TOW-2Bを発射するHMMWVがウクライナ戦線で確認された。

 敵戦車の上空数mのところを水平に航過するだけで、真下向きのHEAT弾頭が2つ、炸裂し、T-72の天板に穴を開けてしまう。
 TOW-2Bの在庫は米本土に唸っているので、タマ切れの心配はなさそうだ。

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 Phil Clare 記者による2023-3-20記事「Air mobility and the war in Ukraine」。
   NATOのHAW(重輸送ウイング。ハンガリーに置いてある)は、3機のC-17を運用する。さいきん、ノルウェーから砲弾をウクライナへ空輸している。

 ドイツ空軍は、自国の各所からポーランドまで輸送機を飛ばしている。
 カナダもレオパルト戦車をC-17で欧州まで空輸した。

 NATOは、「アントノフ124」をチャーターすることもある。以前、英軍がアフガニスタンから撤収するときにも、この機体を借りた。

 ロシアがイランから武器弾薬を空輸で取り寄せるときには、「ボーイング747」やイリューシン機が飛んでいる。

 中共は、2022年にセルビアに「FK-3」というSAMを売ったとき、「輸-20」を6機、飛ばしている。
 2022-2-24当日には、RAFは数十ソーティをキーウとリヴィウに飛ばしてNLAWなどを補給している。
 2022-3にはNATOはC-17を30ソーティ飛ばした。

 それ以降は、NATOは毎月、C-17を10~12回飛ばして、宇軍に軍需物資を届けている。
 2023-2からは「A400M」型輸送機も、加わっている。

 RAFがいちばんよく使っている飛行場は、ポーランドの「Rzezsow」だ。
 おそらく同空港は、おびただしい爆発物の荷捌きを安全にできる環境が整っているのだろう。

 RAFのC-17がパキスタン北部のヌルカン空軍基地から、はるばるルーマニアの「Cluj」国際空港まで、122ミリ砲弾×5万発を運んだ12往復のミッション。イラン領空を迂回するために、オマーン→UAE→サウジ→エジプト領シナイ半島→キプロス→トルコ→ブルガリア→ルーマニアという空路を使った。

 RAFのC-17は、ヨルダン製の「RGP 32 ナシシャブ」対戦車ロット砲(弾丸コミだと10kg)を、アンマン空港からチェコ共和国のオストラヴァ空港、さらにポーランドまでも運んでもいる。

 げんざいまでのところ、英軍が運用するC-17輸送機は大活躍である。名実ともに空輸の主役だ。かたや、なぜか新型機の「A400アトラス」は、ほとんど活躍していない。

 C-17があることで、大型輸送機をもっていないあらゆる外国から、ウクライナが必要とする武器弾薬を、機動的に送り届けてやることが可能になっている。

 英国は、まさにC-17によって、ウクライナを救うことができた――と総括しても過褒ではない。

 ※極東には大部隊の米空軍さまがおられるので、日本がC-17を保有&運用する必要はなさそうだが、あれば、それに越したこともない筈。先島群島内の複数の飛行場にも、せめてC-17を受け入れやすくするための設備は、ひととおり整備をしておくべきじゃないか? 「タラップが無い」とか、言い訳になると思うか?

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 ディフェンスエクスプレスの2023-3-20記事「Finally There’s Answer to How Long It Will Take for Ukrainian Pilots to Master F-16」。
   米国に派遣されていたウクライナ空軍のパイロットが好い成績を示した。

 ウクライナ軍参謀総長のHolbtsovは『The Times』に語った。2人のウクライナ空軍のパイロットが、1台のシミュレーターで3週間のF-16教習を受けた。またその2人とは別の2人のパイロットは、実機の教習を受けた〔おそらく後者は操縦適性ではなく、モニター画面上で情況を判断しつつ、AWACSからの指図を承けて、AAMやASMを正しく発射する、シチュエーションアウェアネスとコミュニケーション適性を調べられた〕。

 その結論。彼らは6ヵ月未満でF-16を任せられるようになる。

 ウクライナ軍としては、俺たちは半年の教習でF-16にコンバートできますよ。だからF-16をめぐんでくれ、と主張したい。それを証明したと考えている。

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 G. Allen Brooks 記者による2023-3-9記事「The Demographic Challenge」。
   中共の人口統計で、遂に同国が総人口の逓減モードに入ったことが分かった。

 はやくも19世紀にフランスのオーギュスト・コントが予言している。西欧の出生率が低下することは、西欧が世界を支配できなくなることを結果するのだ、と。

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 Sakshi Tiwari 記者による2023-3-20記事「9 Chinese Workers Killed Right Before Xi Jinping’s Visit To Moscow; Russia’s Wagner Group Blamed For Attacks」。
   3月19日に、中央アフリカ共和国で、匪賊が、中共が出資経営するシンボロ金鉱山を襲撃。9人の支那人を殺した。この匪賊の背後には、反政府勢力に肩入れして金鉱利権を狙うワグネルが存在する。

 その数日前、カメルーン国境近くでは、匪賊が3人のシナ人を誘拐している。その申し開きをするためにトゥアドラ大統領が北京に飛んでいる。

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 Bill Gertz 記者による2023-3-16記事「Chinese military commanders refuse talks with U.S. admiral」。
   米太平洋軍司令官のアキリノ提督が木曜日にシンガポールで語った。
 中共の2名の地域軍司令官が、ペンタゴンのインドパシフィックコマンドの司令官との電話相談を拒否したと。

 中共の新外相は先週、中共と合衆国との戦争はこのままでは不可避であると語っている。

 そこでオースティン長官と地域軍司令官がそれぞれ中共のカウンターパートに電話しなければならんと考えたのだが、中共の地域軍司令官×2は話を拒否した。

 オースティンは11月に中共の大将(国防大臣)に面談していて、そのさい、アキリノと支那軍の地域コマンド(南方と東方)の2名の司令官が面談すべきことについて合意をしているのである。

 ※気球問題で熊プーから叱られたものだから、いまだに軍部は不貞腐れているのか。

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 ストラテジーペイジの2023-3-20記事。
   新型正規空母の『フォード』。22年末にようやく、耐水中衝撃波試験をクリアした。

 しかし2ヵ月間の公試運転のあいだにまた問題も見つかってしまった。
 電磁カタパルトと、電磁アレスター・ギアーは、いまだに完全ではない。

 それとは別にJBDに違反があることがわかった。
 ジェット・ブラスト・ディフレクター。
 飛行甲板上の固定翼機のエンジン噴射を、斜め上へ反射させて、後方の甲板員を安全にする起倒式の板で、『フォード』には4箇所ある。

 そこに、指定された軍用規格よりも低品質の、民間船舶用の部材が使われていたことが発見された。米国の軍艦造船所は、こうした、ちょろまかし背信行為を、いつまでたっても根絶することができない。

 弾薬用エレベーターの部品についても、同様のちょろまかしがあった。

 弾薬用エレベーターは7基あり、たいへん高速の仕様となっている。これらは、爆発の衝撃を受けても機能し続けなくては困る。そのテストの結果、不具合が分かり、5基は修正したが、2基がまだ残っている。

 旧『ニミッツ』級の弾薬エレベーターは、容量2.3トンで、毎分30m上がる。『フォード』の弾薬エレベーターは、10.9トンを載せて、毎分45mも上がる。

 このエレベーターの違いによって、空母が24時間内に発動できる戦闘ソーティは、3割も増えるのである。

 ※もうみんな、気付いている。《拡大しらね》型の、デカいが安いアーセナル軍艦の、水線下の弾庫からちょくせつ、大型の片道無人機をロケットで放出し、そいつが敵地の寸前でスタンドオフ兵器をバラ撒くようにした方が、トータルのコスパは好い筈だ――と。そこらの造船所で毎年1ダースでも建造でき、定期改修も、至極かんたんに済む。人件費はおそらく数十分の一となり、なにより、《空母の被弾沈没》という最悪事態を心配しなくてよくなるのである。それと、C-130の後部ランプドアから特殊パレットで巡航ミサイルをこれでもかと投下する《空中アーセナルシップ》の組み合わせで、対支戦争はもうOKだ。正規空母が何隻揃ったところで、それ以上の攻撃を、支那本土の奥地に対して、加えられるものではないだろう。