露軍が雇ったセルビア人傭兵がまもなくザポロッジア戦区に投入される。

 Sakshi Tiwari 記者による2023-1-16記事「‘Buy Back’ Cheetahs! German MP Wants To Recall Gepard Anti-Aircraft Guns From Qatar & Divert Them To Ukraine」。
   ウクライナの都市防空を強化するため、元独軍参謀にして現国会議員(所属政党はCDU)キゼヴェッターは提案する。カタールへ売った「ゲパルト」対空戦車×15両を買い戻せないか、検討すべし、と。

 カタールには当面、経空脅威は無いし、そこの「ゲパルト」のコンディションはとても良好なのだそうだ。

 1-14に露軍は、「ツポレフ22M3」から5発の「Kh-22」空対艦ミサイルを発射し、ドニプロのアパートを直撃。数十人を殺している。

 なおドイツは、ゲパルト用の35ミリ弾薬の増産もする計画で、2023年の6月から7月にかけて、30万発をウクライナ軍へ提供できる見込みだ。

 ゲパルトはすでに30両が引渡された。
 2022-12の独政府の発表ではさらに7両が追加される。この7両は、鉄屑5分前という状態のものだったが、ミュンヘンのクラウスマッファイ工場で大修理し、2023春には送り出すつもり。

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 Ashish Dangwal 記者による2023-1-17記事「Russia Using ‘Mighty’ S-400 Air Defense Missiles To Strike Ukraine; Kyiv Helpless Against Ballistic Missiles ? Spokesperson」。
   露軍の「S-400」は、対空射程が400kmもある。これをいよいよ露軍は対地攻撃に転用し始めた。

 ちなみにSS-26「イスカンデル」は射程500km、弾頭重量500kgだが、残弾があと100基くらいしかなくなっている。

 「Kh-22」空対地ミサイルも、まだ100発ほどあるだろう。

 1月14日にキーウに着弾したミサイルは「S-400」だったと信じられる。発射地点はベラルーシのジャブローカ飛行場。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-1-17記事「Monthly Russia produces more shells than US produces 155mm shells」。
    ロシアは、地対地ミサイルについては、北鮮ならびにイランから少し買い付けることができているようだけれども、砲弾については、まったく外国からは輸入ができておらず、すべて国内で製造するしかないというのが現状だ。

 そして、1ヵ月間に製造できる砲弾の数量では、ロシアは、米国を上回っているという。

 RIAノヴォスチは、特に根拠は示さずに、ロシアの砲弾製造能力が米国の数倍あって、何の不安もないと宣伝に努めている。

 砲弾も製造しているカラシニコフ・グループは、2022年にその製造能力を40%増やしたという。

 プー之介が国内軍需産業に増産を命じたのは2022-9だった。その時点で彼は長期戦の肚を括ったわけだ。
 この命令は、労働時間の延長と、納期の短縮を、同時に求めていた。

 2022年の最後の3ヵ月、ロシアは「スホイ30」「スホイ34」「スホイ35」をコンスタントに新造した。「スホイ57」のためには新工場も建設するという。戦車の製造・リファービッシュも継続している。
 つまりどうやら物資はあるらしく見える。唯一、人が足りていないのが、隠せていない。

 いまや工場に、囚人が動員されていると、西側メディアは報じている。

 ※プリゴジン部隊から、60日間生存して晴れて解放された元囚人兵たちが出ましたよという報道。これを見て『バトルランナー』(The Running Man、1987、シュワルツェネッガー主演)を思い出した人は多いんじゃないか? 西側メディアが生還者本人にインタビューして、リアルな話を聞き出さないうちは、何も信じない方がいいだろう。

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 Defense Express の202-1-17記事「Russians Want to Produce the Tu-214 Passenger Aircraft And the Tu-160M Strategic Bomber At the Same Plant to Keep Shelling Ukraine」。
    カザン航空機工場は2022年、初めて「ツポレフ160M」戦略爆撃機を2機、組み立て、納品した。そのうち1機はソ連時代のストックパーツを加工した手作りだという。

 この工場では生産力を拡張する計画を立てていたが、数年かけて、けっきょく目標の4割しか、拡張ができなかった。

 2022-1にこの工場は、ロシア国防省に対して「罰金」54億ルーブルを納めさせられた。約束の期限までに「ツポレフ160M」を納品できなかったのだ。

 そのうえ2022-4にロシア政府は、カザン航空機工場に対し、年産10機の「ツポレフ214」型旅客機も製造せよ、と命じた。

 このムチャクチャな「命令経済」は機能せず、民間機製造を急に押し付けられたことで、カザン工場では戦略重爆の量産に却って支障を生じたのである。

 ちなみに「ツポレフ214」は、電波傍受偵察などの軍用ISR機に仕立てられる場合もある。

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 2023-1-16記事「Russia begins creating guardhouses for mobilized soldiers」。
    露軍の新兵教育センター内に「営倉」がしつらえられるようになったという。脱走を図ったり、酔って暴れた者を、反省させるため閉じ込めておく牢舎だ。

 のみならず「野戦営倉」というものができたという。
 これはヴァンやコンテナーや民家の地下室を、臨時の牢舎にして、主に、持ち場を放棄した兵隊を閉じ込める設備だという。

 他方で露軍は、まともな兵隊を窓や換気口のない地下室に入れてはならないという命令も出している。

 青天井の塹壕ならば、配置を強制してもよい。戦車の内部にとどまることも、強制してよい。

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 Defense Express の2023-1-15記事「The British Took Lessons From the War In Ukraine to Effectively Operate Apache Helicopters On the Battlefield」。
    英陸軍はアパッチを見捨てていない。「タロン・ガーディアン」という最新の演習で、早くもウクライナの戦訓を取り入れた工夫を試しているという。

 ぜんぶ、流儀を見直す必要がある。
 飛び方は、地形に隠れるようにすることを徹底し、とにかく、モサモサ飛ばない。急速第一に進退すべし。
 給油のための着地点選びでは、敵ドローンに見つけられないことを最も重視する。
 無線通信は、ぜったいに敵に聞かせてはならない。

 前線よりさがったところで整備するにつけても、その場所が、敵ドローンから見られるようではダメだ。
 また、敵の長射程地対地ロケット弾が届く位置でもダメだ。

 飛行場での整備などもってのほか。ヘリコプターが地上にとどまることを余儀なくされる場所は、徹底的に分散し且つ秘匿せよ。

 ※この記事は何ゆえか、アパッチの高性能センサーを強みとして活かすには夜戦に撤するのがよいという結論をぼやかしている。その場合の自戒ポイントは、昼間に敵のミサイルが届く場所でのんびり休憩や整備なんかしてられないんだぞということ。

 ※それにしても、昼間のAHの活動はもはや無意義だと言っているに近い。教訓を検討した結果がコレだとすると、攻撃ヘリの未来は、やはり暗い。ひょっとして『デイリー・ミラー』紙の飛ばし記事は、現場の本音――アパッチはもうダメだ――を聞いてしまったことから空想されたのではないか?

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 Defense Express の2023-1-17記事「Russians Want to Weld Metal Cages For Their Tanks Again, But This Time Everything Will Be Done “Differently”」。
    露軍の戦車が、「屋上屋」の金属製のバリアー架設を復活させつつある。これは、宇軍がドローンから投下する小型擲弾や、自爆衝突型の低速ドローンに対しては、依然、防御方法として、有効だと考えられるため。

 しかし、初期の「かつぎ型バーベキューグリル」は、乗員の脱出の妨げになってしまうとか、戦車の無線アンテナが機能しなくなるなどの障碍があって、不評であった。そこは克服されたのか?

 ※なぜ金属にするのかが謎だ。漁網のような素材にしておけば、アンテナ性能には干渉しないはずなのに。

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 2023-1-17記事「Blocking radio waves and electromagnetic interference with the flip of a switch」。

   ドレクセル大学の工学カレジが、斬新な断電波フィルムを開発した。スプレーによって二次元面に構成できる。そして電気スイッチを介して乾電池から給電させることにより、その薄幕によって、EMPを遮断できるという。名づけて「MXenes」。

 もちろん、特定の電子機材から電磁波を漏洩させぬためのフィルムとしても使える。
 フィルムの厚さは、髪の毛の30分の1。
 スイッチによって、膜は、いつでも電波を通す。遮断するかしないか、随時に選べる。

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 AFPの2023-1-16記事「Riot at Chinese-funded nickel plant in Indonesia kills two」。
   インドネシアのスラウェシ島にあるニッケル精錬工場。そこで労働環境をめぐって暴動があり、支那人1名を含む2名が殺された。中共資本の工場。

 ※CCTVが、米軍哨戒機に対するスクランブル用戦闘機には、飛行課程を卒業したばかりの新人パイロットを乗せているという宣伝ビデオを17日に放映した。これは「空中衝突してもそれはパイロットが未熟だから」という言い訳を事前に提示しているわけで、連中らしい「脅迫」のつもりなのであろう。

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 Emma Helfrich 記者による2023-1-16記事「Navy’s Huge Expeditionary Sea Bases Could Become Drone Motherships」。
    巨大タンカーを改造して、浮かぶ前方展開基地としてある特殊艦がESBである。フラットデッキ付きなのでVTOL機も発着できる。このたび、GD社の子会社の造船所NASSCOが、それをさらに改造して、UUV母艦にする。

 艦底に穴を設けて、そこからUUVを次々に発進させ、また回収もする。UUVはロータリー型立体駐車場のようなメカで格納される。

 運用するUUVのサイズは、魚雷サイズよりももっと大きい。ボーイングの「オルカ」のサイズ。

 大昔、『グロマー・エクスプローラー』号で、沈没したソ連潜を回収しようとしたときに、近くのソ連の飛行機や船舶から見られただけでは何をやっているのか全く知られないように、船の中央部の底から深海探査機を出し入れするようにした。この設備は「ムーン・プール」と呼ばれた。
 秘密作戦用としてとても便利なのだが、海が荒れたときに、この船底開口部はどうしても危険な弱点になる。そこをどう克服するかが設計の上での課題だった。

 ロータリー弾倉式の収納方式は、それに対する答えなのである。

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 Frank Andrews 記者による2023-1-16記事「As champion of force-on-force training with US Marines, Japanese colonel paid ‘political’ price」。
   2021年の「しんか」演習。富士のFTCの長であった「こんどう・りきや」大佐(退役)が、隣接する米海兵隊キャンプ・フジの長と調整して実現させた、初の、日米の部隊対抗演習であった。

 その1年後に「しんか」の二度目の演習がおこなわれたが、すぐにコンドウは退役となったのである。コンドーの熱心さが、陸自の上司たちから忌避された。「しんか」について左翼が嗅ぎつければ、いくらでも政治的な騒ぎになるからだ。

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 ストラテジーペイジの2023-1-17記事。
   マクサーは2017いらい、世界最大の衛星写真販売会社だったが、半官だった。それが2022-12に、完全に民間会社になった。米政府の持ち株を、米国拠点の投資会社アドヴェント・インターナショナルが買い取ったのだ。これで同社の経営は一層、フレキシブルになる。

 ※昨日のSNSに、ドンバスで撮影された露軍のガレージ内部映像(長尺)があって、露兵の背景に複数のT-90が格納されているのが映っていた。しかもGPS座標がバレているとかで、投稿者はその座標まで書き添えて、興奮した調子でハイマーズで撃てと煽っていた。明らかに、怪しい。もし何も確かめずにその座標へHIMARSでも発射したら、現住民間アパート等を直撃するように仕組まれていたのではないか? 続報がないところをみると、けっきょく、手のこんだ情報工作だったかと疑われる。米軍もそんなのにひっかかるほど馬鹿じゃないだろう。

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 Jennifer H. Svan 記者による2023-1-17記事「Air Force sends Germany-based jets to Okinawa as it retires older aircraft」。
   ドイツのシュパングダーレム空軍基地から、米空軍のF-16C(第52戦闘機ウイング所属機)が1機、嘉手納に飛来した。16日。

 さらに飛来は続くはずだがその機数や期間について米空軍は公表はしていない。
 なお米空軍の戦闘機は、欧州では、英国とイタリアにも駐留している。