台湾はM60A3戦車用のエンジン460基を発注した。交換して寿命を延ばす気だ。

 Anatolii Schara 記者による2023-3-24記事「Drones, Tablets, Cigarettes: How Ukraine’s Reconnaissance Warriors Pinpoint The Enemy」。
   ドネツクから60kmの村にATVで出撃するドローン前進観測偵察班。少人数でひそかに最前線まで進出し、味方砲兵のために敵の高価値目標を発見しその座標を伝えるのが役目だ。愛用機は、DJIのクォッドコプター「Matrice 300 RTK」。脚もアームも太くてガッシリして見えるヘヴィーデューティー仕様で、4つのローター軸が、上向きではなくて下向きにとりつけられているのが、外見上の特徴だ。

 こちらの砲兵で破壊させたい目標は、最前線から4kmないし10km、引っ込んでいるところにあるのが通例である。まったいらで樹林や村落が散在する大平野で、それらを地上から視認することなどありえない。どうしてもドローンを飛ばし、空から偵知しなければならない。

 カーラジオをつけると、ロシアの宣伝放送の感度が高い。音楽の合間に、「ウクライナ軍部隊はパニックを起こして○○から潰走しました」といった、勿体をつけたアナウンスが挟まるのである。

 もしいつもロシアの宣伝放送を聞いている人がいたら、なんで今頃ワルシャワまで露軍が前進できていないのか、不思議でならないだろう。

 前進観測班には、無線によって、最前線の味方部隊からのリクエストが入る。こんな調子だ。「ロスの戦車数両、こっちの陣地を急襲してきた。砲兵で仕留められないか。情報くれ」。

 返答は短く「プラス・プラス」。意味は「リクエストを承知した。いま、仕事にかかる」。

 ドローンからの動画映像が、タブレットに表示される。丘の背面から露軍の戦車隊が突出して、主砲を撃ちまくりながら、宇軍歩兵の塹壕線へ迫っているようだ。

 観測将校は、味方砲兵に対して、弾幕射撃を指示する。
 砲弾が着弾するまでには、それから数分かかる。
 着弾が観測された。
 ただし、どれも数百mもの遠弾だ。
 ただちに照準点の修正を無線で指示する。

 さらに数分待つ。陣内の味方歩兵は、恐慌を来たしている。続く弾幕は、近弾となった。惜しい。そして、もう間に合わない。

 けっきょくウクライナ軍歩兵は陣地を捨てて後方へ退却するしかなくなった。戦車の移動スピードは、野砲のタマよりも速いわけである。これが実戦のスケール感覚なのだ。PGM砲弾でない限り、突進してくる敵戦車を、こちらの榴弾砲の間接射撃で止めることはできぬ。(林内にずっと停止している敵戦車なら破壊のしようがあるが。)

 ※宇軍歩兵には露軍AFV総数をも上回る対戦車携行兵器が供給されていたはずなのに、すぐ無駄撃ちして射耗してしまうせいで、いまや自動小銃だけで陣地を守備しているわけか?

 第三回目の斉射のチャンスはなかった。露軍戦車はすぐ移動して姿をくらました。しかも、こっちの観測UAVを1機、撃墜すらした。

 このようにして、砲兵隊所属のドローンFO班は、毎日、複数機のドローンを、喪失し続けているという。これが最新戦場の現実なのだ。

 前進観測班も、ATVで移動しているから、敵UAVから見つけられるのは時間の問題である。発見されると、こんどはFO班の上に敵の野砲弾が降って来る。さいしょは500mくらい離れて落ちる。が、その次は修正されるはずだ。すぐに河岸をかえなくては!

 観測班が急いで立ち去った後に、味方から無線で知らされた。もといた場所を、露軍の戦車×5両、BMP×7両が、急襲したという。相手も手練らしい。

 宇軍の歩兵が、敵戦車×1を「Stugma」対戦車ミサイルで撃破したという無線報告が入る。
 しかし全般情況は、まずい。味方は総退却中だ。

 ドイツから供与された155ミリ自走砲の「SP2000」は、間接射撃であっても、低速運動中の敵戦車を第1射から夾叉できる。この精度は助かる。第2射で、露軍の先頭の戦車の内部の弾薬が、衝撃波で誘爆したのがタブレットの動画で確認できた。露軍戦車にはこの弱点があるので、味方の155ミリ砲弾は、直撃する必要はないのだ。

 このように、当たらない大砲100門よりも、当たる大砲1門の方が、100倍以上の価値がある。
 しかし、この「SP2000」に、すべての味方部隊がこぞって砲撃を頼むようになったら、どうなるか?

 1両のSPが短時間に多数の目標を次々に撃砕するなんてことは、理論上はともかく、現実には無理なのである。車載コンピュータの情報処理能力がパンクしてしまうのだ。

 ※メドベージェフは、本年末までに、戦車を1500両新造する、と何の根拠もなく公言した。

 ※ロシア軍発表。今年じゅうに、サモワール(お茶沸かし器)を500個製造するから、最前線の部隊はたのしみに待っておれ。

 ※ウクライナの新兵器の動画がユーチューブにUpされた。82ミリか120㎜にも見える迫撃砲弾を1発、すっぽり収める垂直の筒。その筒を取り囲むように4軸のローター。すなわちクオッドコプター。これを飛ばして、敵戦車の上から迫撃砲弾を落とす。自爆機ではなく、爆撃機。

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 Howard Altman 記者による2023-3-21記事「Ukrainian Drone Pilot’s Frontline Account Of Fighting Via Eyes In The Sky」。
   ウクライナ軍の郷土防衛軍の中尉。DJIの「Mavic 3」を駆使して、対峙している露軍の120ミリ迫撃砲の位置を上空から発見するのが任務である。

 敵の砲撃が始まると、彼らは塹壕には入らない。というのは、むしろ、センサーをフル動員する必要があるからだ。そのセンサーには「じぶんの耳」もカウントされる。音源標定によって、敵迫撃砲陣地の方位のおおよその見当をつけ、ドローン索敵線を絞り込むことができる。

 移動している間に、味方からの無線を聞き逃すかもしれない。だから、塹壕にはとびこまないで、ドローン索敵の仕事に集中し続ける。

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 ディフェンスエクスプレスの2023-3-24記事「Conceptual Advantage of Ukrainian Stugna Over russian Kornet in One Video」。
    ウクライナ国産の「Stugma」対戦車ミサイルは、ラーンチャーから有線で50m離れた場所から誘導するので、発射点が暴露しても、いっこうに平気である。
 かたやロシアの「コルネット」対戦車ミサイルは、射手はラーンチャーと同じところにいて、命中するまで誘導を続けなくてはならないので、不利。

 どちらも、レーザーポインターで標的を照射することにより、ミサイルがその反射源に向かうシステムとなっているが。

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 Sam Skove 記者による2023-3-23記事「Using Starlink Paints a Target on Ukrainian Troops」。
   露軍の対電子戦力はあなどれない。
 宇軍が前線で「スターリンク」のセットアップをするや、すぐにそのパラボラの位置を標定できるようになった。

 だから今ではウクライナ軍は、総司令部に重要な緊急通信をする必要があるとき以外は、最前線では「スターリンク」を使えなくなっている。

 スターリンクは上空の周回衛星を探しながら信号を送受する必要のあるもので、あまり安定的とはいえない。テキストメッセージの送受には頼りになるが、たとえば動画のようなものだと、あやしくなる。

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 Alex Horton and Anastacia Galouchka 記者による2023-3-24記事「Between Avdiivka and Bakhmut, Ukrainian forces fight Russia on tough terrain」。
    ドネツク東部の対峙線では、露軍のスホイ25が、宇軍の塹壕から300mのところに「ミサイル」を発射してくる。
 塹壕は、松の丸木で天蓋をこしらえてある。

 露軍の塹壕線は、こっちの塹壕から400m~500m向こうにある。
 2014年からこの情況が続いている。これを変えようという露軍の攻勢が、バフムトに向けられているのだ。

 ※天蓋に覆土を厚く盛り上げているわけでもなく、コルゲートメタルで補強しているわけでもない、ほぼ土工だけの簡易な築城工事で、直撃弾を喰わずに9年間も対峙? どんだけ不良品の迫撃砲しかないんだ?

 対峙線付近は、ゆるやかな丘陵が波打ったように連なっている。これが宇軍の防禦にとても都合が良い。

 スホイ25は超低空でやってくる。丘陵地形のせいもあり、宇軍のレーダーではほとんど探知できない。
 と同時に、その空対地攻撃も、ほとんど宇軍の埋伏地点をとらえることはできない。

 丘の高い場所から遠くを見晴らすことも難しい。植生に邪魔されて、視程がたったの65フィートしかなかったりするのだ。

 宇軍の対戦車ミサイル班は、4名からなる。「Skif」という国産ATGM。森林内を、神出鬼没に進退する。

 この対戦車ミサイルで敵の歩兵を狙うこともある。たとえば、露兵3人がひとつの塹壕を掘っているのが見えたとする。これは、ATGMで撃っても可い。

 ※フォークランド戦争当時、英軍が有線式の対戦車ミサイルで敵MG巣を始末したという話をきいて、なんという贅沢を決断したものだと感心したものだが、今日では、特に葛藤もないありふれた選択となってしまった。


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 2023-3-23記事「Wagner Group To Shift Focus From Ukraine War After Military Feud, Heavy Losses ―― Bloomberg」。
    ブルームバーグが木曜に報じた話。プリゴジンは、ワグネルをウクライナ戦争ですりつぶしたくない。
 むしろアフリカ全土で金鉱や石油を支配してカネを儲けたい。そろそろそっちにシフトする。

 ワグネルが進出済みの諸国は、スーダン、中央アフリカ共和国、マリなど。

 ショイグを中心とする露軍上層が、プリゴジンを警戒し且つ反発もしているため、ワグネルはすでに、刑務所から囚人を徴募することができなくされてしまった。

 バフムトの鉱山を支配できず、それどころか、砲弾補給も受けられずにますます歩兵を磨り潰した挙句に敗退し、露軍上層から嘲られるという図は、プリゴジンにとっては愉快じゃない。

 囚人を集められないとすると、徴募条件をもっと魅力的にしなければならない。それにはアフリカに行けるぞと誘うのがよさそうだ。契約期間は9~14ヵ月。

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 2023-3-24記事「Production of ammunition at the Raufoss Nammo enterprise」。
    ノルウェーの砲弾工場が電力不足の危機。
 原因は、近くに「TikTok」の巨大データセンターが建設されようとしているから。そのサーバーに電力が吸い取られてしまいかねないという。

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 KIM TONG-HYUNG 記者による2023-3-24記事「North Korea claims ‘radioactive tsunami’ weapon test at sea」。
    朝鮮中央ニュースエージェンシーが金曜日に報道。海岸の水中に水爆を配備、もしくは、水上艦船によって水爆を曳航させ、敵に分からないように作戦海面へ運び、そこで水中核爆発を起こして、米空母艦隊をやっつけたり、敵の大きな軍港に放射性の津波を浴びせる。その水爆を運搬できる無人潜航艇のテストをしましたよ、と。

 この水中無人機は「Haeil」という名だそうである。高潮もしくは津波の意味だと。
 『労働新聞』にはその写真が出ている。大きな魚雷形である。

 韓国情報部によれば、火曜日に黄海沿岸で、北鮮が実験したそうである。UUVを60時間、水中で移動させて、韓国の軍港と仮想した港の中へ至らしめ、そこで試験用の弾頭を炸裂させた。

 北鮮は日曜日に発表。地下サイロから短距離弾道弾を発射し、その弾頭を海面の上空800mで炸裂させたと。

 北鮮はいまだに、長射程の弾道弾を目標の地上の数百m上空で起爆させる実験をしたことがない。水曜に高度600mで擬製弾頭を炸裂させたのは巡航ミサイルなので、これまたやはり、何の技術証明にもなっていない。

 長射程の核ミサイルを射つと、大気圏に再突入した後、適宜の高度で弾頭が起爆してくれず、そのまま地面に激突してしまう可能性があるのである。北鮮の現況では。

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 Inder Singh Bisht 記者による2023-3-23記事「Aeralis Partners With Japan’s ShinMaywa for Digital Engineering」。
    英国のジェット機開発会社「アエラリス」は、日本の新明和と組む。
 航空機設計をデジタルで半自動化する。

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 Max Hunder 記者による2023-3-24記事「Inside Ukraine’s scramble for “game-changer” drone fleet」。
    マイクロソフトの元重役が、宇軍のために、長距離自爆飛行機を開発し製作してやっている。片道3100kmの無人特攻攻撃が可能である。

 ペイロードも、最大300kgのものを製造している。
 値段は1機、15万ドルから45万ドル。安くない!

 ウクライナ国内には現在、80社以上のドローン・メーカーが所在するという。

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 Stephen Losey 記者による2023-3-24記事「‘The ability to stare’: Why the US Air Force is eager to get the E-7」。
    米空軍は、「E-3セントリー」AWACSの後継として、「E-7A」を最大26機、ボーイング社から調達することを決めた。

 豪州空軍はすでに「E-7 ウェッジテイル」を運用している。

 E-3のように、背中のレーダーを物理的に回転させる方式だと、レーダー情報が更新されるまでに、10秒(1回転に要する時間)もかかってしまう。これが、今日ではもう、時代遅れのスペックなのだ。

 E-7はレーダーを物理的に回転させず、フェイズドアレイが高速スキャンする。

 もし26機買うとなると、最終納品が2032年だ。

 トルコ、韓国もE-7を運用中。英空軍も発注済み。
 「ウェッジテイル」は豪州のみの名前で、米空軍はまだ呼称を考えていない。

 E-3は、機体の母体が民航機の「ボーイング707」、そしてエンジンが「TF33」だった。これがもう古すぎるために、メンテナンスに金がかかるようになっている。スペアパーツがもう民間市場になくなっているわけ。

 E-7のレーダーは、同時に10個の別々な目標を、凝視し続けることができる。
 E-7の母体機体は、「ボーイング737」型機である。

 古いAWACSは、フライトクルー×4名、プラス、ミッションクルー×13~19名も必要だった。
 新しいE-7は、操縦に2名+ミッションに3名~10名で済んでしまう。
 交替要員用の座席や寝床にも余裕がある。

 E-3のパイロットは、自機の周囲の情況を、レーダースクリーンによって承知することはなかった。
 E-7のパイロットは、それを承知できる。敵機と味方機が今どこにいるのかを。

 ※スロヴァキアはロシアにまったく遠慮会釈せず、ミグ29をダイレクトにウクライナの空軍基地までフェリー飛行させた。

 ※RC-135がフィンランド領空を飛び、国境付近の露軍の配置を確認した。

 ※「トポルM」を運搬する特殊車両のエンジンを製造している工場で大火災。以上、雑報による。