オランダは地形がまっ平らなので、交通手段として自転車に賭ける意気込みが、欧州では随一である。すなわち、世界一であるといっていい。
かたや、同じような平地のドイツでは、自転車よりも自動車が好まれた。これは「貴族・将校」の志向と関係がある。オランダの場合、「上層民」は自転車を見下さなかった。ドイツでは、将校が自転車を嫌った。
このためヒトラーは、ドイツにもっともふさわしい「鉄道+自転車」ではなく、「戦車+自動車」で無理な再軍備をするしかなかった。これがバルバロッサ作戦を失敗させた、最大の遠因である。
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Amelia Wynne 記者による2023-3-6記事「The Rolling Stones, Pink and U2 to perform at ‘Lviv Aid’: A-list music stars ‘asked to take part in Live Aid-style concert for Ukraine at Wembley this summer to pile pressure on Putin’」。
ロンドンのウェンブリー・スタジアムにこの夏(6月24日)、ローリングストーンズ、U2などのビッグネームがあつまる。1985の「ライヴエイド」のスタイルのチャリティで、収益をウクライナ難民の救恤に投ずるのだ。
テレビ中継もされる予定。
この第一報は『ザ・サン』紙である。
1985の「ライブ・エイド」も同じコンサート会場だった。このときはエチオピア飢饉災害の救恤金を募ったのである。
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Rostyslav Khotin 記者による2023-3-4記事「The Rumble Over Russian Composer Tchaikovsky At An Elite Ukrainian Conservatory」。
いま、ウクライナの国家指導部は、作曲家のチャイコフスキーをどう扱うべきかで、悩んでいる。
じつはチャイコフスキーは、ひいじいさんがウクライナのクレメンチュク出身。もちろんロシアの作曲家だと世界的にも認定されている。ならば「チャイコフスキー国立音楽大学」は「キーウ音楽大学」に改称するべきなのか?
「非ロシア化」は開戦後に各都市で実行されている。たとえばプーシキンの銅像は複数が撤去されている。
もともと音大の創設時には「キエフ音大」だったのである。それは1863年だった。
それが1940年に、「チャイコフスキー国立音楽大学校」と改名された。チャイコフスキーの生誕百周年だった。
今回の改名問題は、中国と関係がある。じつは中国には、「チャイコフスキー国立音楽院」の海外キャンパスがあるのだ。
そして中国人の音大学生たちの間では、「チャイコフスキー音楽院」の名前に、「モスクワ音楽院」と並ぶステイタスがあった。
その名前が「キーウ音大」に変われば、中国人学生から見たときの、学校の価値が下がってしまう。
中国人の学生があつまらなくなれば、本校の収益とステイタスに悪影響があるだろう。さりとて、露軍を後援している中国人にそんな気兼ねをしている場合かという非難もあるだろう。というわけで、ウクライナの文化大臣は、悩みちゅう。
チャイコフスキーは、生涯に二度だけ、キエフにやってきたことがある。1890と1891だ。そこで地元の作曲家のミコラ・リセンコに会い、サンクトペテルスブルグの劇場でリセンコ作のオペラ「タラス・ブーリバ」を上演しないかと働きかけた。だがリセンコが、歌詞と台詞をロシア語に直すことを拒否したために、この企画は実現しなかった。
チャイコフスキーの第二交響曲は、別名「ウクライナ交響曲」という。ウクライナ民謡のモチーフが使われているので。当時のロシア人は、ウクライナのことを「小ロシア」と呼び、この第二交響曲も、そのように呼ばれていた。
チャイコフスキーのオペラ「マゼッパ」は、プーシキンのロシア帝国主義むきだしの詩作「ポルタワ」に基づいている。ウクライナのコサックにイワン・マゼッパという親分がいたのは史実である。
しかしチャイコフスキーがパトロンのフォン・メックに宛てた1878の書簡では、じぶんは全きロシア人だと強調している。1891の知人宛ての手紙でも、同様に。
なお、日本の複数のプロ交響楽団は、チャイコフスキーの『1812序曲』の演奏を、今次開戦以降は、拒否し続けている。
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2023-3-1記事「Sabanto Delivers Autonomous Tractors to US Space Force」。
イリノイ州のサバント社は、無人装輪トラクター×2台を、米宇宙軍のパトリック基地に納入した。
クボタの「M5」農業用トラクターをベースに改造したものである。
宇宙軍といえども、飛行場やロケット打ち上げ場近辺の地面を整地したりする土木工事は必須である。
この無人トラクターは、1人のオペレーターで何台でも動かすことができるので、人手不足の今日、とても重宝するであろう。
浮いた人力は、屋内作業に振り向けることができる。
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2023-3-6記事「Iranian Fateh-110 missiles. Photo from open sources」。
英『フィナンシャルタイムズ』によると、ロシアはイランから地対地弾道ミサイルを買うことをためらっている。なぜなら、それを口実に、西側諸国がウクライナに、HIMARSよりも長射程の地対地ミサイルを供与する流れになりそうだからだと。
特にロシアはATACMSを恐れている。
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2023-3-5記事「US Army Trials New Parachute System for Vehicle Airdrops」。
米陸軍は、トラックなどを輸送機からドロップするための物料傘を、まったく新しいものにする。
従来は、ハニカム構造の段ボールのようなものを鉄板とともに下敷きに使っていた。
新型の物料傘は、エアバッグを下敷きとする。RRDASと称する。
これによって投下から物料回収までの一連の必要時間がいちじるしく短縮される。
たとえばドロップゾーンで受取る側は、従来だと斧や円匙を使ってハニカムクッション材を剥がす作業が必要であったが、RRDASならそんな必要はない。
RRDASには着地の瞬間にアウトリガーを出す安定メカニズムも備わっているので、車両の着地姿勢は常に水平である。重心が高くても、横倒しになったりしないのだ。
RRDASは、ことしいっぱい、テストが続く。ユマ演習場にて。
部隊配備は2025年からになるだろう。
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Defense Express の2023-3-6記事「How Soon russian Armored Train Will Arrive in Ukrianian Frotlines and Why russia Started Using Them in the First Place」。
ロシアが古い「装甲列車」を引っ張り出してきている。
なぜこのような装備が今も頼りにされているか?
それは、ロシアの兵役適齢人口が減少しているため。対NATO戦線と、対支戦線の両方に同時に兵力を貼り付けてはおけない。
東西両戦線のあいだを、兵員を満載した列車を走らせることで、人手不足を補おうというのである。
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Alex Lawler 記者による2023-3-7記事「Exclusive: Russian crude oil heads to UAE as sanctions divert flows」。
UAEがロシア原油を大量に買い取って売り捌いている。西側の対露制裁を弱める行為だ。
タンカーの動きのデータは基本的にすべて、筒抜けである。
そこからわかったこと。1500万バレルのロシア原油がUAEに引き取られている。
また、サウジアラビアは、ロシアから、燃料油を輸入して、火力発電所で燃やしている。
そうすることによって、自国産の原油から燃料油を精製する手間を省き、それだけたくさん、自国産の原油を輸出して一層稼ぐことができるのだ。
※ロシアからのこうした輸出はダンピング価格なので、大いに儲かるとはいえない。トータルでは、2022-2とくらべて2023-2のロシアのガス&石油輸出の稼ぎは「半減」したと、『ブルームバーグ』は報じている。制裁は、効いている。
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Herbert Maack 記者による2023-3-3記事「Ricin’s Round Two: Germany Prevents Another Islamic State-Motivated Bioterrorism Attack」。
ドイツ警察特殊部隊は1月7日に、32歳と25歳のイラン国籍の兄弟をウェストファリアで逮捕した。
こやつらは「青酸」ならびに「リシン」を使ったケミカル・テロを大晦日に計画していたという。
だが必要な原料を揃えられず、実行を日延べした。
それを最初に探知したのは米国FBIで、ドイツ警察は米国からの通牒により、こやつらを逮捕した。FBIは犯人のIPアドレスを追跡しており、それで居場所を絞り込めた。※表には出てこないがNSA案件やね。
ドイツ警察によるとこの兄弟はISのサポーターだという。
2015にドイツに入国。2016に「キリスト教に改宗したためにイラン政府に逮捕され収獄される」と訴えて、長期滞在権を得た。兄のほうは、それから2023までは犯歴なし。
弟のほうは、2019に酩酊して歩道橋から高速道路へ重さ10kgの木の枝を投げ落とし、懲役7年。
ところでリシンをどう使うつもりであったのか。じつは2018年にチュニジア人の夫婦が、某所において、「リシン爆弾」を炸裂させようとしたという。それはもし実行されていれば1万3500人を殺したかもしれないという。
この亭主は懲役10年、女房は8年を言い渡されたという。
この未遂事件もじつは、米国の情報部局からの通牒により、ドイツ警察が逮捕に至ったもの。
メルケル政権は、限られた警察資源を「極右」の監視にばかり投入させていたのだ。イスラミックのジハーディストの動きは、野放しであった。
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Defense Express の2023-3-6記事「The russian ‘Stealth’ Was Fake: Research Shows no Radar-Absorbent Coating on Kh-101 Missile」。
ウクライナ領内で撃墜した「Kh-101」の表面コーティングを解析したところ、ロシアは「電波吸収剤」をちっとも開発できていないことが判明した。
さらに「Kh-101」の機体は、アルミ合金を主材とし、一部にはステンレススチールを使っている。今日主流である複合材料は、ラダーとアンテナ(電波高度計と、衛星航法電波受信用)のカバーにしか使われていない。これでは「ステルス」には、ほど遠い。
機体外皮の「厚さ」を減ずることができれば、2ギガヘルツ~12ギガヘルツのレーダー電波を吸収できるのだが、ロシアの巡航ミサイルは、その「薄さ」を達成できておらず、レーダー電波を反射しまくりである。
Kh-101はステルスであるとロシアはさんざん宣伝していたが、実態はこのザマであった。おそらく「スホイ57」も、宣伝のみのステルスなのであろう。
Kh-101がステルスではないということは、露軍はこれを実戦で飛ばす場合には、ひたすら超低空飛行プログラムによるしかないということである。さもなくば西側諸国の防空レーダーによって容易に探知されて撃墜されてしまう。
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Defense Express の2023-3-6記事「Ukrainian Pilots in the US: Why It’s Not About F-16 But A-10 or Maybe Even More Interesting Options」。
報道では、ウクライナ空軍から米国に派遣された実験台のパイロットは、アリゾナ州のツーソンに所在する、と。それに該当するのは「デイヴィス-モンサン」基地しかない。
デビスモンサン基地には米空軍として唯一の「A-10」訓練部隊がある。まちがいなく米空軍は、ウクライナ空軍にA-10をくれてやるかどうかを、見定めるつもりだ。
もしF-16のパイロットを教育すると初めから決めているのなら、同じアリゾナ州でもフェニックス市近くのルーク空軍基地の方がはるかにそれに適している。それをわざわざデヴィスモンサンにしたというのは、A-10絡みだ。
※敵軍支配地の上空には決して入らず、そのずっと手前の低空から空対地兵装を抛り出してすぐUターンするという用法に撤するのなら、A-10でじゅうぶんである。それならSEADのフルセットを与える必要もない。今、ミル8でやっていることをA-10でさせるというだけだ。もちろん兵装は無誘導ではなく、終末誘導の滑空爆弾になるだろう。この用法に撤すると、とてもよいことがある。万一SAMに被弾して墜落するとしても、墜落場所はかならずウクライナ領内となる。だからパイロットは捕虜にならず、その口から米空軍のF-16教育の秘密がロシアへ漏洩することにもならない。米空軍は、早くお払い箱にしたくてたまらぬA-10を一掃してしまえる。他方でそのメンテナンス義務は発生するから、A-10関連工場のある地元連邦議員も満足する。
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Defense Express の2023-3-5記事「Israel’s Elbit to Supply the Unnamed NATO Country With the 155 mm Self-Propelled Guns And Missile Systems Worth $252 Million」。
欧州の某NATO加盟国が、イスラエルのエルビット社製に、155ミリSPや地対地ミサイルを2億5200億ドル分も発注した。
国名は伏せられているが、手持ちのSPをウクライナに寄贈してあいた穴を埋めるための発注であることは間違いない。すなわちその国はデンマークだろう。デンマークは「カエサル」を寄贈名目で厄介払いしたのだ。
※雑報によると宇軍が夜間にマルチコプターから60ミリの迫撃砲弾を投下するようになった。この迫撃砲弾は米国から供与されたものらしいという。こういう地味な弾薬援助が、今の戦況では、武器援助政策として合理的で正しい。訓練時間はほとんど不要で、整備教育も無用。無駄撃ちで費消されてしまうこともなく、即効的に着実に敵歩兵の数を減らし、敵軍の支配域を歩一歩と後退せしめ、戦争を終局に誘導するから。
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Ashish Dangwal 記者による2023-3-6記事「Japan Mulls ‘Ditching’ Fighter Jets To Intercept Intruding Warplanes; Will Test UAVs That Can ‘Hunt The Hunter’」。
『ニッケイ・アジア』によると、航空自衛隊は、「RQ-9 リーパー」もしくは「バイラクタル TB2」の購入を考えている。
これをしかもスクランブル用に使うのだという。まず無人機によって、侵入機が何なのかを見極める。中共は無人機を多用するはずなので、尖閣あたりで、いちいち有人機でスクランブルをしていられないから。
※私のアドバイス。イスラエルから適当なUAVを買え。イスラエルからいろいろなものをちょこまかと即買いするというビジネスライクな関係を、今から築いておけ。これが将来の役に立つ。米国からのFMSでは、カネをむしられるばかりで、しかもガチガチの守秘義務に拘束され、現場の不満度はMaxに高まるだろう。その点、トルコのメーカーは優秀で鷹揚で良心的なのだが、親分のエルドアンがぜんぜん信用ができない。しかもカナダとの関係でエンジンの維持にも不安がありすぎる。ウクライナのエンジンメーカーになんて頼れるかい、という話だよ。
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Alex Wilson 記者による2023-3-6記事「Destroyer USS John Finn arrives in Japan ahead of USS Shiloh’s decommissioning」。
イージス駆逐艦『ジョン・フィン』(アーレイバーク級)が横須賀に土曜日に入港した。
サンディエゴを発航したのが2月16日だった。
第7艦隊の、第71タスクフォースの、第15駆逐隊に入る。
このあと、イージス巡洋艦の『シロー』がパールハーバーへ行って退役する。その穴埋めなのだ。
2017進水の『ジョン・フィン』は「フライト II A」。最も早く2020-11に、SM-3のブロック2Aを発射して、弾道弾を迎撃してみせた。
艦名のもとになっている、ジョン・ウィリアム・フィンは、WWII中の海軍中尉として議会名誉勲章を受章した人物。真珠湾映画に出てくる、カネオエ飛行場でたったひとり、ルイス機銃にとりついて日本軍機を射撃していた、あの男である。
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Sam Hunter & Joel Elson 記者による2023-3-6記事「Terrorists Will Use Artificial Intelligence, Too」。
AIが「チャットGPT」のスタイルで、オンライン経由で即座にいかなる難題にも答えてくれるようになれば、テロはものすごくはかどるだろう。
たとえば、「毒ガスをてっとりばやく造りたい」とAIに尋ねれば、何をどこで調達してどのように調合すればいいのか、瞬時に、懇切丁寧に、教えてくれるわけだ。
したがってテロの企画者はもう、闇サイトで「化学の専門知識があってテロに賛同してくれるオーバードクター」などを探してリクルートする手間もリスクも必要がなくなってしまうだろう。
※ふと思ったのだが、「ChatGPT」が無料もしくは低廉料金で普及すると、「競馬」の予想はどうなるんじゃ? 「AI予想屋」という新商売ができるだろうが、無料のチャットGPTの的中精度がすぐにそれに追随し、さらには凌駕するという流れになるんじゃないか? ユーザーが「高倍率でなくてもいいから、着実に稼ぎたい」とAIに頼めば、広く大量に、安全馬券ばかりを、オンラインでAIが代行して買い集めてくれる。もちろん全国の地方競馬を網羅するのだ。重賞レースなどには目もくれず……。こういうプロギャンブラーの流儀を、もし、個人ではなく「企業」規模でやったらどうなる? 独自開発のAIを囲い込めば……? ケチな妄想がどこまでも膨らむぜ!