セワストポリ軍港が、海空から同時に奇襲を受けた。ウクライナの新型の無人特攻艇が投入された模様である。

 2023-3-22記事「Report: Russian Soldiers in Ukraine Face Increasing Payment Delays」。
   動員したロシア兵への給与の支払いが滞っているという苦情がますます増えつつある。中には、徴兵されてから一回も俸給を受領していないという兵隊もいる。

 ある批判者いわく。ロシア国防省が、役所としての業務がパンクしているのではないか。
 人事管理ができなくなっているのだ。かつてない数の動員で。

 ちなみに露軍の二等兵がウクライナ戦線に送られると、最初の月給は19万5000ルーブル、およそ2535ドルだという。ロシア本土の僻地の民間給与よりは、はるかに高い。それにさまざまな戦地勤務手当てや年功加俸がつけ足される……はずである。

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 ストラテジーペイジの2023-3-23記事。
    ノルウェーはロシアと直接に国境を接するNATO加盟国である。その国境の向こう側の露軍部隊を「コラ半島旅団」と俗称する。近くには、露軍としては数少ない、極地行動力のある歩兵旅団なども所在する。

 コラ旅団は3000人。1個旅団の中に、3個のBTG(大隊任務集団)と、1個戦車大隊が属する。
 歩兵はスキーおよびスノーシューで冬に活動できる。

 ただし露軍の徴兵は服役1年。その任期中にスキー技倆を十分に磨けるとは信じられない。

 コラ旅団は、全体として練度は高いので、軍上層の期待度も高く、2014のウクライナ侵略戦争で膠着した戦線に後詰めとして送られたことがある。しかしあにはからんや、宇軍の郷土防衛軍のために手痛い損失を喫し、すぐにノルウェー国境に戻されている。

 そして今次侵略戦争では、コラ旅団は、その半数(2個BTG)が、緒戦からハルキウ戦線に投入された。そして6ヵ月後、およそ1000人が戦死傷で欠員に。そこに、ほとんど未訓練の新兵が、続々と補充された。

 なにしろノルウェー国境から、留守本隊の様子を常続的に観測できるから、同旅団がどんなコンディションに陥っているかは、手に取るようにわかる。2022末までに、コラ旅団は1500人の戦死者を喫したと判定されている。

 露軍上層部は、エリート部隊であるコラ旅団が壊滅する前に戦地から引き揚げさせた。しかしこれから数年はかけないと、元の練度と装備内容には復旧をしないだろうと観察されている。

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 「mil.in.ua」の2023-3-23記事「Manufacturer’s permission is required to install reactive armor on Leopard tanks」。
    ラインメタル社がユーザー各位に警告。レオパルト戦車に勝手に爆発反応装甲を取り付けるんじゃねえ。それをやる前に、かならずメーカーに相談しやがれ。

 機甲の専門家氏いわく。宇軍が受領するレオ2は、車体の残り寿命が5000kmというところ。また、120ミリ主砲の砲身の残り寿命は300発から350発というところだろう(新品砲寿命は650発から750発)。
 しかし、レオ1の105mm砲であれば、残り寿命はもっとある。車体も5000km以上、まちがいなく走ってくれる。

 つまり中古をくれてやるなら、レオ2よりもレオ1の方が良い。そっちの資源はふんだんにあるからだ。
 レオ1の唯一の弱点は、防護力だ。複合装甲になっていない世代だから。

 「コンタクト-1」のようなERAを宇軍がとりつけることは可能だが、それによって砲塔の重さが1トン増える。そして問題は、重心が狂ってしまうおそれがあること。砲塔は精密機械である。だからむやみ勝手にとりつけられるのは困るのだ。

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 James Deboer 記者による2023-3-22記事「The Compelling Case For The AH-1 Cobra In A Fight With China」。
   海兵隊のマーヴェル大佐は「フォースデザイン2030」の担当者である。
 大佐いわく。われわれがもしウクライナでヘリコプターを運用するとしたら、今展開されている両軍の運用とはまるで違うモノを御見せすることになるだろう。それは深夜に一斉に、狙いすました打撃を敵に与える。

 海兵隊は「Hero-400」という十字翼のロイタリングミュニション(カタパルト発射式)を正式に採用した。ノースロップグラマン製。これについて大佐いわく。「なんでそれを空中のヒューイから放たないんだ。さすればもっと敵地の奥までついでに無人で偵察してくれるわけだよ。通信も空中同士だから遠達する。1機のヒューイを中心に、四方八方の索敵が同時にできちまう。こういうことをいうと、みんなの反応はこうだ。いや、そんなことできないですよ、と。馬鹿野郎と。俺たちは、人ができねえできねえということをぜんぶやってきたんだ」。

 大佐たちは、海兵隊のヒューイからソノブイを撒いて敵潜(仮設)を探知する実験までやった。島と島のあいだの狭い水道の監視くらいなら、それでじゅうぶんだと分かった。そのぶん、海軍のP-8やMH-60は、遠くの広い海を探索したらいい。

 島嶼作戦中のAH-1コブラに、空中給油装置のないC-130によって、燃料を給油してやる方法。
 C-130の後部ランプドアから、燃料3000ポンド入りの浮嚢を、海面に投下する。
 それは海面に浮いている。それを、どうにかして、島の波打ち際までたぐりよせる。
 コブラは島の海浜に着陸して、ホースを結合し、モーターポンプで給油してしまう。

 ※パラフォイルをGPS誘導させるシステムなら、いきなり陸上にゴム袋を落とすこともできそうだが、島嶼には強風がつきものだから、いちばん確実なのは、洋上に低空から転がし落とす方法なのか?

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 「mil.in.ua」の2023-3-23記事「Ukraine submitted a request for F/A-18 fighters to Finland」。
   ウクライナ政府はフィンランド政府に対して正式に、「そっちで退役させる予定だと聞くF/A-18 ホーネットを、俺たちにくれ」とリクエストした。ソースはヘルシンキの新聞。

 現状、フィンランドにはホーネットが62機ある。同国政府は、64機のF-35によってそれを2028年から2030にかけて逐次に更新する計画である。F-35の訓練は2025にスタートするが。