David Brennan 記者による2023-4-3記事「Assassinated Russian Blogger ‘Wrote the Truth,’ Says Top Putin Ally」。
サンクトペテルスブルグの車道に面したビル1階のカフェで講演中に爆殺されたブロガーのタタリスキーは、生まれは東部ウクライナ。
支持者たちいわく。彼は本当のことを言い過ぎた。それでプー之介=FSB=ショイグのラインの恨みを買って殺されたのだ。
ゼレンスキーの筆頭アドバイザーも断言する。もちろん内訌だ。瓶の中の複数の毒蜘蛛どもが喰い合っている、と。
リスク分析の専門家氏いわく。ロシアの国策決定を何ら変える力のない外野の市井人を殺すためにウクライナが貴重な工作資源や時間資源を大量に無駄遣いするとはおよそ合理的ではない。そんなことができるのならとっくにもっと重要な権力者を狙って殺してしまっているはず。
ウクライナが潜入工作隊を有効に駆使するとしたら、たとえばパイプラインを時限爆弾で破壊してしまうことだ。露側としては警戒対象が広大すぎてガードしきれるものではない。宇側としては工作員資産を使い捨てにせずに安全に逃がしてまた次を狙うことができる。そしてはるかに現在進行中の戦争に影響を与えることもできるのである。
先週、タタルスキーは、テレグラムのチャンネルに投稿している。ロシアのシステムに問題があるので、これを変えなくてはダメだと。
その前には2022-11月のヘルソン州からの撤退にひどく怒った。嘘情報に基礎を置いて愚かな戦争計画を建てるからこんなことになるんだ、と。
つまりFSBを批難したわけで、これを放置できないFSBが得意の爆発物を使って黙らせたのだろう。殺した口実には、先週の書き込みが使われただろう。こいつは反体制の扇動者なので始末しました、と。
※中野正剛を殺した東條の憲兵隊と同じことをしているわけだ。今のロシアを眺めていると、凡人が国を支配し統制した東條時代のことがヤケに生々しく理解できるのである。馬鹿右翼も早く目覚めるとよい。
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Adam Taylor, Julia Ledur, Francesca Ebel and Mary Ilyushina 記者による2023-4-3記事「A web of trenches shows Russia fears losing Crimea」。
マクサーの衛星写真を大延ばしにして、クリミア半島を露軍がいかに塹壕だらけにしているかを解説してくれる『ワシントンポスト』の良記事だ。
※それにしてもなんで日本の新聞にはこういう記事が出ないのだろう? 民間衛星サービス会社にカネを払えばこんな写真が買い放題だというのに、その写真代を惜しんでいる了見が分からない。独自の現地取材ができないんだったら、衛星写真くらい買えよ。
露軍の特殊装備である「BTM-3」はすごい。カチコチに凍っている地面でも、1時間に半マイル長の塹壕を掘れるのである。深さ1.5フィート×幅2フィート。もっと時間をかけて掘る場合は、深さを最大5フィートにできる。
※クリミア半島奪回作戦は、マレー半島を南下してシンガポールを占領した辻政信作戦のデジャヴになるような気がする。あらかじめ橋をぜんぶ落とされた上、戦車壕を何重にも掘開されていたら、戦車の南下は停滞するしかないだろう。しかし自転車歩兵部隊は、軽徒橋、軽門橋、小舟、はたまた自転車を担いだままの徒歩渡りでも、河川障害や壕障害を、すきな場所から通過し、敵陣後方へサッサと高速浸透してしまえる。その動きは自動車歩兵と違ってステルスである。夜間に陣地の背後にまわられてしまえば、下級指揮官にイニシアチブのない露軍部隊はもう粘ることはできない。戦術包囲されると戦意が崩壊するのが露兵の伝統である。正面からは重AFVが圧迫して牽制しているから、げんざいの塹壕から動くこともできず、その場で白旗を掲げるだろう。
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Defense Express 記者による2023-4-4記事「The Netherlands Announced a Missile System Better Than the HIMARS: How Weapons From Israel Are Taking Over the European Market」。
オランダ国防省は今年、イスラエル製の地対地ロケット砲兵システムである「PULS」を検分する。
複数の射程のロケット砲兵の集合体である。
いちばんレンジの短いもので、径122ミリ、16連で35km飛ぶ。
いちばん長射程のものは、レンジ300kmの2連装である。
すべて、トラック車載。
イスラエルは、「HIMARSよりも納期は早いですよ」と言っている。
ドイツのメーカーは、イスラエルのPLUSをもとにして、ドイツ版のHIMARSをこしらえて、それで欧州各国軍を武装させようという野心をもっている。
※雑報によると、パキスタン製の122ミリ野砲弾に不良品が多くて、腔発~早発を惹き起こしている。宇軍の装軌自走砲「2S1」の砲口を出る直前で爆発したらしい証拠写真あり。これが牽引砲だったなら砲側で死人が出ていた筈。
※砲弾にくらべるとロケット弾は初速のGが小さいので、高スペックの安全部品を必要としない。手榴弾のようなものなら、さらに非精密許容度は、大きくなる。低技術国に弾薬量産を分担させるときに、心すべきこと也。