まさに、空飛ぶ榴霰弾。
クレイモアは相当な距離からソフトスキン車両も破壊できる。こんなドローンが雲霞の如く飛来したら、いくら鈍感な敵兵もパニックを起こすだろう。
クレイモアの類似品を量産するのだと用途を限るなら、その炸薬には、硝酸アンモニウム系の鉱山用ダイナマイト(の原料・素材)を転用したって、いいはずだ。
いくらケミカルの諸原料が品薄になっているといったって、民間の鉱山の発破薬や、畑の窒素肥料が、数百トンばかり、すぐ手に入らないなんてことは、ありえないはずだ。
西側の軍需産業界に、もっと機転の利く奴は、いないのか?
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Joe Gould and Jen Judson 記者による2023-3-22記事「US to fast-track Abrams tanks for Ukraine by choosing older version」。
ウクライナ軍のM1戦車乗員は、オクラホマ州のフォート・シルで訓練を受けることになるであろう。
ちなみに工場はオハイオ州のリマにある。
連邦議会内のウクライナ支援議員団を率いている、民主党所属でイリノイ州選出の下院議員マイク・キグリーは、新造戦車を2年後に売るなどというノロマなやりかたで輿論が納得すると思うのかとバイデン政権に噛み付いた。この工場を訪問したときに。
ウクライナ人に「投石によって露軍戦車と戦え」と言っているようなものだ。中古戦車を即座に供給しないならば。
これに対する米陸軍の公式説明は、前から同じだ。戦車を単体で与えてもまったく意味はないんですよ。パッケージが必要なのです。弾薬補給体制、修理体制、燃料補給体制、訓練のパッケージが。その準備は、もっか、最速で進めているところなのです。
※M978という、8×8の巨大な給油トラックを供与することにしたのも、その下準備。こうした特別なタンクローリーなしでは、M1はすぐ立ち往生する。
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ストラテジーペイジの2023-3-22記事。
今日、米海軍は人員34万人を擁し、軍艦300隻のうち半分を太平洋に置いている。
対する支那軍は軍艦240隻、人員20万人だ。
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ロイターの2023-3-22記事「Slovakia gets U.S. helicopter offer after sending jets to Ukraine」。
米政府はスロヴァキアに提案した。
スロヴァキアが古い「ミグ29」をウクライナに譲渡するなら、新品のベル社製「AH-1Z ヴァイパー」を、三分の一のディスカウント価格で12機、売りますよ、と。
ただしFMSで、しかも4年かかるらしい。パッケージ総額は10億ドル。そこに500発のヘルファイア・ミサイルも含まれる。
それと同時にスロヴァキアは、EUから補助金として2億5000万ユーロを受取るであろう。
スロヴァキアは2018年にF-16を発注しているのだが、いまだに届かない。納品は2024年といわれている。その前に「ミグ29」のリタイアが始まってしまっているのだ。
※スロヴァキア国内には、ドイツが宇軍に供与した「PzH2000」の修理工場もできる予定だ。
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John R. Deni 記者による2023-3-20記事「What NATO can do now to apply lessons from Russia’s war in Ukraine」。
NATOが得ている四つの大教訓。
ひとつ。西側流の「訓練+適切な装備+有能な指揮官」は、ロシア流の「ただの大量装備+ただの大量動員兵」よりも正しい道である。無駄な犠牲を出さないので。
ふたつ。精密なものは役に立つ。それがタマ切れにならぬうちは。
みっつ。レベル同格な敵軍相手の、非核の砲弾/ミサイルの平時準備量は、今、キミが考えている数量の3倍必要。
よっつ。同盟国が、キミの国を助けてくれる。だから同盟国は増やせ。
ではNATOのもっかの課題とその対策は如何。
ひとつ。対峙する露軍に対して最低でも「三分の一」の兵力が張り付いていないと、危うい。すなわち、バルト沿海諸国は、危うい。土地の縦深を時間稼ぎに利用できない場合、大量の精密誘導兵器を準備しておき、それによって米軍の来援までの時間を稼ぐほかにない。しかしそれでも不利である。
ふたつ。バルト沿海諸国には、平時から仏独伊英軍が展開していなくてはいけない。さもないと米軍の来援が来る前に露軍の初盤の猛攻が成功してしまうだろう。
みっつ。ロシアが国外から兵器弾薬を調達しようとする試みを、コバート作戦で妨害せよ。たとえばイランの無人特攻機の製造機械にマルウェアを侵入させる等。
よっつ。NATO域内のいたるところに事前に装備・弾薬を蓄積しておく努力がもっと必要。また欧州諸国のすべての弾薬工場は、常にラインを動かしているようにしないとダメ。平時の弾薬発注量を波打たせてはいけない。1年365日、来る年も来る年も、コンスタントに少量ずつ製造させる。その製造された弾薬は、ひたすら地下弾薬庫に溜め込み続ける。これならばロシアは手も足も出せなくなる。
いつつ。友邦諸国の工業力を平時から活用すべきこと。誰でも扱える、共用性が高い装備類や弾薬を、相互に調達しあい、ストックし合うのだ。これが有事の補給弾撥力を担保してくれるだろう。
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「mil.in.ua」の2023-3-22記事「Russia returns Soviet-era Т-54 and Т-55 tanks to service」。
やはりというか、T-54/55も引っ張り出されてきた。
無蓋貨車で運ばれているのが撮影された。
極東のアルセニエフ市に、第1295中央予備戦車保管基地がある。そこから。
第一転輪と第二転輪のあいだに隙間があることと、100ミリの主砲の「D-10T」の先端に筒状の排煙器カバーが覆っていることから、T-62とは簡単に見分けがつく。
撮影された車体は、砲塔上面に、皿状の「通気帽」(自然換気孔があり、ファンはついていない)が見えるので、T-44の相当に古いモデルと思われる。
※これも戦車が足りぬというよりは、余っている100ミリ戦車砲弾のストックを有効に使いたいがための、野砲代わりの起用なのだろう。
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Thomas Kika 記者による2023-3-21記事「Ukraine Drone Strikes Major Oil Pipeline Inside Russian Territory: Official」。
ブリヤンスク州(ウクライナ国境)の知事がテレグラムの公式アカウントでいわく。
トランスネフト石油会社のパイプラインのポンプステーションを無人機で攻撃されたと。
このドルジバ・パイプラインはソ連時代の建設である。
ドイツ、ポーランド、ハンガリー、スロヴァキア、チェコ共和国へも石油を送る。
攻撃された場所は国境からは7km離れている。
※時を同じくして、初めてカザフスタンの石油タンカーが、カスピ海を横断して、すなわちロシア系のパイプラインやロシア領の港の世話には一切ならずに、自国産の石油をちょくせつにアゼルバイジャンへ陸揚げした。そこから先、西欧へ売られる。
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Kaitlin Lewis 記者による2023-3-21記事「Retired U.S. General Reveals Where Ukraine Should Use U.S. Patriot Systems」。
ウクライナに供与されたペトリオットはどこに展開されるのか?
識者いわく。首都とオデッサ港の拠点防空に使うことが考えられる。
このSAMは最前線に出すようなものじゃない。狭いエリアしか守れないのだ。
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Mary Ilyushina and Francesca Ebel 記者による2023-3-21記事「Xi’s cocoon in Moscow: A Chinese-owned hotel over Red Square opulence」。
熊プーは、赤の広場に近い高級五つ星ホテルには泊まらずに、モスクワ北郊に昨年からシナ人が保有しているホテルに投宿した。
大々名の本陣にふさわしい設備が、そのフロアには整っている。
「The Soluxe Hotel」という。そのホテルが所在する町全体が「ゲイテド・シティ」。厳重な結界の内側は、すべてシナ人のビジネスセンターとなっているところなのだ。
建物は、中共のSoluxeチェーンが買収する前は、英国のインターコンチネンタル・グループが経営していた。
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AFPの2023-3-15記事「Russia woos foreign techies after exodus」。
ロシアからおおぜいのIT技術者が国外逃亡してしまって、ロシア企業が困っている。
そこでロシア政府は、これらロシア企業が、国外のIT技師をリモートで雇用することを自由化する。
内務省の決定。
デジタル開発大臣によると、逃亡した技術者の8割は、ひきつづいてロシア内企業のためにリモートで働いているのだという。
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Boyko Nikolov 記者による2023-3-21記事「Kremlin seeks $90/day workers to build construct trenches in Crimea」。
クリミア半島に要塞帯を建設するため、大工と土木作業員を大募集している。ロシア政府が。
eBayに相当するロシアのウェブサイト「Avito」で広告されている。
いつ爆弾が降って来るかわからない仕事現場だ。
塹壕建設作業員は、日当をさいしょは26ドル、腕が上がれば90ドル貰えるそうだ。ただし7000ルーブルの紙幣もしくは振込みだが。
酒とドラッグは厳禁。もし違反したら、報酬なしで追放される。