TARA COPP 記者による2023-4-23記事「Why the 155 mm round is so critical to the war in Ukraine」。
米国はウクライナにすでに150万発の155ミリ砲弾を供給したが、宇軍はまだ足りないと言っている。
155ミリ砲の弾薬は、大きく4つの構成要素から成る。
信管(デトネーション・フューズ)、飛翔体、推進装薬、火管(primer)である。
砲弾の全長は60センチほど。重さは45kg=100ポンドほど。外径が155㎜=6.1インチ。
155ミリという砲弾の規格を創始したのは、第一次大戦中の仏軍であった。
戦争中にその口径が連合軍のあいだで広く使われるようになった。そして戦後、米軍が正式に採用する。
※塹壕を至近弾1発で圧潰させてやれる威力を追求したらこのサイズになったということだろう。独軍の150ミリや英露の152ミリにも微妙に差をつけることにこだわったのだろう。ちなみにイタリアと日本は149ミリ。
第二次大戦後、NATOは、標準火砲として155ミリ榴弾砲を制定した。
1個の155ミリ砲弾の中から88個の子弾が飛び出すクラスター砲弾は、朝鮮戦争から実戦使用されている。
榴弾砲は通例、24kmから32km離れた敵目標を砲撃する。
この距離だと敵は、砲弾が着地する前にその警告を受け取れたとしても、できることは限られる。
2022-2の開戦以降、ペンタゴンは160門の155ミリ牽引砲/自走砲をウクライナ軍に提供した。砲弾は、通常弾が150万発。誘導砲弾が6500発。クラスターの子弾の代わりに4個の対戦車磁気地雷がとびだすRAAM弾が1万4000発である。
数ヵ月前まで、米政府は、砲弾メーカーから新品を納品させてそれを宇軍へ届けていた。しかしこのごろでは大統領権限が行使され、米軍のストックから割愛させている。
そしてもっかドイツ領内の演習場にて、味方戦車の攻撃前進を砲兵が支援する作法につき、宇軍砲兵を教えているところである。これができるようになれば、だらだらと砲弾ばかり無駄撃ちし続ける戦争は終る。
※ふと気付いたが、米軍がSADARM系の砲弾を宇軍に供給しないのは、なぜだ? よほど有効なので、拾われてコピーされるのが困るということか? あるいは北欧防衛用の「とっておき」にしておくのか?
※もうひとつの謎。西側にまだ多数あるはずの「203㎜榴弾砲/加農砲」は、なぜ援助されない? これも「とっておき」なのか?
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2023-4-24記事「Iran delivers massive amounts of ammunition to Russia」。
WSJによるとイランは過去半年、カスピ海上の貨物船を使って、30万発以上の砲弾と100万発の小火器弾薬をロシアへ輸出した。
たとえば、ロシア船籍の『ラスル・ガムザトフ』という貨物船は、ことし3月、1000個のコンテナを輸送した。その中味には2000発の砲弾も含まれている。
スカイ・ニュースによれば、イランがロシアに送った小火器弾の口径は、5.56ミリ、7.62ミリ、9ミリ、12.7ミリ、14.5ミリ。
砲弾の中には、40ミリ擲弾、107mmの対戦車ロケット弾、60ミリ、81ミリ、120ミリの迫撃砲弾、130ミリ、122ミリ、152ミリの地対地ロケット弾、115ミリ、125ミリの戦車砲弾も含まれている。
イランとしては、こうした弾薬輸送には飛行機を使いたい。事前の根回しが不要だから。
貨物船でカスピ航路を通航するには、沿岸諸国の許可が必要だから、面倒なのである。もちろん、運送コストは、海送するのがはるかに安いが。
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Francesco Guarascio 記者による2023-4-24記事「Exclusive: Czech Republic looks to supply Vietnam more aircraft, radars」。
先週、チェコ共和国の首相がベトナムを3日間、公式訪問した。ベトナム側の関心は、チェコ製の兵器である。
ベトナムも、旧ソ連系の古い兵器を、はやく更新しなければいけないと思っているのだ。
じつはチェコは20年も前から、ベトナムにいろいろな武器弾薬を売ってきた。欧州諸国としては、チェコが筆頭の売り手なのである。
さいきんだと、「L-39NG」という軽攻撃機がある。2021年にチェコのメーカーがベトナムから受注。今年から納入が始まる。
首相に同行したメーカーのひとつ「STVグループ」は、ベトナム軍のAFVを最新式に改造してやることができる。
米国のコルト社は、げんざい、「コルトCZグループ」の傘下企業。そのチェコ企業も、ベトナム軍に対して小火器を売り込みつつあり。
大砲やロケット弾を売り込んでいるのは「エクスカリブル・アーミー」というメーカーだ。
すべて商談については秘密が保たれている。
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Philip Bump 記者による2023-4-20記事「The how and why of Tucker Carlson’s misleading Ukraine war math」。
タッカー・カールソンは、ロバート・ケネディ・ジュニアに、こう言わせた。――誰も話さない。ウクライナの民間人が1万4000人死んでいるが、その陰で、ウクライナ兵は30万人死んでいるのだ。ロシア軍は、ウクライナ兵を、七対一から八対一のキル・レシオで殺しているのだ。ウクライナ軍はこの戦争を継続できない。いままで報道されている話はぜんぶ嘘だ。
いったいそのキルレシオのソースはどこなのだ?
ロシア機関が改変したリーク文書を人々に鵜呑みにさせようとするタッカー・カールソンの脳内なのである。
先週の4-13に、カールソン自身が番組でこう断言している。
――これらのスライドから分かったように、ウクライナは負けている。ウクライナ兵の戦死7名に対してロシア兵は1人という割合だ。バイデン政権はこのためにパニックに陥っている。
しかしリーク文書を解析しているベリングキャットのアリック・トーラーの4-7ツイッターは、カールソンが依拠しているのはオリジナルのリーク文書ではなく、ロシアが細工したバージョンだと示した。
州兵空軍一等兵がゲームサイトのチャットルームで最初に開示したオリジナル機密文書には、露軍の戦死者は4万3500人であるのに対して、宇軍の戦死者は1万7500人だと報告してある。このチャットルームに出入りしていたロシア人がFSBか誰かにこの漏洩文書の存在を注進し、FSBはこの数字はまずいと思って数字部分を書き変えた文書写真を、怪しいアメリカ人女が主宰する「テレグラム」のチャンネルに掲載させることで拡散させた。その改変数字は、《ロシア兵1万7500人戦死、vs. ウクライナ兵7万1500人戦死》。このテレグラム・チャンネルは、ロシア支持である。それが明白であるにもかかわらず、カールソンはそっちを採択した。
※71500を17500で割れば「4倍」にしかならない。それを「7倍」とテレビで伝えたカールソンには、ロシア支持の深い魂胆があると疑われてもしかたがない。
ケネディがそれをさらに「8倍」と強調した根拠は不明である。ケネディが挙げた「30万人戦死」のねた元は、スコット・リッターという、波乱に満ちた経歴を有する元政府職員がポッドキャストで主張した数字だ。それをTass通信が拾い、拡散しているのである。
カールソンやケネディらの狙いは、ホワイトハウスの現政府は信用できないんだと大衆に思わせることにある。新コロ・ワクチンについて米大衆をして懐疑させる情報発信も、この目的に適う。
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AFPの2023-4-24記事「China approves coal power surge despite emissions pledge」。
中共政府は今年、石炭火発をガンガン運転させる方針に転じた。これをグリーンピースは非難している。
昨年、中共は電力の6割を石炭火発から得ていた。これをフル稼働させないでは、経済は回らないのである。
※こういう空想を禁じえない。ゴビ砂漠に無尽蔵にある、粒子の細かい、したがって工業的には利用価値のない陸砂に、低質な石炭をよく混ぜて、巨大な炉の中で燃やす。すると「クリンカー」ができるはずだ。この「クリンカー」を砕けば、石炭灰とともに、コンクリートの骨材になるのではないか?
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Defense Express の2023-4-24記事「Ukrainian Naval Drone Successfully Attacked russian Base of the 68th Coastal Defense Ship Brigade in Sevastopol」。
4-23の夜にまたウクライナの無人特攻艇がセバストーポリ軍港を襲撃したのは間違いなさそうである。
※ブーム・バリアー、すなわち防雷/防潜網 を港内に張り巡らしているのに、その隙間を迂回して少数の爆装艇が突入しているようだ。ところで今後のこの種の兵器の進化方向だが、港口までは半没でステルスにアプローチし、防潜網の前でいったん動力ダイブして潜り、浮力と推進力を合わせて海面上へドルフィンジャンプすることで、障碍を乗り越えるようになって行くのではないか? それほど難しい話じゃないだろう。これを使えば、臨海工業地帯の石油備蓄タンクを、海中から攻撃できるようにもなる。というか、日本の戦略原油備蓄基地は、この種の兵器ですぐにやられる。《対策》も考えなくちゃいけないね。