かれこれ20年使っている古いXPマシンに無線静音キーボードと無線マウスをつなげてみたら、文書打ち込みの作業はかどりすぎ、ワロタ。

 白文字が指で擦れて消えてしまったので、買ってみたのだが……。さらに20年、寿命が延びちゃうかも……?

 次。
 2023-3-2記事「Explainer: What Is Russia’s PMC Ryodan Subculture?」。
    ロシアの複数の都市のショッピングモールで、ティーンエイジャーの大量逮捕。

 彼らは「PMC リョダン(旅団)」と名乗っているという。ロシア政府は、このあつまりはウクライナがロシアを不安定化させるための工作だと言っている。

 先週の前半、モスクワのAviaparkというショッピングモールで、2つの集団の喧嘩騒ぎあり。動画がSNSに上げられた。

 一方のグループは、背中に蜘蛛が描かれた長袖の黒シャツ + チェック模様のパンツ というお揃いの衣装。これが「リョダン」のトレードマークなのだ。

 掴み合いの喧嘩はモールの各所で起きた。モスクワ警察は、これはフーリガン罪を適用できると見ている。最高で懲役7年の刑にできる。30人ほどが拘束された。

 同様の喧嘩は、数日後にサンクトペテルスブルグでも発生した。Galeriaというショッピングモールにて。そちらでは131人が現行犯逮捕された。そのうち1名は重傷という。

 ふたつの騒ぎをうけて、ノヴォロビルスク、カザン、ドン河のロストフ、クラスノヤルスク市、等でも警察の一斉取締りが発動された。青少年多数が引っ立てられた。

 リョダンのメンバーは見ればすぐにわかる。黒いパーカーの背中には、12本足の蜘蛛の絵が白抜きで描かれ、蜘蛛の背中には数字の「4」(稀に「7」)が……。日本でヒットした犯罪マンガ『ハンター×ハンター』からの直接の影響らしい。

 ロシア語でPMCとは、「民間軍事会社」の意味である。ロシアでは誰でも、ワグネルのことを連想する。

 メンバーにインタビューしたところ、PMCリョダン には特別なイデオロギーは無いという。
 ただ、この格好は目立つので、絡まれるのだと。

 BBCによると、ウクライナの諸都市にも「リョダン」が存在し、すでに200人以上の青少年が逮捕されているという。そしてウクライナ政府は、これはロシア発の社会不安定化工作ではないかと疑っている。

 また火曜日、ベラルーシ南東部のゴメル市でも200人の「PMCリョダン」メンバーが当局によって逮捕されたという。

 ※それにしてもウクライナ発の「ネット工作」が低調すぎる。もう1年も経つのに何をやっているんだ? ひたすら辛気臭いゼレンスキーの演説なんぞ外国人に何の感銘も与えはせぬ。そんな宣伝効果ゼロの動画を流している暇があったら、AIでロシア人ウケするキャラクター(人間)を合成し、その合成人物をして、「反モスクワの秘密地下行動を起こせ」とロシア語でけしかけさせる短い動画を、連日、これでもかというぐらいの新バージョンを作成して、ネット空間に溢れさせるようにしなくてはダメだ。それには大した予算もかからない。そのさい、ロシアの地上TVで過激な言説を垂れ流しているコメンテイターたちにいかにもイメージが似た合成キャラも複数とりそろえ、そのパロディとなる愚かな話と、真実の皮肉をこもごも発信させ、観賞者に娯楽を提供するのがコツだ。面白ければ、プロパガンダと知りつつも、みんな視てくれる。

 次。
 Boyko Nikolov 記者による2023-3-3記事「China allowed Russians to freely buy UAVs, DJI is used in Ukraine」。
    アリババの通販サイトは、3月1日より、誰かがロシア国内からログインしてドローンを発注しようとすれば、「ページがみつかりませんでした」という表示を出して、利用をブロックするようになった。

 またDJI社は、ドローンの飛行制御をアップルのスマホからするためのアプリを、ロシア領内のユーザーがアップストアからダウンロードすることをできなくした。またすでにダウンロードしていても、ロシア領内では使えなくしたという。

 ところがアリババは、3月2日に、その規制をやめてしまった。だから今ではロシア人は自由にDJIや「Autel」製の市販ドローンを、ロシア国内にいながら購入できる。

 ロシア兵が最も多用しているのは「Matrice-30T」である。これに「AeroScope」というDJI提供のソフトウェアを組み合わせると、リモコンしている操縦者は、付近を飛んでいる他のDJIドローンの存在をリアルタイムで察知することができる。しかも、50kmも離れた地点まで、航跡を把握できるのだ。

 ※アリババは社風として「反政府」なので、独自に規制をかけたのだろう。しかし熊プーはいまやプー之介に跪拝する路線を選択しているため、怒ってその規制を撤廃させたのに違いない。もし米政府がこれを問題視し、「アリ・エクスプレス」に経済制裁をかけることになれば、すごいことになるだろう。

 次。
 Boyko Nikolov 記者による2023-3-2記事「No defense…a quadcopter landed on the Russian A-50 and went back」。
   ベラルーシ国内の反政府活動家が、2機のクォッドコプターで、露軍のAWACS「A-50」に肉薄。1機はロートドームの上に着陸して、また戻ってきた。そのビデオがSNSに流れている。破壊の試みは成功しなかったようである。

 この動画があばいたおどろくべき事実。ベラルーシの飛行場には、動いている警戒設備は無く、歩哨も警備員も見当たらない。何の防備もしてないのである。

 ※もっと驚くべきことは、市販サイズのクォッドコプターでも運搬ができる分量の金属粉(metal powder as material for FOD)をエンジンナセルの Air Intake 内に置いてくるという単純にして致命的になり得る破壊工作ミッションをなぜこの駆け出しゲリラどもは思いつかぬのかということ。タービン内に吸い込まれた金属粉はエンジン燃焼室内に異常挙動を起こさせる。しかも、いいかげんな飛行前目視点検では発見されない可能性がある。とうぜん各国の空軍研究所では、この破壊工作のために最適な金属粉の組成も、模索しているはずだよね? FPVのビデオを見るかぎり、あきらかに、このオペレーターには、AWSACSの機番を調べてやろう、だとか、機体下部のアンテナや警戒センサーを仔細に調べよう、だとか、エンジンにカバーがかかっているかどうか確認しておこうといった着眼は、まったく無い。トーシローの冒険なのだ。そして、だからこそ、軍用飛行場のすぐ近くまでドローンを持って肉薄するなどという蛮勇を発揮できたのだろう。

 次。
 雑報によると、モルドバの国会は、「モルドバの公用語はルーマニア語である」と法定した。
 ロシアから送り込まれてくる、ルーマニア語を話せない私服工作部隊を排除するため。

 次。
 Sofiia Syngaivska 記者による2023-3-3記事「Italian S1000-Class Submarine Joint Project with Russia Redesigned as the S800 Light Submarine is on the Market, but Nobody Wants It」。
   イタリアの造船所・フィンカンティエリ社は、ロシアの中央設計局と合同で開発した「S1000」級のディーゼル電池式潜水艦の企画を、未だ放棄していないという。

 この名前を「S800」と変えて、近東の某国に買ってもらおうとしているという。

 イタリアはAIP技術を持っているが、船殻はロシア人に設計させた。それをイタリアで少し小型化。水上排水量750トン、水中排水量850トン。全長51m。胴径10mである。

 乗員は20名未満。深度は250mまで潜れる。連続潜航は7日まで可能。

 買い手の候補にはパキスタンもあるという。

 しかしイタリア海軍が興味を示さないため、まだ、現物は存在しない。ペーパー上の企画なのだ。起工してから完成するまでには4年かかるという。

 次。
 2023-3-2記事「Embraer to Provide Support Services for Philippine Super Tucano Fleet」。
   ブラジルのエンブラエル社は、比島空軍が6機保有する「A-29」のための整備サービス契約を結んだ。多数のスペアパーツ供給を含む。

 比島空軍は2017にこのライトアタック機を発注。2020のパンデミックの最中に、納品は完了している。

 6機は、カヴィテ半島の「Danilo Atienza」空軍基地に配備されている。

 「A-29」は、世界15ヵ国以上に、計260機以上が売られている。

 次。
 Defense Express の2023-3-3記事「How Many Tanks a Month russian “Uralvagonzavod” Can Produce, Really」。
   『エコノミスト』が専門的な分析を載せている。

 英国人の推定。「ウラル車両工場」では、毎月、新品の戦車を20両、製造するポテンシャルがある。しかしこのごろでは毎月8両、古い戦車の改修品を工事しているという。
 そこから複数の可能性が生ずる。「ウラル車両工場」は、Maxで毎月28両を軍に納品できるのか? それとも、新品と改修品とを合わせたMaxが20両なのか。それとも、現状、改修品8両というのが月産のすべてなのか。

 ロシアの、そことは別のもうひとつの国営修理工場では、毎月、17両の戦車を修理しているという。

 あと、トランスバイカルには、T-62Mを工事する専用の拠点「第103装甲修理工場」がある。

 その他、2箇所の戦車工場が大急ぎで新設され、もうじき稼動しそうである。

 新造と改造とを合計すると、現状、ロシアは毎月90両のAFVを補給できるのではないか。そして2箇所の新工場が立ち上がれば、それに月々34両の戦車が加わるのではないか。

 次。
 Emma Helfrich 記者による2023-3-2記事「Our Best Look At Ukraine’s Shadowy ‘Alibaba Drone’ Used For Long-Range Strikes」。
    昨年、ウクライナ軍が長駆打撃に用いた「アリババ・ドローン」がまた飛んだようだ。こんどは完全な姿に近い墜落機体が撮影されている。つまり特攻ミッションとしては失敗した。

 墜落場所は、クリミア半島の「サキ」だという。そこにある航空基地を狙ったのかもしれない。

 この市販固定翼無人機の商品名は「Mugin-5」である可能性が高い。
 アリババでは9500ドル未満の定価のようだが、実売価格は5000ドルから1万ドルの間だ。

 巡航時速74マイルで7時間飛ぶ。ペイロードは55ポンドだと謳われている。

 次。
 Vladimir Soldatkin, Olesya Astakhova and Christoph Steitz 記者による2023-3-4記事「Exclusive: Russia set to mothball damaged Nord Stream gas pipelines – sources」。
     ロシアは自分でぶっこわしたノルドストリームの海底パイプラインを、将来復活させられるように、当面、モスボールして保守する工事を開始するようだ。

 次。
 Mikal Boe 記者による2023-3-1記事「Advanced Nuclear Power Could Transform U.S. Maritime Industry」。
   米国は、近い将来、民間の貨物船が「原子炉」を普通に搭載するようになるという未来を構想している。これはエミッションをゼロにするのに最も著効があるため。沿岸航路だけでなく、ミシシッピ川などの内水の河用バージにまで、原子炉を積極的に使わせるという。

 従来の軍用の舶用原子炉は、高濃縮ウランを用いるものであったり、頻繁に燃料交換工事(ドックを1年以上占領)が必要だったりと、まったく商船向きじゃない。

 しかし、現在、数種類の開発が実用寸前まで来ている小型商用炉を使うと、ウランは低濃縮で安全であるうえ、燃料交換のインターバルが十分に長く、水運会社が負担することになるトータルのランニングコストを舶用ディーゼル並にできると期待しているのだ。

 新式の民間船舶用原子炉のタイプには2つの候補がある。MSR=熔融塩炉 と、HPR=マイクロ・ヒート・パイプ炉 だ。

 熔融塩炉は、核燃料が600度前後の高温の液体中に混ざった形で、低圧で循環している。その発熱で発電してモーターを回すのだ。万一、この核燃料の溶けた液体がループの外に漏出すれば、液体はただちに冷えて固まる。したがって、環境を汚染しない。

 MSR炉は、20年間にわたって、30MWを発電し続けられる。しかし商船はその65%くらいのパワーでも十分なので、炉の寿命は30年以上に延びるという。

 米国は、穀物、石炭、石油、鉄鉱を大量に国外へ輸出している。それらは商船が頼りである。
 米国の水運業界は、15万人の雇用をもたらしている。

 米国の海上輸送荷物はしかし、1990年をピークに、逐年、扱い量が減ってきている。

 米本土には総延長が12000マイルもの、可航内水路が四通八達している。殊に、五大湖=ミシシッピ=ミズーリ水系以東。西部沿岸だと、コロムビア河水系(シアトルあたり)。だから、平底バージによる内水輸送は、大活躍だ。鉄道で運ぶよりも、輸送費は半額で済む。トラックと比較すると「十九分の一」の運賃である。

 2019年にミシシッピ水系を往来した貨物は6億3000万トンであった。

 次。
 2023-3-3記事「Illustration for the news: cooperation between the Ukrainian military and the US military. Photo credits: Ukrainian Armed Forces」。
   NYT紙が報じているところによると、今週、米軍の「欧州&アフリカ・コマンド」は、ウクライナ軍の高級幕僚たちをドイツの司令部に集めて、兵棋演習を通じて、方面レベル~軍レベルの作戦指揮の常識というものについて教育をしてやる。なにしろ話にならないレベルなので。

 これによって、初春の融雪泥濘期が終った直後の、晩春攻勢を準備させる。

 米軍が代わって大戦略を立ててやろうといったおこがましい真似は控える。あくまで宇軍の上級司令部が自国の防衛戦争を策案するのでなくては、誰のためにもならない。「こういうことをすると――あるいは、しないでいると――こういうリスクがあるよ」といった流れを、いろいろと示してやる。

 次。
 EurAsian Times Desk 記者による2023-3-3記事「Battle For Bakhmut: Russian Army’s ‘Military Manual’ To Win The Highly Contested Region ‘Seized’ By Ukraine?」。
    ウクライナの最前線で拾われた露軍の野戦教範マニュアルを解析した結果、露軍の最新の戦闘陣形が分かったという。
 「BTG」を捨てた代わりとして、いまや、「増強大隊」のコンセプトに回帰しつつあるようだ。
 この1個大隊は、2個または3個の「突撃中隊」から成る。
 それに各種の特科が付属し、全体を、大隊本部の指揮小隊が統率している。

 1個突撃中隊は、2個突撃小隊および3個の火力支援小隊からなる。1個突撃小隊は12人から15人である。

 大隊が抱える特科のうち、AFV小隊は、T-72×1両、BMP(またはBMD)×4両からなる。
 これらBMP/BMDは、もはや、歩兵を輸送するために分属しているわけではない。それが搭載している機関砲によって火力支援することが期待されているのである。

 攻撃モードでは、突撃中隊は、4~5名づつの分隊に分かれる。
 そのうち小火器を持って〔おそらく並列で〕進むのが2個分隊。その2個より先を前衛分隊。少しさがったところに指揮分隊。その指揮分隊の近くに火力支援分隊。これら中隊全体が、概ね、菱形に散開する。

 設保陣地を攻撃するさいには、1分間の突撃準備砲撃を為す。

 ドローンは貴重品なので偵察にだけ使えと指導されている。戦闘の見物には使うな。喪失リスクが大きいから。

 宇軍が放棄した塹壕には、入ってはいけない。そこにはブービートラップがあるし、宇軍砲兵がとっくに座標を標定済みであるから。

 負傷兵はその場へ残置しなければならない。あとでメディヴァックが何とかするから。突撃中隊/小隊に同伴させてはならない。

 フルオート発射できる擲弾銃(AGL)は、射距離600m~1700mにて、間接照準火器として運用すべし。直接照準で交戦しようと考えてはならない。

 突撃小隊は、決して開濶地を前進してはならない。あくまでも樹林帯を利用すべし。

 この情報をツイッター投稿している「たたりがみ_UA」という若いウクライナ軍将校によると、突撃小隊のコンセプトは最初にワグネルがバフムトで実践したものだという。

 ワグネルは常に3~4名の「突撃班」となって進退する。その先頭の班は1名の斥候役が率いる。彼は、地雷の無い場所を見極める。残りの班員は、自動小銃手×2、軽機手×1である。

 「突撃班」を後方の樹林線から火力支援するのは、迫撃砲班とAGL班である。AGLがないときは、やむなく、RPGで代用する。