エリート将官の島嶼地形偵察にはチヌークを使いなさい――というお達しが部内に出されるのではないか?

 ガタイのいい野郎10人を乗せて、水に落ちればすぐ沈むUH-60で洋上を飛びまわろうと判断したのが、悔やまれましょうな。

 先島群島方面の作戦で頼れるのはCH-47だけ。これは幾度でも強調したい。

 正しい筋としては、オスプレイなどに飛びつかず、CH-47への空中受油プローブの後付工事をボーイング社に発注し、独自の洋上航法設備を充実させるべきだった。すべてはあとのまつり。オスプレイの調達はいまや米軍では打ち切られ、陸自はこれから数十年、お荷物装備に修理予算を割き続けなくてはならない。

 大東亜戦争が遺した教訓は重い。沖縄方面作戦では、「飛行機」の選択を誤ったら、あとからとりかえしはつかぬ。陸幕は、不思議な軽忽さでそこを敢て誤り、そのツケを支払いつつある。

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 Kyle Rempfer 記者による2023-4-6記事「Elite troops died being sucked out of planes; critics blame their parachutes」。
    2014年のシールズ隊員の死亡事故、2019年の空軍コマンドー隊員の行方不明事故、2023年のグリーンベレー隊員の片腕切断事故。いずれも「T-11」という予備傘が、機内において突風を受けて不意に開傘してしまい、そのために起きたと結論されている。

 この予備傘は、降下隊員の胸側に縛着される。
 その予備傘を開放するリップコードは、昔から伝統的にずっと金属部品だったのが、あるとき、合成繊維製に変えられた。これが突風に対して敏感すぎるのだと批判者は主張する。

 2023年の事故は本人(衛生曹長)が生き残ったために、よく解明されている。フォートブラッグ上空1250フィート。輸送機のドアが開いたとたん風圧で予備傘が開き、いきなり吸い出された。そのさいドア枠に身体が激突。ヘルメットは吹っ飛び、片腕は半分ちぎれた。

 もう片方の腕は複雑骨折。胸骨は陥没。
 上腕二頭筋が裂断し、神経が背骨から引き抜かれてしまったため、ひどい方の腕は切り取るしかなくなった。
 「T-11」のメーカーは、「エアボーン・システムズ・オブ・ノース・アメリカ」社である。

 同社を訴えた弁護士によると、「T-11」は開発時点では、こうした不意開傘を防止する安全ピンが付けられていたのに、部隊に支給された量産品では、そのピンが省略されているという。、

 ちなみに連邦のきまりがあり、こうした事故が起きたときに、被害隊員が国防総省を訴えることはできない。

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 Edward Lucas 記者による2023-4-2記事「Ukraine’s Success Risks Splitting Its Friends」。
    フランス、ドイツ、イタリア、スペインは、長期戦になればなるほど、自国のビジネスの上で不都合なので、早く中共が仲裁者となってウクライナ戦争を終らせてくれることを望んでいる。

 しかし欧州の他の諸国、殊に昔からロシアからの脅威を受け続けている立地の小国は、ぜったいにこの戦争をいいかげんに幕引きさせてはいけないと信じて行動中である。

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 2023-4-5記事「Rheinmetall to build Boxers for Germany in Australia」。
    ドイツのラインメタル社は、豪州内の工場にて、8×8の偵察戦闘車である「ボクサー」を100両、追加的に製造する意向である。その100両は、ドイツ連邦軍が調達する。
 この件は、両国の政府間で、3月に合意された。

 じつはラインメタル社は、豪州のクインズランド州に軍用車両工場を既に持っていて、そこで製造されたボクサー偵察車は、以前から豪州陸軍に納入されているのだ。

 ドイツ連邦軍は、古い超小型の装軌偵察車「ヴィーゼル」の退役年限が迫っている。その更新を、大型の8×8の装甲車でさせる方針を固めた。2025年から更新がスタートするであろう。

 ※ウィーゼルの対ウクライナ供与もあり得るということか? 「ミル8」に吊下してヘリボーンさせたら、クリミアの露軍防備の裏を掻くことができるかもしれないね。

 ※このたび日本政府が打ち出したOSAとは、デュアルユース装備品のヒモ付き援助だ。政府がカネを用立てる。それは日本製装備の調達にのみ使うことができる。これで国内メーカーが潤う。悪くない話だ。さっそく提案だが、富士山が大噴火すると近隣住民のエバキュエーションのために、火山弾から荷室が防護される軽装甲の6×6トラックが大量に必要になるはずだ。そのロードクリアランスを極端に高くすれば、床下に人々が潜り込むこともできるから、車両が破壊されて動けなくなってもなお、救難の役に立つだろう。こういう装備は災害復興にも戦災地の救恤にも、どのようなシーンでも重宝する。今から量産して消防庁に持たせておくとよいだろう。援助専用品の管理を消防庁にさせればいい。

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 Michael Peck 記者による2023-4-6記事「Wagner Group mercenaries are getting a lot more help from Russia’s military than Prigozhin would like you to think」。
   さいきん前線を視察してきた海軍シンクタンクのマイケル・ホフマンによると、ワグネルの支援に露軍の空挺部隊がついていて、言われているほどワグネルは孤立していないという。

 また正規空軍のCASもワグネルに与えられていた。正規軍の砲兵も間接支援射撃もある。

 ワグネルは朝と昼しか戦闘しない。正規軍は夜、暗視装置を使って戦闘を引き継いでいる。それでもうまくいかないときは、次の日から攻勢軸を変えている。

 ※逃亡防止のためにワグネルは夜戦ができないといわれている。今61歳のプリゴジンは1980年代に刑務所に入っていたことがある。囚人にも刑務所にも詳しいのである。

 しかし1月以降、ゲラシモフが前線露軍の指揮を執るようになったら、砲兵の支援をワグネルから引き剥がした。というか、露軍の砲兵は露軍の支援に集中させようとしている。

 それでプリゴジンとしてはプー之介に直接哀訴せんとして、ビデオでいろいろ泣き言を並べているのである。

 ※雑報によるとワグネルの戦闘員はいまや小銃弾もなくなりかけているという。また諸情報を綜合すると、露軍正規軍に追加動員された予備役兵は、あとになるほど質が低下していて、あいかわらず、ろくに訓練させている様子がない。この趨勢の行く先はあきらかだ。歩兵の質が低下したなら、それは砲兵の増強で補うしかないのに、ロシアには、その砲弾がない。露軍の頽勢挽回は、中共が参戦しない限りは、ありえないのだ。

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 モスクワタイムズの2023-4-6記事「Russia Probes Stand-Up Comedians for Mocking Pro-War Blogger’s Assassination」。
   プリゴジン所有のカフェの中で爆薬入りの小さな「塑像」をプレゼントされてFSBのリモコン起爆で支持者40人を巻き添えに爆殺されてしまった有名国粋主義ブロガーの事件。
 さっそくこれのパロディを舞台で披露してバズっちまったロシアのコメディアン2人組(男女)あり。翼賛議会の奴隷根性の議員どもがこのコメディを叩き、警察にしょっぴくように大声で促しているところである。

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 モスクワタイムズの2023-4-5記事「Russia Arrests Chinese LGBT Blogger, Partner for ‘Gay Propaganda’ Violation」
   ロシアでは法律により「ゲイ」の宣伝は禁止されている。この法律を犯したとして、有名な2人のLGBTブロガーが逮捕された。水曜日に彼らの弁護士が明かした。

 2人のうち1人は中国籍である。もう1人はジョージア国籍である。
 2人とも、まず罰金5万ルーブルを取られる。中国籍のオカマは国外追放されるであろう。

 この二人はカップルで、タタールスタンのカザン市〔おそらくはそこの大学に留学した〕で2021年から暮らしているのだが、なぜか遠く離れたサンクトペテルスブルグの反LGBT活動家が執拗に粘着し、しきりに殺害脅迫を繰り返してきたという。

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 J.P. Lawrence 記者による2023-4-6記事「Drone strike on US troops may indicate expanded campaign by pro-Iran militants, analysts say」。
    3月23~24日に、シリア北部にある米軍基地、通称「ルマリン着陸ゾーン」を空襲したカミカゼドローンは、イラン製の「Qasef-1」(別名「IRN-12」)で、先尾翼型の固定翼機。

 この空襲で軍属の契約人が1人死亡。他に13人が負傷。

 フーシがサウジアラビアの石油精製工場を空爆した手段も、この「Qasef-1」であった。
 フーシが初めて使用したのは2017年。イラン製の「Ababil-2」から発達させたと信じられている。

 飛行距離は93マイル。弾頭重量は66ポンド。
 イラク領内の親イラン系ゲリラは、「Samad」というもっとレンジの長い自爆機を使うという。

 シリアには今でも900人の米兵が駐留している。クルド族と共闘するため。
 また契約軍属も170人、シリアの基地に置いている。

 ※中共の手引きでイランとサウジが手打ちをしたので、イラン系ゲリラは、サウジを攻撃できなくなった。そのだぶついたアセットが、米軍基地へ向けられるようになったのか?

 ※雑報によるとブルガリア政府は、すべてのロシア船やロシア所有の積荷に対して港を閉ざした。便宜船籍や、運航会社の国旗を問わない。