マクロンはフランスの国防費を倍増する。

 2019~2025の仏国防費は2950億ユーロだったが、これを2024~2030には、4130億ユーロにする。
 2030年には、国防費は650億ユーロになるであろう。これは2017年の倍に近い。

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 AFPの2023-1-20記事「Estonia Ups Ukraine Military Aid to Over 1 Percent of GDP」。
   エストニアは、そのGDPの1%以上もの思い切った支援を、ウクライナに届けるつもり。
 3億7000万ユーロ相当の軍需品を用立てる。

 エストニアの人口はたった130万人である。

 ※雑報によるとフィンランドは4億ユーロの軍事援助をウクライナに提供する。内訳は秘密にされているが、重火器類が含まれている。

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 SEVIM DAGDELEN 記者による記事「German tanks against Russia? A historic mistake」。
   ショルツが恐れているのは、ロシア国内でのドイツのイメージだけが急激に悪化させられること。

 もし、レオ2がM1に先行して大量に宇軍へ供給されるとどうなるか? 露軍はもちろんタジタジとなるだろうが、それがくやしいものだから、ドイツだけに的を絞った「ナチ非難」にドライブをかけるのも必定である。それがドイツ政府にとっては大迷惑なのだ。

 米政府が大量のM1をウクライナに供給すると先に決めるなら、それに歩調を合わせてもよい。ロシアの悪宣伝も、その場合はドイツだけを悪役イメージに仕立てることはできないから。

 M1と同時の供給に限ってレオ2供与も可能だというドイツ政府の意向は、『ポリティコ』紙が伝えた。

 ではなぜ米国はM1をさっさと供給しない?
 その整備がウクライナでは不可能だと判断しているのだ。
 象徴的な少数のM1の供与なら、あり得るが、大量には無理。

 西側製戦車の大量の供与のおかげで露軍が総退却したとする。おそらくロシアはくやしまぎれにドイツを核攻撃したいと思う。そこも考えないわけにはいかない。

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 Daniel Davis 記者による20223-1-20記事「Giving Ukraine Modern NATO Weapons Is No Game Changer」。
   ホンモノの海外戦争に戦車部隊を率いて作戦させた経験のある将兵/元将兵は今日、米国内には、すくない。
 そのため、ビデオゲームの皮相的な知識だけで戦場を想像している者ばかりだ。

 戦車(のみならず装甲車、野砲、SAM、戦闘機)を、戦場で機能させるのは、簡単なことじゃない。それがカタログスペックを裏切らぬパフォーマンスをちゃんと示してくれるのは、次の条件が前提だ。
 ユーザーがその用法について十全に訓練されていて、経験もあること。
 燃料と弾薬が最前線まで絶え間なく推進補給され続けること。
 整備が正しく行なわれていること。また日常的に整備が行なわれていること。

 乗員各個人、戦車小隊(3~4両)、戦車中隊(3~4個小隊)、戦車大隊のすべてのレベルで、しっかり練成ができていること。

 今のウクライナ軍にこの条件が、あるわけがないのである。
 そこに高性能なオモチャだけを送り込んでも、すぐにスクラップになるだけ。ゲームチェンジャーにはなり得ないと思って可い。

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 2023-1-20記事「US urges Latin American countries to supply arms to Ukraine」。
   米軍の南方コマンド(中南米担当)は、ラ米の6ヵ国に対して、それぞれ手持ちの旧ソ連系の兵器・弾薬をウクライナへ供与するように呼びかけている。供与した分は、米国製の兵器で穴埋めしてやるから、と。

 たとえばペルーの持っている「ミル17」ヘリコプター。
 他に、メキシコ、アルゼンチン、コロムビアも。
 ブラジルは「ミル35」ヘリコプターを持っている(AH-2と改称している)。

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 Robert Preston 記者による2023-1-19記事「Cooperation agreement signed for Poland – Ukraine high-speed line」。
    ポーランドのCPK=ソリダリティ・トランスポート・ハブは、UZ=ウクライナ国鉄と、合意文書に署名した。1435ミリの標準軌の高速鉄道を、ワルシャワ~リヴィウ間に建設することで。18日。

 この件についてはワルシャワで合議が重ねられていた。

 ワルシャワ郊外の新空港に接続している「ワルシャワ~ルブリン」新線を、ウクライナまで延長する。
 列車の最高時速は250km/時になるであろう。

 1-18には、ウクライナとルーマニアの鉄道も1本、直結した。ただしこちらは1520ミリ軌間である。ラキウ駅から、ヴァレ・ヴィセウルイ駅まで。15年間、廃線だったのを、改築した。もっか、1日2列車が走っている。※写真を見ると単線だ。

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 2023-1-19記事「Freight train with 22 wagons derails in Eastern Russia」。
   ロシア東部にて、貨車22両編成の列車が脱線。トランスバイカル鉄道。
 怪我人は出ていないという。

 場所は、ジキタンダ~タリダン区間。時刻は1-18の朝7時38分。
 現場は中国国境に近く、夜間はマイナス46度まで下がるところだという。

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 SABINA NIKSIC 記者による2023-1-20記事「Bosnian war survivors share endurance hacks with Ukraine」。
    1990年代、ボスニアヘルツェゴビナの住民は、外界からのエネルギー供給をかんぜんに遮断されていたので、「小型発電装置」をなんとしても自作する必要があった。
 その経験を今に活かすべく、伝授して進ぜる。

 当時は参考文献が得られず、参ったが、なんとか、「筏にとりつけた水車」をドリナ河に浮かべて発電機にすることができた。その筏は、空き樽とロープで位置を固定したのである。

 これらの「ミニミニプラント」が起電した電力は、太いケーブルで、橋に集める。そこからこんどは細いケーブルで、電力を必要とする建物に分配した。

 こんな装置でも、ローカルの病院の電力をまかなうことができた。

 証言者の町は、この自家発電装置のおかげで、包囲しているセルビア軍に屈服することなく、ついに例外的に占領を免れ続けた。

 町の中では何でも自作し、改造したものだ。農機工場の職工たちが、才能を発揮してくれた。

 今、当時のさまざまな工夫の細部を掘り起こして資料化し、それをEU経由でウクライナ住民に届けるプロジェクトが進んでいる。

 当時の自作発電装置があちこちの納屋の中に転がっているはずだから、その現物も拾い集めてウクライナに届ける。ウクライナ人たちがそれを参考にしてもっと完成度の高いものをこしらえればいい。

 ボスニアの工業高校で教師をやっていた老人。彼は紛争の終結後、生徒たちに、ガラクタ材料からマイクロ発電機を組み立てて、それを河に設置して給電させるという課題を与えて、サバイバル技術の伝承に努めた。

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 Defense Express の2023-1-20記事「Ukrainian Scouts Use Handmade Kamikaze Drones on the Frontline」。
   市販のクォッドコプターに、横向きに対戦車手榴弾(RKG-3)の弾頭部を縛り付けて、FPV操縦で特攻させる手作り兵器。
 その運用部隊を取材した。

 この武器の「射程」は10kmもあるという。

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 Emma Helfrich 記者による2023-1-19記事「Israeli X-Wing-Looking Loitering Munition To Be Tested By U.S. Special Ops」。
   イスラエルのIAI社が、兵隊が手持ちした状態から、クォッドコプターと同様の仕組みで垂直に浮上させておいて、そこから空中にて水平飛行に遷移してそのままATGMとなる、X翼の自爆ドローンを開発した。出来がいいので米特殊部隊でテストしているところ。商品名は「ポイントブランク」という。

 ポイントブランクは、垂直着陸による回収も簡単にできるので、弾頭部を偵察キットに交換することで、繰り返し飛ばしてやれる偵察機となる。

 上昇限度は1500フィート。滞空18分。最高速力178マイル/時。

 西側のロイタリングミュニションには「アボート・オプション」がついていないと、売り物にならない。急降下して行く途中で、標的の車両に民間人が乗っているのが見えたような場合、無線指令によって、その攻撃を中断させて呼び戻すことができないといけないのだ。これは製品価格を大きく押し上げるが、しかたがない。

 ポイントブランクは、2kgの弾頭重量を運ぶ機体として開発された。これには「近接信管」も用意される。

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 Peter McLaren-Kennedy 記者による2023-1-20記事「Hollywood legends Johnny Depp and Michelle Pfeiffer acting coach dies」。
  NYとハリウッドで80年代に心理学応用の演技コーチを開拓したサンドラ・シーキャット氏が86歳で死去。老衰。

 ユング心理学にヒントを得た「ドリーム・メソッド/ドリーム・ワーク」を唱えた。役者各人のそれまでの人生、および夢を、感情表出のための助燃剤とする技法。

 マーロン・ブランドー、ロバート・デニーロ、ジョニー・デップ、ニコラス・ケイジらがこのメソッドの世話になってきたという。