シャヘド136は小銃でも撃墜できることが実証されている!

 ソースは、RadioFreeEurope=レディオ・リバティー が Upしている宇軍の動画。
 自動小銃には、レッドドットサイトをとりつける。
 スポッターが別にいて、飛来方位と距離を教えてくれる。
 「シャヘド136」の巡航高度は150mで一定である。
 それをレンジ200mから射撃開始すべく、サイトを調整しておく。

 なんと、夜間なのに、しっかり撃墜できている。驚くべし。

 陸自も、ドットサイトを制式採用して、射撃の上手い小銃手に、使わせるべきじゃないか?

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 Inder Singh Bisht 記者による2023-3-24記事「Turkey Unveils Indigenous Kamikaze Drone」。
    トルコのメーカーである「ロビット・テクノロジー」社が、長距離無人特攻機をもうじき完成する。
 名称を「アザブ」という。

 飛行試験はすでにおわっており、続いて、弾頭の実爆テストに進む。数ヵ月後には、量産に移行できると期待する。その頃には、世界中からの注文を受け付ける。

 「アザブ」は、「シャヘド131/136」と似た、デルタ翼のロイタリングミュニションだ。
 シャヘド同様、大小2タイプを製造する。大はウイングスパン2m、小は1.5mだ。

 離陸重量は55kgで、そのうちの最大ペイロードは15kgである。
 「アザブ」の後続距離は500km。高度は3000mまで昇れる。
 搭載カメラからの動画の無線は、200km後方で受信できる。

 射出は、地上に置いた電動のカタパルトによるという。
 また、脱落式の補助ロケットによって、車両上から射出することもできるようにする。

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 ストラテジーペイジの2023-3-25記事。
    露軍の軍事雑誌を丹念にフォローすると、「住民殺し」に関するドクトリンの変化を辿ることができる。寄稿者は、露軍のエリート将官たちだ。

 ウクライナの前にはシリア、その前にはチェチェンで、いろいろなドクトリンが、その通り実行されている。だから、ロシアの軍事雑誌にドクトリンについて何かが書かれていたら、それは注目しておくとよい。

 顕著な変化が、2021年以後に起きた。
 それ以前にも、露軍は、「(住民含めた)皆殺し」を平然と実施する性向はあったが、それはドクトリンとしては定義がされていなかった。

 2014年に喰らった西側からの経済制裁が露軍内でも効いてきたのが2021年だった。クリミアを侵略したせいでじぶんたちは貧乏軍隊になったと彼らは自覚した。

 である以上、意識して「何でもあり」に努めなくてはもはや勝てない。ジュネーヴ条約の国際法など無視せよ。

 ロシアは、インターネットを通じて世界の情報を左右してしまえる力を築いた。だから国際法を破っても、それはいくらでも隠蔽することができるので、もう気にかける必要はない。

 こう確信できるようになったのは、シリアでの経験が大きい。シリア内戦では、政府軍も反政府ゲリラも無法者の集まりばかりなので、その中の一プレイヤーである露軍の国際法違反などは、霞んでしまうのだ。じっさい、国際世論は、シリアでの「住民まるごと町爆砕」戦術について露軍をほとんど非難していない。どっちもどっちじゃねえかと思っている。

 西側空軍は、都市ゲリラを空爆するときにはいちいち住民に気を遣って、高額で低威力な誘導兵器を投ずるが、露空軍は、あえて強力な無誘導爆弾をバラ撒いて町と住民ごとゲリラを皆殺しにする。これは、ドクトリンなのである。

 露軍雑誌で強調されているその他のこと。作戦会議は、ビデオ会議化せよ。それで決心をスピードアップせよ。
 新支配地で鹵獲した土工用重機を活用せよ。
 民間軍事会社をフルに使え。

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 「mil.in.ua」の2023-3-25記事「Poland supports procurement of ammunition for Ukraine outside the EU」。
    ポーランド政府は、宇軍への弾薬補給のために、EU域外から155ミリ砲弾を代理調達する。
 具体的な買い付け先としては、韓国とイスラエルがまず考えられるが、他にもいろいろありそうだ。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-3-25記事「Ukraine ‘loudly’ wants F-16, but secretly trains Mirage 2000 pilots」。
    『フィガロ』紙によるとフランスはすでに1ヵ月半前から30人ほどのウクライナ軍パイロットを受け入れて「ミラージュ2000」の操縦法を教えているそうである。場所は、モンドゥマルサンとナンシーの航空基地。

 「ラファール」をくれというウクライナ国防省のずうずうしい要求には応えないが、ミラージュ2000ならば考えてやってもいいという姿勢なのかもしれない。

 フランス空軍では古い「ミラージュ2000」をもう使っていない。しかし過去に他国に売った分をまた買いもどすことは可能である。インド、UAE、台湾、ギリシャ、エジプト、ブラジル、カタール、ペルーにはその在庫があるのだ。

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 Konstantin Toropin and Thomas Novelly 記者による2023-3-24記事「Military Quietly Stops Buying Ospreys as Aircraft Faces an Uncertain Future」。
   米海兵隊、海軍、空軍の予算案内容が判明し、オスプレイの新規調達はゼロであることが分かった。米軍は、オスプレイの飛行隊を拡充する意思は無いのだ。

 既に受注している分の納入は2025年まであるはず。が、そこで打ち止めということだろう。

 部隊運用は、2050年代まで可能である。メンテナンス予算がつくならば。
 しかし調達打ち切りのそもそもの原因が、メンテナンス費用の膨張と、低すぎる稼働率なのであるから、現役期間はもっと短いかもしれない。

 2月に報じられたこと。オスプレイのエンジンとギアボックスをつなぐパワーのリレーが、思ったよりも早く機械疲労してしまう。その部品は、まるごと交換をし続けるしかない。

 ※燃料入りのゴム袋を、超低空飛行のC-130から海面へ転がし落としてやるという対ヘリ戦地給油技法については24日の本欄で紹介したとおりだが、CH-47チヌークは海面に自由に着水&離水もできるのであるから、空中受油プローブを増設しなくとも、この「ゴム袋給油法」で、洋上給油や海浜給油をしたっていいわけだよね。ただしその場合でも、波高や強風が問題になる。

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 Loren Thompson 記者による2023-3-24記事「Army Failure To Embrace Chinook Helicopter Upgrades Endangers Industrial Base」。
   米陸軍のCH-47Fは2060年代まで現役のはずだが、陸軍上層はその系列のままさらに使い続けるべきかどうか迷っている。

 現状、チヌークだけが、M777榴弾砲や、LTVをスリング吊下して飛行できる陸軍ヘリだ。

 もし、チヌークの性能を倍化させる次のブロックの開発はしないということになると、フィラデルフィアにあるボーイング社の回転翼機工場の、製造能力の維持・継承は、難しくなるだろう。
 というか、その場合、同工場は、閉鎖されてしまうはずである。ボーイング社はこの機種以外のヘリコプターをもう製造していないので。

 ※川崎重工が、チヌークの寸法を半分とか四分の一にそっくり縮小するコンセプトで、輸送専用のドローンを研究していたなら、いまごろ世界市場を制覇できていたと思う。タンデム・ツインローター機の強みは、多少の波があっても海面上で機体姿勢の安定を保ち易く、且つ、安全に離水できることである(シングルローター機だとピッチング動揺を制御し難い)。空気の薄い高山でもホバリング揚力に余裕がある。しかし、機転の利く経営者がいないと、そんな「コア・コンピタンス」にも気付けぬ。今からスタートしても当然もう遅い。チャンスはあるだろうか? おもいきってサイズを10分の1以下にし、オフザシェルフの発電用ガスタービンで2軸のローターを回したらどうか? それならば開発時間も至短化できるはず。

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 Gabriel Honrada 記者による2023-3-24記事「Australia satellite mesh to track China’s subs and hypersonics」。
   『ガーディアン』紙が報じたところによれば豪州国防省は、小型人工衛星群と地上局で網の目を構成し、それによって中共軍の策動を逐一モニターしたいと考えている。

 特に、弾道ミサイルや、ハイパーソニック弾を豪州に向けて発射してくるのを、いちはやく探知する。

 『ガーディアン』によると、各衛星はレーザーによる秘匿通信中継の機能を有するほか、海中の潜水艦を探知することもできるのだと。

 豪州国防省はすでに昨年、「宇宙コマンド」を創設している。

 ※想像するに、パッシヴのソノブイを長寿命化させたようなUUVを太平洋に散在させ、そこから無線で定期報告されるセンサー情報をニア・リアルタイムでASW解析基地に集めるのに、LEO通信衛星のコンステレーションを使おうというのではないか? ……ところで、対支のASWでも、無人の小型チヌークは大活躍できるはずなんだ。着水してディッピングソナーをおろせるし、UUVの揚収だって、思いのままなんですよ。このシステムがあればSSNも要らない。対地攻撃も、無人チヌークから巡航ミサイルを乱射させれば可い。つくづく川重の先見の不明がもどかしい。