スウェーデンでコーランを燃やした男はロシア工作員からカネを貰っていた札付きだった。

 Defense Express の2023-1-27記事「Switzerland Plans to Allow Armament Re-Export, Ukraine Might Get More Weapons And Ammunition」。
   スイス議会のウェブサイトによると、ようやくスイスは説得されたようだ。
 スイスは、外国が買ったスイス製の兵器・弾薬を、その外国からまた、現に交戦している国(ウクライナ)に移転することを許す意向。

 スイス連邦議会の下院の安全保障政策委員会が新方針を打ち出した。

 再輸出禁止の原則は、次の場合には適用しない。すなわち、ある国が国際法を破って軍事力を行使した事態が現に発生しているときの、当の被侵略国を援助しようという場合。

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 Loveday Morris、Emily Rauhala、Dan Lamothe、and David Stern 記者による2023-1-26記事「Ukraine faces logistics hurdles ahead of tank deliveries」。
    欧州各国が供出するレオ2は、FCSや無線が国ごとに異なる。たとえばスペインとフィンランドはどちらも「A4」型だが、FCSと無線に関してはインターオペラティヴではないのである。

 チャレンジャー2の戦車砲は、120ミリの口径は同じでも、施条砲なので、その弾薬は、滑腔砲であるレオパルトやM1とは共用ができない。チャレンジャーだけしか使えない特別な弾薬が補給される必要があるのだ。

 M1に対する補給線はポーランドから延ばしていくことになるだろう。

 M1の乗員訓練は、おそらくドイツのグラフェンヴェール訓練場(バイエルン州)ですることになるのではないか。すでにそこでは米軍教官が600人のウクライナ兵に、機甲と砲兵の連携術について教育を開始している。

 ※雑報によると、モロッコは3003両も戦車を保有しているそうだ! そのうち173両の「T-74EA」をウクライナへ進呈する意向で、すでに70両は輸送されたと。そして注目は、他に「M1」も持っていること。なぜ米政府はこいつをとりあえずウクライナへ割愛させようとしないのか、理解に苦しむ。オースティンは、ウクライナに「新品」を長期にわたって「購入」させるスキームをバイデンに提案したようだ。選挙対策かよ!

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 Tanmay Kadam 記者による2023-1-27記事「How To Kill An Abrams! Russian ‘Experts’ Issue A Guidebook On Where & How To Destroy The US Main Battle Tank」。
   ロシアのマニュアルでは、市街地を米軍の戦車から防禦するRPG歩兵は、ビルの3階より低いところに位置せよ、としている。そして、できるだけ異方向から、M1の天板、側面、車体後部を照準せよと。

 M1のエンジンルームには自動消火装置もあるのだが、露人にはそこは分かってないらしい。

 過去、戦場でM1の砲塔がふきとぶくらいの損害を受けたことは1回しかない。それは2003-10のイラクで、155㎜砲弾多数とIED複数の連携戦果であった。米兵乗員2名死亡。

 ※意外かもしれないが、戦車の弱点は「砲身」である。それは「防弾鋼」ではできていないので、ふつうの徹甲弾やHEATでも容易に穴があいてしまうのだ。穴があいたら、もうその主砲は使えない。主砲の回りに「爆発反応装甲」を巻き付けている軍隊も無い。

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 2023-1-27記事「Estonia wants to transfer cluster ammunition to Ukraine, German permission is needed」。
    エストニアは1990年代から、ドイツ製のクラスター仕様の155㎜砲弾を蓄積している。それをウクライナに委譲したいので、ドイツ政府に許可を求めている。

 2010年のクラスター禁止条約に、ロシア、ウクライナ、エストニア、アメリカ合衆国、中共、イスラエルなどは、加わっていない。

 昨年末にCNNは、米政府がウクライナ軍のためにクラスター弾薬を供給することを検討中だと報じた。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-1-27記事「Belgium wants to send tanks to Ukraine but sold them to a dealer」。
    いま、ベルギー軍には、1両の戦車もない。

 そしてベルギーでは、民間の武器商人が、廃車の「レオパルト戦車」を保有しているという特異な事情がある。
 2015年に、ベルギー軍は、保有していた戦車のすべてを、Versluis氏に売却してしまったのだ。1両1万5000ユーロで。

 その後、持ち主は変わったが、廃車群は、Tournai市の同じガレージにずっと保管されている。

 ベルギー政府は、これを買い戻して、あらためてウクライナに送ることを検討しはじめた。
 しかしVerslius氏が手放したときの価格はぜんぶまとめて50万ユーロだったから、それ以上のカネが必要だ。

 その上、アップデートの再整備も必要だ。

 Verslius氏にいわせると、50万ユーロは安い買い物だと思うが、コンディションはボロボロなので、このままウクライナへ贈ろうとは考えない方がいい。高額な粗大ゴミ輸出になってしまう。

 同じような酷いコンディションなのがスペイン保有のレオ2。2022夏に、これを有料でウクライナに委譲しようかという話があったが、ボロボロなのを実見してウクライナ政府側で断った。必要な修理費はEUが出してくれるとしても、ウクライナ国内では整備のしようがないレベルだったのだ。

 ベルギー軍はべつに「戦車無用論」を唱えているわけではない。だが戦車というものは、もしそれを保有しようとするならば、IFVもSPも戦車回収車も工兵車も架橋車もすべて「セット」として必要になる。すなわち氷山の頂点のようなもので、少数の戦車戦力を整えるにも、多額の軍事費が毎年、かかるようになる。その負担にベルギー財政は耐えかねた。それで、むしろ他の兵器を整備することにしたのである。

 ※雑報によるとベルギーの軍需企業が試算値を出した。レオ1A5BEを改修してウクライナに援助するには、履帯の修理に12万ユーロ、エンジン修理に18万5000ユーロ、ショックアブソーバーの交換に36000ユーロ、FCSの更新に50万ユーロかかりますよ、と。

 ※ベルギーはAMRAAMをウクライナへ寄贈する。これはSAMとして用いてもらうためのものである。

 ※複数の報道。米国がF-16の供与を検討しはじめたので、フランスはラファールかミラージュを寄贈して先手を打つのではないかと。

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 Howard Altman 記者による2023-1-26記事「This Is What M1 Abrams Tanks Will Bring To The Fight In Ukraine」。
   1992年に米会計検査院がまとめた報告によると、デザートストーム作戦には2000両以上のM1戦車が持ち込まれ、そのうち23両が破壊もしくは損壊させられたと。9両が、完全に破壊された。その9両のうち7両は、友軍によって誤射されたものだった。2両は、故障して動かせなくなったので、乗員の手によって爆破された。

 M1部隊には、燃料補給トラックが随伴する必要がある。M1の燃料タンクには500ガロン入るが、燃費が悪いので、8時間ごとに300ガロンを給油してもらわなくてはいけない。

 これは途方もない給油能力を必要とする。ウクライナ軍には無理だろう。

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 Defense Express の2023-1-27記事「Ukraine Got Quads and Electric Scooters for Military Purposes from Latvia」。
   ラトビアでは2ヵ月前から、対宇武器援助のための募金がネットで立ち上がっていた。このたび、そのカネで調達した最初の武器が発送された。

 迷彩塗装された電動スクーターなど。

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 2023-1-27記事「Training of Ukrainian mortar teams in Lithuania. January 2023. Photo credits: Lithuanian Armed Forces」。
    リトアニアの演習場で60ミリ迫撃砲の操砲をみっちり仕込まれたウクライナ兵が、戦地へ戻って行った。

 M224という米国製の60ミリ迫撃砲。これを昨年からウクライナ軍は供与されているが、操法には熟達していなかった。

 また宇軍はブルガリア製の「M60CMA」という軽迫撃砲も保有している。これも昨年の援助品と見られる。


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 Shannon Vavra 記者による2023-1-27記事「Putin’s Pre-Emptive Strike Plan Exposed in Satellite Photos」。
   民間衛星の画像を民間人が独自に解析。ロシアは今年、ウクライナ軍の反転攻勢を予期し、土地を1センチも失わぬように、東部戦線で防禦線の大築城をしている。
 ルハンスク戦線(ドネツク、ザポリッジア、ヘルソン)の塹壕線とトーチカ帯の工事の規模が本格的だという。

 ※それで米英は、そっちに歩兵を集めるのはよせ、とアドバイスしているのか。

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 Daniel Davis 記者による2023-1-27記事「Ukraine Getting M1 Abrams and Leopard 2 Tanks Are Just the Start: Training Is the Key」。
    米陸軍では、「コンバインド・アームズ(諸兵科連合)大隊」を、陸戦の基礎単位に据えている。

 大隊の陣容は任務によって変化させられるが、一般的には、戦車、装輪APC(ストライカー)、ブラドリー歩兵戦闘車、歩兵、工兵、支援後方ユニット(糧食、修理、補給……etc.)からなるものである。
 ※奇妙にも「砲兵」をスルーしている。この記者は。

 これがチームとして機能しないと戦争にならない。互いに、他の兵科が何をしているのかも、熟知していないと、協働はできない。そのためには訓練を何度も重ねる必要がある。

 ここでは、ブラドリー小隊およびブラドリー中隊が何をするのかにつき、詳しく説明しよう。
 固有乗員として、ドライバー、ガナー、車長の3人がいるわけだが、このうち車長になるためには、米陸軍では、7週間の特訓課程を義務付けている。ターレットの機能、搭載しているすべての兵器の用法、FCSの使い方など、覚えてもらわねば困ることが山ほどあるのだ。

 IFVの中隊長になるためには、それまでにIFVに5年以上乗っていることが資格。その上で22週間の中隊長教習を受ける。

 米陸軍の場合、IFVの古参の下士官は15年以上も乗っている。大隊長となると20年の経験があるのだ。

 ウクライナ軍は2014年にはどん底で、そこを狙われてクリミアを奪われた。
 ようやく目が醒めて2016年から軍の改革が始まった。その努力が、今の善戦につながっている。

 そうはいっても最古参の将校でも7年の経験しかない。

 ヘルソン方面では露軍はすでに防禦工事を徹底していて、多重塹壕、地雷、対戦車障害物が待ち構えている。ここを機甲戦力で突破しようというのは、素人軍にはとても無理である。

 仮に、もし今すぐに、多数のレオ2とM1が宇軍に引渡されたとしても、それを支援する車両、弾薬、需品が揃わないから、5月より前には、宇軍は何もできない。

 宇軍は今すぐに反転攻勢したがっているが、それをやりたいのなら西側戦車無しでやってくれと言うしかない。

 宇軍には、コンバインドアームズ大隊としての、最低6ヵ月の訓練が必要である。反転攻勢は、そのあとの話にしてもらいたい。

 ※6ヵ月も猶予を与えたら、プー之介はドンバスに「核地雷」「Dirty-Bomb-Mine」「化学兵器地雷」を埋めて、不退転の態勢を完成してしまうだろう。敵に時間を与えてやれと言う軍事アドバイザーくらい戦時に有害な者はいないよ。常に戦線は流動させて、それによってイニシアチヴを握り続けなくては。露軍が「突撃隊」方式にシフトしてきているのは、こちらにとってもチャンスなのだ。機甲ではなく、歩兵の重火器小隊が運用する迫撃砲レベルの火器が「突撃隊」を破砕してやれる状況が、生まれているところだと思う。

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 Prakash Panneerselvam 記者による2023-1-23記事「Unmanned Systems in China’s Maritime ‘Gray Zone Operations’」。
    中共は、リモコンではない、自律的に海中で行動できるUUVの研究を1980年代からスタートしていた。
 それがこのごろ、実りつつあり、民間研究調査船を装った「UUV母艦」も完成している。
 すでにUUV実験はインド洋からインドネシア近海まで広範囲に繰り広げられている。

 かれらはこのUUVでグレーゾーン作戦をたくらんでいるであろう。

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 2023-1-27記事「How Armenia is helping Russia evade Western sanctions」。
    アルメニアには2022-1~6月に37万2086人のロシア人が逃亡してきたという。
 今、アルメニアは、ロシアが西側の製品を、制裁をかいくぐって買い付ける抜け道のひとつとなっている。

 かたやアゼルバイジャンは、ウクライナのたのもしい味方になっている。なんと石油をタダでウクライナのガソリンスタンドまで届けてやっているのだ。救急車や消防車も寄贈している。
 露軍が破壊している送電施設用の変圧器を45個、発動発電機も50基、アゼルはウクライナに寄付した。

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 2023-1-27記事「One person dies in attack on Azerbaijan’s embassy in Iran」。
    テヘランにあるアゼルバイジャン大使館に、AK自動小銃を持った男が乱入して発砲。警備係1名が殺された。他に2名が負傷。
 外交官たちは無事であったと。

 イラン国内で「反アゼルバイジャン」キャンペーンが繰り広げられているさなかであった。

 この犯人の妻が、この大使館に入ったまま戻らなかったため、男が怒って乱入したのだという。

 アゼルバイジャンは言語的にはトルコ圏である。
 イラン内には数百万人のアゼルバイジャン系が所在する。そしてアゼルとイスラエルの関係が深いため、IRGC(イラン革命防衛隊)は、アゼル人をイスラエルの手先として疑う。