前後二重連の装軌APC「BvS 10」が28両、宇軍に引渡された。泥道スペシャルだ。

 最前線近くでも随時に兵隊が休息できるように、ロードクリアランスを特に高くし、キャビンのみ全周防弾するが、その余については側面と天板を薄っぺらなスチール板で囲っただけの、《待機に特化》した簡易装甲トラックがあるといいだろう。荷台の底板だけは、しっかりとした防弾装甲鈑にする。兵隊は最前線ではその車内で寝るのではなく、車体の床下に潜り込んで、地面と防弾底板との間で、寝るわけである。これでドローン擲弾の直撃や、遠距離の榴弾炸裂破片からは、確実に防護され得る。

 念を入れたくば、その寝床となる地面を円匙で浅く掘り、おのれの身体をとりまくように低い「堤」を盛っておいたら、気休め程度ながら、土嚢壁の代わりになるだろう。

 この「休息支援装甲車」の車内には弾薬類や予備燃料は置かないようにする(すべて車外固縛)。さすればもしATGMに直撃されても内部爆発には至らない。被弾時に床下で休憩していた歩兵は、様子を見て這い出して、近傍の別な掩護物に身を隠し直すだけの、時間の余裕も稼げる。

 この「休息待機支援用簡易装甲トラック」の底板の断面形状は、V形では、まずい。逆に∧形でなくては、側面からスプリンターが飛び入ってきてしまうだろう。

 しかし∧形断面だと、こんどはIEDの爆圧を、いなしにくくなる。

 そこで、車体の平面中央に「チムニー」を設ける。車体のまんなかを垂直に縦貫させる空洞構造だ。もしも左右どちらかのタイヤが地雷を踏んだ場合に、爆圧は、∧形の車体底面に吹き溜まろうとするが、チムニーのおかげで、そのまま天板の上までガス圧が抜けて行ってくれる。

 敵の小型ドローンがこのチムニーを逆手にとって擲弾などを投入しないように、チムニーの天端には、菱形金網を鳥の巣状に丸めたものを載せておくとよい。シャッポを被せるわけだ。

 さらに、このチムニーを、せっかくなので、「アースオーガー」を縦貫させるスペースとして活用する方法も、考える。この簡易装甲トラックがそのまま、タコツボ掘りを手伝う簡易工兵車両ともなるはずなのだ。小隊に1両、ユニック型を混ぜれば、それは簡単に実現する。

 土掘り用のドリルと、チムニーの内壁のあいだには空隙がある。だから、まさに土工の作業中であっても、車体下からの爆圧を空へ放散させるブラスト逃がし機能は、いくぶんは働いてくれるだろう。

 いっけん、武器には見えないこのようなトラックなら、対外現物援助用としても適切である。それは軍隊だけでなく、戦災地の民間人の救済にも役立つのだ。

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 Joe Saballa 記者による2023-3-31記事「Japan Unveils Anti-Drone Laser Weapon Prototypes」。
    DSEIでお披露目された日本企業の、対UAV用レーザー高射兵器2種。

 三菱重工のは、10キロワットのファイバーレーザーで、繰り返し照射可能。射程は1.2kmという。
 小型なので、車両や船舶に後付けができる。

 川崎重工のは、100キロワット。巨大電源と水冷システムが必要であるため、専用トレーラーに乗せる。
 標的探知と照準には赤外線カメラを用いる。レーザーはマイクロメーター波長のファイバーレーザーである。
 川重はこれを先月、評価試験用に防衛省に提出したという。
 そのテストは、4月から実施される。

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 Laura He 記者による2023-3-31記事「Chinese cities are so broke, they’re cutting medical benefits for seniors」。
    熊プーのハチャメチャな「ゼロコロナ」政策のおかげで、中共の大都市の保健財政はすっかり破綻してしまった。特に、新コロの検査(全住民を対象に繰り返し実施)に莫大な費用が使われてしまったのが響いている。

 やむをえず、労働者の老齢年金の支給開始年齢を、引き上げねばならなくなっている。とうぜん、こんな政策を歓迎する市民などいない。高齢者の再就職は中共でもおそろしい競争率で、たいへんなのだ。フランス人ならもう暴動を起こしている。

 すでに1月からは、健康保険でカバーする医療費の金額を圧縮した。これで、街頭デモが発生している。

 中共中央政府の2022年の債務は、米ドル換算で18兆ドルという。

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 Michal Bruszewski 記者による2023-3-24記事「Key Ukrainian Minister Losing His Position. Will He Become an Ambassador to China?」。
    ウクライナの税関長だったパウロ・リヤビキンは、運輸副大臣、駐デンマーク大使を経て、戦略工業大臣となっていたが、それがまた解任された。こんどは中共駐在大使にされるという。

 戦略工業省は「ウクロボロンプロム社」(改名して「ウクライナ防衛工業」)と一心同体。

 ※中共軍はウクライナ製の各種ガスタービンエンジンを輸入したいはず。なので、ウクライナ政府としては、それをどれだけ外交の梃子として利用ができるか、必死で考えているところだろう。

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 Elisabeth Gosselin-Malo and Sebastian Sprenger 記者による2023-4-1記事「EU scrutinizes Emirati takeover of Estonian robotics firm」。
    欧州委員会は、調査に乗り出した。エストニアの陸戦ロボット兵器メーカーが、アラブ首長国連邦の企業によって買収された件について。

 この買収についてエストニアの国防省は、直前まで知らなかったという。

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 「mil.in.ua」の2023-4-1記事。
    なぜATACMSをウクライナにくれてやらないかについてマーク・ミレー大将が説明した。
 単純。それは米陸軍が必要としており、全体の数が少ないからだ。

 かわりに英国製の良い自爆ドローンがある。宇軍はそれを使えばいいじゃないか。

 ※雑報によると、駐トルコの日本大使「すずき・かずひろ」以下、数名の大使館員らが、バイラクタル社を訪問した。

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 ディフェンスエクスプレスの2023-3-31記事「What is the Point of Adding Reactive Armor on Leopard 2A4: Who Made This Before and What the Conclusion Was」。
   ERAの弁当箱は1個が5~6kgの重さだが、これを支持する鉄枠の重さが別にかかる。
 それで、こうしたリアクティヴ・アーマーをフルセットで戦車に装着すると、重さは1.5トンから2トンにもなる。

 そこで「レオ2A4」のユーザー各国は、既存の装甲を一部はがして、そのかわりに新装甲をとりつけようと工夫するのだが、これは時間もカネもかかる。

 ポーランドは、「レオ2A4」の元からの装甲はいじらずに、その表面に追加装甲を増着する道を選んだ。結果、全重が59.2トンになった(2PL型と称す)。

 ERAだけの貼り付け工事だとしても、57トンになるという。

 ※特攻型UAVやマルチコプターからの投下爆弾に対抗する簡易且つ軽量な防護として、菱形金網を不規則にまるめて圧縮した「鳥の巣」をAFVの天板上に乗せる方法があると思う。ERAでは天板防禦ができないことは、無数のビデオで証明されているのだから、誰かがこれを試すだろう。サーマルイメージのマスクにも役立つはずだ。砲塔センサーとの干渉は乗員が工夫して排除するしかない。

 ※エイプリルフールねたとして、今年は「T-34の魔改造型が出る」というイラストが海外SNSに上がっている。まさか信じちゃった人はいないよね?

 ※こんなコピペもあった。「エイプリルフールの起源は、チャールズ・エイプリルにちなんでいる。彼は生涯に56の事業をてがけたが、騙されやすく、父の遺領をすべて失ったという。彼の妻もその愚かさにあきれて、1年にして彼と別れた。チャールズは、常にあらゆるフェイク・ストーリーを読んでいた。ちょうど今、キミが読んでいるような類のね……」。

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 ストラテジーペイジの2023-4-1記事。
   2022-2-24の開戦時にウクライナの港湾に所在していた諸外国の商船は、とつぜん、困ったことになった。貨物船のオーナー、そして運航している会社としては、一刻もはやくその船を安全圏へ引き揚げさせたいが、出港してもしなくても、ロシア軍のミサイルが、外国商船めがけて飛んでくるのだ。

 その隻数は100隻に近かった。船員は2000人以上が、狂犬軍隊からの無差別攻撃の危険にさらされた。
 そしてなんと開戦から1年過ぎた現在でも、331人の船員と、61隻の商船が、いまだに黒海沿岸の港内から脱出することができないでいるという。

 これは運行会社の幹部が、港外に出たところでミサイル攻撃を受けて船を破壊されるリスクを重視するためだという。
 それら船員は、身ひとつで逃げようと思えば陸路と空路によって脱出は可能なのだが、運行会社からボーナスを約束されて、船の保守管理のために、そこに残ることを選択しているという。

 そして、ほとんど報じられてはこなかったが、その残留船員のほとんどは、ロシア人とウクライナ人なのだという。
 ロシア人船員は、1991ソ連崩壊直後の大失業時代に海外に職をもとめ、そこで船員になることを選択した者たちだ。

 これらロシア国籍の船員たちにも、召集令状が届くことがある。しかし船会社が文句をつけると動員を免除されることもある。そうした基準がはっきりせぬため、皆、混乱させられている。

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 2023-4-1記事「Ukraine launches online course on modern military training」。
    ウクライナ軍は、青年が入営前に、新兵としてのベーシックな知識を予習できる動画の教材を用意した。
 青年たちはこれを各自でダウンロードし、空いている時間にオフラインで視聴すればいい。Wi-Fi 環境がなくとも、これなら便利だ。

 実際に製作したのは各専門分野のボランティアたちである。戦場での応急処置についても教える。
 このビデオ教習コース、トータルで13時間。

 歩兵の戦技については、2014いらい露軍と実際に戦闘を重ねてきた教官たちが指導するので、役に立つ。

 ※「武器は離すな我が身から」。これ大事。平時の常識の逆だから、繰り返し刷り込む必要がある。