木曜日に豪州産の石炭が中共の港に入荷した。

 中共は2年前にイヤガラセとして輸入を禁じたのだが、ここに来てとうとう、輸入を再開するしかなくなった。
 経済的な立場が弱くなっているのだ。

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 John Ferrari 記者による2023-2-9記事「The military should turn its network innovation upside down」。
  モバイル通信時代の情報技術系人材について、軍隊の最高幹部が、こころすべきこと。この分野における「才能」は、きょくたんに偏在する。つまり、陸軍であれ空軍であれ、たった一人の「天才的人材」がどこかには居る。その一人すべてを任せることで、組織の通信戦力が数倍に強化される。だが、もし、退嬰的な組織文化のしがらみのせいで、その一人に任せることができないという場合は、どうなるか? 他の中くらいの秀才を1000人、通信戦の分野に貼り付けたところで、ほとんど戦力の改善は見られない。そういう結果に、かならずなっちまうんである。

 そういったデジタル部門の天才たちには、民間人になって金稼ぎをするという人生のオプションがある。

 では、敢て、そっちへは行かせずに、国軍の中で才能を発揮してもらうには、いったいどうすればいいのか?

 民間企業以上のボーナスを、国軍から出せるわけがない。が、それに匹敵する報酬が、じつはあるのだ。

 それは、たった一人の天才的人材に、各軍(陸・海・空)の通信戦力改革の実行権を委ねてやることだ。
 そこで存分に腕を揮えるようにしてやることだ。
 そのような経験は、カネで買うことはできない。だから、本人にとっては満足度が高くなるのである。

 もうひとつの戒め。陸海空軍の最高統帥部が、トップダウンで、統合(=共通)通信情報システムを導入させようなどとは考えるな。
 この分野の改善は、陸海空軍の最下級レベルからのボトムアップでいいのである。各軍バラバラのものを、上の方のどこかで、連携させることにした方が、新事態への素早い「対応進化」がしやすい。すなわち、敵からしてやられてしまうという悪夢を振り払えるのである。

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 Jakub Palowski 記者による2023-2-8記事「Poland Gets Approval for Its HIMARS Deal. USD 10 bn. and Polish Base Platform」。
    なんと百億ドルの取引成立。
 ポーランドは米国からおびただしいHIMARSを調達する。

 その内容の一部は以下の如し。

 HEの単弾頭で、射程85kmのロケット弾を3126発。

 単弾頭で、射程を特別に150km~200kmまで伸ばしたロケット弾を3192発。もちろんGPS終末誘導。

 クラスターではないが、エリア制圧ができる弾頭の、射程85kmのロケット弾、2766発。

 レンジ300kmのATACMSを45発。

 ラーンチャーのトラックは新規分だけでも486両。ポーランド国産のJelczトラックが使われる可能性もある。技術移転を前提とするオフセット契約なので。

 韓国から買う自走砲も大量だから、これから各車の指揮を執る砲兵将校を大量養成しなければならない。

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 Latvian Public Broadcasting の2023-2-7記事「Drone factory fire near R?ga causes plume of hazardous smoke」。
   リガ市にあるドローンの生産工場で火災発生。

 出火原因は判っていない。

 この工場製のドローンは、ウクライナ軍にも寄贈されている。
 だから、ロシアのスパイの破壊工作が疑われている。

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 Vahur Lauri 記者による2023-2-8記事「Estonian domestic explosives production needs political green-light」。

    エストニアは、国内で軍用爆薬を製造する必要を感じている。
 現状、シェールオイルの掘削のための鉱山火薬だけが国産されているが、軍用爆薬は輸入なのだ。つまり自国の軍隊に自国製の弾薬を補給できないのだ。

 たとえば地雷はポーランドから買っている。しかしウクライナ戦争で欧州の弾薬の需給状況は急変した。エストニア軍が必要なときにすぐに弾薬類を輸入できないという恐れが現実のものとなっている。

 窒素化合物やトルエン(どちらもTNTの原料)は、国内で生産されている。あとは政治家が動いてくれれば、3年にして、爆薬の大量生産は可能になるだろう。

 これは民間企業任せにできる事業じゃない。諸々のリスクが大きすぎるので。

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 2023-2-7記事「North Macedonia: Country that donated all its tanks to Ukraine. What was the reason for this decision?」。
    北マケドニアは2022年7月29日に、その国軍が保有するすべての戦車(T-72A×31両)をウクライナへ贈与し、それと同時に、自国陸軍の戦車隊を正式に抹消してしまった。

 これは一種の合理化である。古い戦車用の古いスペアパーツを入手することが、今次ウクライナ戦争のせいで、難しくなったのだ。だったらいっそ、ウクライナ軍に寄贈してしまって、全欧の防衛のために役立ててもらえばいい。

 北マケドニアは、GDPの2.6%を軍事支出に割いている。けっして軍縮を志向してはいない。

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 2023-2-8記事「BP Azerbaijan Declares Force Majeure on Crude Loadings from Turkey’s Ceyhan Port」。
   バクー~トビリシ~ジェイハンを結ぶパイプラインの、アゼルバイジャン国内部分とジョージア国内部分をオペレートしている「BPアゼルバイジャン」社は、「不可抗力」を水曜日に宣言した。月曜日の地震のせいで、トルコのジェイハン港では、タンカーにアゼル原油を積み込めない状態になっていると。

 地震前、アゼルは、ジェイハン港から、毎日65万バレルを出荷していた。それができなくなった。

 地震直後の希望としては、2月9日には再開したいと考えていたのだったが、コントロール・ルームが地震でやられてしまっていたことが判明した。その修理には時間がかかる。パイプラインは無事だったのだが。

 かたや、イラク原油は、ジェイハン港からの出荷を火曜日午後に再開している。

 パイプラインは、基本的に、耐震設計である。

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 H I Sutton 記者による2023-2-8記事「World’s Largest Submarine Drone Being Built In Germany」。
   ドイツで今年、世界最大の無人潜水艦の建造を始める。

 造船所は、TKMS=ティッセンクルップ・マリン・システムズ。

 MUM(改善型水中マザーシップ)は、全長25m。
 鰈[カレイ]=フラットフィッシュ のように平べったい船型。海底に沈坐してひそみやすい。

 MUMは、機雷敷設、対潜水艦戦闘、監視偵察任務に用いられる。2019年から構想されていた。

 水中排水量は10トン。寸法的には20フィート・コンテナに匹敵。だから内部に、もっと小型のUUVをしまっておいて、それを放出することができる。

 プロトタイプの動力は、水素燃料電池のAIP推進だ。80キロワットを出力できる。加速が必要なときは、リチウム電池からの放電も併せて利用する。

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 Piotr Butowski, Thomas Newdick 記者による2023-2-9記事「Here Is What Russia’s Military Aircraft And Missiles Actually Cost」。
    PPP=購買力平価 によって、ロシア軍のハードウェアの値段を米ドル表示すれば、以下の如し。

 スホイ57戦闘機は、1億3900万ドル。
 イリューシン76MD-90A輸送機は、1億0980万ドル。
 カモフ52戦闘ヘリは、3050万ドル。

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 2023-2-9記事「Yankees land in Taiwan to upgrade local 140 F-16A/B fighters」。
    台湾空軍が保有する140機のF-16A/Bを、いっきょに「V」型にアップデートすることになり、そのためのメーカーの技師たちが今年から台湾に常駐する。

 「V」型は、レーダーがフェイズドアレイになり、電装品とコンピュータは総とっかえになる。