじたいは既に決定事項。あとは「いつ送るか」だけ。

 スウェーデン軍の装備数は48両である。

 砲身は52口径長。
 車体はヴォルヴォの「A30D」がベース。6×6だ。

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 Defense Express の2023-1-8記事「American “Drone Killers” Vampire Systems Turned Out to Be Further from Ukraine Than Expected」。
  「L3 ハリス」社の仕事がモタついており、ピックアップトラックの荷台からレーザー誘導の安価な70ミリロケット弾を発射して目視距離内のドローンを撃墜できる「ヴァンパイア」システムはさらに今から数ヵ月後でないとウクライナへの搬入は始まらないという。

 14セットをウクライナに援助すると米政府が公表したのが2022-8-24であった。

 11月前半でもまだペンタゴンとメーカーとの間の契約が済んでおらず、その契約にさらに数ヵ月かかると報じられた。そこからの生産開始だから、早くても最初の4台の搬入は2023年の半ばである。残りの10台は年末だという。

 じつはこのシステム、まだ試験すら全部済んでいなかったのに、あたかも完成品であるかのように吹聴して国に売り込んでいたようだ。

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 2023-1-9記事「Great Britain: Russian Federation uses the Su-57 in the war with Ukraine」。
   英国防省いわく。露軍はスホイ57をウクライナ戦線へ持ち出している。遅くとも2022-6から。
 ただしウクライナ領空へはまだ侵入させていない。

 ロシア国防省としては、この機体の海外での評判に傷がつくことを極度に恐れており、それで、前線へは飛ばさないのである。

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 Alessandra Scotto di Santolo 記者による2023-1-9記事「Putin warned Russia’s only aircraft carrier in ‘state of emergency’ and about to sink」。
   ながらくドックで修理中の露空母『アドミラルクズネツォフ』だが、このほど、ドライドックから追い出して、別の修船ドックへ移動させようとした。そのさい、この軍艦は「自航」ができない状態であることが判明した。
 何隻ものタグボートで移動させようと図ったが、無理に乾ドックから出せば、横転する危険がある、と。

 ダイバーが潜水調査したところ、この空母の第三デッキに酷い腐食がある。ホールド(甲板下の倉庫)は泥水が満水状態で、艦内からは調査もできない状態だという。

 ※ちょっと意味がわからない。何年も乾船渠内にあるのに、どうして下層デッキに泥水が満ちているのだ? そもそもドライドック内に海水を満たしたまま?

 この空母は2017からオーバーホールを始めているが、2019-12に火災を起こしたため、2022修理完了だった予定が大幅に狂った。

 ※昨年12月20日におけるロシア国内の自動車市場。中国製の乗用車「Exeed LX」は3万ドルくらいの大衆クラスだが、ロシアのディーラーはこれを600万ルーブル=9万ドルで売っている。これは開戦前のメルセデスの値段に等しいという。しかし他に選べる車種がなく、ロシアの消費者は今やそれを買うほかにないという。このままではロシアは、中国製消費財の植民地市場におちぶれる。これが、西側の経済制裁の効果だ。

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 2023-1-9記事「Raytheon wins award for gallium nitride technology maturation」。
   ガリウム窒素は、それを半導体に使うと、小型軽量省電力にて高周波信号を増幅できる。レーダーの性能を高めてくれる筆頭選手だ。

 ペトリオットからSPY-6まで、レイセオン社はGaNチップに頼りまくりである。そこで同社は、ファウンドリーの規模を拡張し、自社内で一層、チップを自給できるようにする。

 工場はすでにマサチューセッツ州のアンドーヴァー市のある。ミリタリー・グレードのGaNチップを製造できる。

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 Matthew M. Burke and Keishi Koja 記者による2023-1-9記事「Japan plans new supply base near Kadena Air Base and Camp Courtney」。
   陸自は、米空軍嘉手納基地と、海兵隊キャンプ・コートニーに挟まれた訓練場地に、新規に補給基地を設ける計画。
 池原地区。

 訓練場は、倉敷ダムの近くで森林帯。外柵で結界されており、一般人は立ち入りできない。

 訓練場内には実弾射爆場もあり。

 ※ということはそこにはもう小型弾薬庫があるのかもしれないね。うまい所を探したもんだ。

 陸自はそこに、陸自用の燃料と弾薬を貯蔵し、南西諸島作戦に遺憾のないようにする。

 この計画は2022-12-16に文書で公表されている。統幕長は、よしだ・よしひで大将。統幕のスポークスマンいわく、九州の目達原の弾薬庫が最前線からは遠すぎるのである、と。

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 Kelly Agee 記者による2023-1-9記事「Four-nation paratrooper jump carries on New Year tradition east of Tokyo」。
    陸自の空挺団の降下初め。今回は第82空挺師団の第三戦闘旅団長のテイラー大佐が最初に飛び出した。彼の99回目のジャンプだという。

 米陸軍の他、英第16空挺旅団と、豪州軍パラシュート学校の落下傘兵も、今回の習志野の訓練に付き合った。四ヵ国連合空挺降下。

 テイラーいわく。米本土の降下訓練場は何もない平らな地面がどこまでも広がっているだけ。景色に変化がない。日本では山と海と大都市圏を空中から一望できるのが得がたい体験だ。

 自動開傘の者たちは高度1100フィートから。フリーフォールの者たちは高度5500フィートから。

 米軍と陸自の空挺隊員は、日曜日早朝にヨコタで最終検閲。そこから米空軍のC-130Jと空自のC-130Hに搭乗。

 空自は、C-2とCH-47JAも飛ばした。

 兵隊は着地の瞬間、両足を揃える。目は、必ず地平線を見る。

 最後の兵が着地しおわると、四国兵たちは空挺マークのピンバッヂ(徽章)を交換し合う。

 テイラー自身は、イスラエル軍とカナダ軍のジャンプウイング徽章をすでに集めており、これに日本軍のものが加わった。「いつでも正装したときにはこのバッヂをつけていいんだぜ」とテイラー大佐。